商業施設・文化施設などの空間づくりをおこなう丹青社が、東京・都心部にある中小規模の築古不動産を再活性化する「R2(アールツー)プロジェクト」を本格始動。ビジネスモデルやコンセプトを公開しました。
プロジェクト名に冠した「R2」とは、不動産再活性化を意味する「Real-estate Revitalization」の略称。同社がこれまで培ってきた、空間づくりのノウハウとネットワークを活用して、中小規模の築古ビルをより働きやすい環境のオフィスへとリノベーションし、不動産価値を向上させ、ビルオーナーの収益増を図ります。
同社の調べによると、バブル期に建てられた多くの中小規模ビルは、老朽化によって稼働率が低下しており、ビルのオーナーの60%以上が60歳以上[*1]を迎えるなど高齢化が進んでおり、事業意欲の衰えや相続の問題などが発生しています。
また、東京都内の就業者の約6割が、従業員500名未満の企業で働いており[*2]、これらの規模に適したビルは、新規の供給量が少ないため、都内で働く多くの人々が、老朽化したビルで働いていると分析することができます。
*1.出典元:ザイマックス総研 2020.11.26「ビルオーナーの実態調査2020(本編)」
*2.出典元:東京の労働力(労働力調査結果)令和2年「企業の従業者規模別非農林業雇用者数」
これらの現状を踏まえ、丹青社では2020年4月よりプロジェクトを発足し、オフィス賃貸および不動産販売の事業化に向けた検討を開始しました。
「R2プロジェクト」では、丹青社が中小規模の築古ビルを取得し、後述するコンセプト「Wellbeing Workplace™」[*3]に基づいてリノベーションを施し、不動産価値の向上を図ります。
ビルの改装後は、スタートアップ企業を含む小規模事業者に向け、より働きやすい環境を提供できるスモールオフィスとして貸し出し、あるいは投資家に向けて売却を行います。
「R2プロジェクト」の本格始動にあたり、同社では、小規模事業者向けの賃貸スモールオフィスブランド「W2(ダブリューツー)」(W2:Wellbeing Workplace™[*3])を立ち上げています。
*3.「Wellbeing Workplace™」は商標登録出願中(2021年5月13日時点)
「Wellbeing(ウェルビーイング)」とは、世界保健機関(WHO)憲章でも使われている「満たされた状態」にあることを示す言葉です。WHOでは、「健康」を肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、満たされた状態(Wellbeing)にあることだと定義しています。
丹青社が掲げる「W2 / Wellbeing Workplace™」では、その場所で働く人々の身体的・精神的健康や個人的充実などを目指すのはもちろんのこと、組織の長期的成功や、持続可能な社会といったすべての「Wellbeing」を実現することを目指したワークプレイスを創出します。
●ワーカーに健康と快適さを提供
自然換気や自然採光が可能な空間。また、生体サイクルを考慮した照明や、居心地の良い水回り環境を提供します。
●働きやすい環境を提供
ICTインフラの整備やコミュニケーション促進のしかけづくり等、多様化する働き方に対応する環境を提供します
●企業ブランディングに貢献
ビルの視認性にも配慮した洗練されたデザインのオフィス空間を提供し入居企業のイメージアップに貢献します
●さまざまなリスクに配慮
耐震面、設備面、セキュリティ面等、建物の適切な維持管理を行い、安心して利用できる環境を提供します
●にぎわいを創出し、SDGsに貢献
低稼働の中小規模ビルを、良質なワークプレイスに改修し、個人と企業の成長を支援します。また、新たなにぎわいを創出し、まちづくりに貢献します
「W2 / Wellbeing Workplace™」の具体的な実事例となる、、R2プロジェクトの第1弾としてこのほど、中央区小伝馬町に〈W2 KODENMACHO〉をオープンしました。
〈W2 KODENMACHO〉概要
所在地:東京都中央区日本橋小伝馬町20-3
用途:事務所・店舗
賃貸面積:1F-27.44坪、2~4F-30.02坪、5F-16.75坪
建物構造:鉄筋コンクリート造
建物規模:地上5階建
竣工:1984年(新耐震基準)、2021年2月(リノベーション)
丹青社では今後、「R2プロジェクト」を通じて、循環型経済の実現に寄与するとともに、住み続けられるまちづくりへの貢献と、新たなにぎわいの創出を目指していくとのことです。(en)
丹青社 事業紹介ページ
「R2プロジェクト~築古不動産の再活性化によるにぎわいづくり」
https://www.tanseisha.co.jp/solution/closeup/r2pj