【PROJECT】で1週間に取り上げた事例を、まとめて紹介します。
05.10-05.14はマンションリノベーション、ヘアサロン、カフェ・ギャラリー、戸建住宅、船舶のインテリアを取り上げました。
注目の仕上げや納まりのポイントとともに、ご覧ください。
洞窟ノイエ / ツクルバ
マンション住戸のリノベーションで、暗がりの空間から発想して仕上げの触覚まで注意を払い、各スペースの性格付けを行った事例です。
https://mag.tecture.jp/project/20210510-cave-house/
「洞窟のような空間とするための仕上げとして珪藻土を施しているが、混ぜる砂利の粒度を変えることで、ひと続きにつながる空間に緩やかな変化を与えている。
寝室には1分、LDKには7厘、土間には5厘の砂利を混ぜることで、各室で異なる陰影を生み、壁天井の表情を変えている。
寝室奥の壁には、各部屋の砂利の粒度と数種の色味を微調整した版築風の左官仕上げとすることで、LDKからのアイストップをつくり視線に奥行きが生まれ、体感的に広さを感じられることを実現した」というマニアックな解説文。スギ板などの使い方にも注目です。
ore / 馬上紘一建築設計事務所
Photographs: Kohei Yamamoto | 山本康平
表情の異なる仕上げや素材を使うことで、鉱石のような普遍の美というテーマ性を引き出した事例です。
https://mag.tecture.jp/project/20210511-ore/
鉱石をテーマとし、イメージさせるための漆喰、エポキシ樹脂、そして大理石の塊の使い方に注目です。
doors yamazoe / やぐゆぐ道具店
Photographs: Kiyoshi Nishioka | 西岡 潔
農村の自動車整備工場を改装したカフェとギャラリーで、開口部に着目して多様な扉を用い、多くの要素をつないだ事例です。
https://mag.tecture.jp/project/20210512-doors-yamazoe/
計画のポイントとなる可動間仕切りは、スチール鋼管と木軸下地+AEP塗装での制作。エボニー染色クリア塗装による什器の組み合わせに注目です。
J.csh / マニエラ建築設計事務所
Photographs: Yasunori Shimomura / Shimomura Photo office | 下村康典(下村写真事務所)
敷地の特性を活かし、南北方向に風穴をあけて外部との一体感を強めた邸宅です。
https://mag.tecture.jp/project/20210513-j-csh/
ミッドセンチュリーモダンを感じさせる外構に呼応して、「外壁材も白華現象を含め経年変化を楽しむことのできるサイディングとしたほか、黒皮鉄板で仕上げたキッチン、ムラのあるセメント板をそのまま利用した壁、各所に現れるさまざまなアクセントカラーなど、仕上げ材の見どころも富んでいる」との解説。
SEA SPICA / イチバンセン
Photographs: West Japan Railway Company | JR西日本旅客鉄道
瀬戸内の多島美の景色を楽しめるようにした、高速船のインテリアです。
https://mag.tecture.jp/project/20210514-sea-spica/
船舶ということで、デッキまわりでは建築ではあまり見かけたことがない材料も見受けられます。
なお、こちらの〈SEA SPICA〉は公益社団法人日本船舶海洋工学会「シップ・オブ・ザ・イヤー」小型客船部門賞を受賞したとの知らせを受けました。
船舶界では、建築学会賞のような賞だとか。おめでとうございます!
柔らかさを感じさせる素材、硬さを感じさせる素材、それぞれを組み合わせて独特の表現を追求した事例の数々でした。
来週も、詳細の詰まった事例の更新をお楽しみに!