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ポーラ美術館にてロニ・ホーンの日本初個展

「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」

神奈川県・箱根のポーラ美術館にて、アメリカ現代美術を代表するアーティストの1人、ロニ・ホーン(Roni Horn、1955-)の大規模展が開催中です。日本国内の美術館での個展はこれが初となります。

ロニ・ホーン展

〈水による疑い(どうやって)〉(部分) 2003-2004年
12点のピグメント・プリント(6組)、メッキされたアルミニウムの支柱、アクリルのグレージング
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーン展

〈無題(「…どの家でも、土間の上、敷物の上、板寝床の上で、村人たちは動かず、黙って横になっていた。その顔は汗だらけ。村全体がさながら深海の底の潜水艦であった—確かに存在はしているのに、声も、動きもなく、生きているしるしがない。」)〉 2018-2020年
鋳放しの鋳造ガラス
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーンは、これまでに、写真や彫刻などの多様なメディアを使ったコンセプチュアルな作品を制作し、発表しています。2009-2010年にはテート・モダンとホイットニー美術館で大規模な展覧会を開催し、注目を集めました。

ロニ・ホーン展

〈静かな水(テムズ川、例として)〉(部分) 1999年 
15点の写真と文字のオフセット・リトグラフィー / 非塗工紙
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

テムズ川の水面やアイスランドの温泉、島の地図、水鏡を思わせるガラスなど、ロニ・ホーンの作品の多くは、自然と密接に結びつきながら、極めてシンプルに削ぎ落された形式で展開されます。

作品は、写真、彫刻、ドローイング、書籍など多岐にわたるものの、1つの概念が多様な作品へとかたちを変えて現れるさまは、環境や周囲との関わりによって姿を変える「水」の性質を想起させ、本展のタイトル「水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」は、これに由来しています。

ロニ・ホーン展

〈無題(「必要なニュースはすべて天気予報から手に入れる。」)〉 2018-2020年
鋳放しの鋳造ガラス
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ニューヨーク在住のロニ・ホーンは、1975年から今日まで継続して、人里離れた辺境の風景を求めて、アイスランド中をくまなく旅しています。この中で経験した「孤独」は、彼女の人生と作品に大きな影響を与えるものでした。例えば、本展のフライヤーにも使用されている、アイスランドの温泉地で6週間にわたって女性の表情を記録したポートレート〈あなたは天気 パート2〉や、45点のピグメント・プリント〈円周率〉、現在も刊行を続けているシリーズ〈トゥー・プレイス〉などの作品となって具現化しています。

ロニ・ホーン展

〈あなたは天気 パート2〉(部分) 2010-2011年
66点のCプリント、36点の白黒印刷、PVCボードにマウント
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーン展

〈あなたは天気 パート2〉(部分) 2010-2011年
66点のCプリント、36点の白黒印刷、PVCボードにマウント
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーン展

〈円周率〉(部分) 1997 / 2004年
45点のピグメント・プリント
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

〈トゥー・プレイス〉(部分) 1989-
布装丁の本、オフセット・リトグラフィー
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

本展は、1980年代から今日まで約40年にわたる、ロニ・ホーンの実践の数々が展示される大規模展です。彼女の近年の代表作であるガラスの彫刻作品シリーズのインスタレーションも展開されるほか、前述のポートレート〈あなたは天気 パート2〉、〈円周率〉、〈トゥー・プレイス〉のシリーズ、平面や立体作品など、幅広い作品群を総覧することができます。

〈犬のコーラス—地球の果てまで滑り出せ〉(部分) 2016年
水彩、ペン、インク、アラビアゴム/水彩画用紙、セロハンテープ
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーン展

〈または 7〉 2013 / 2015年
粉末顔料、黒鉛、木炭、色鉛筆、ワニス/紙
グレンストーン美術館(ポトマック、アメリカ) © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ロニ・ホーン展

〈エミリのブーケ〉(部分) 2006-2007年
アルミニウム、成型した白いプラスチック 6点組
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
〈ゴールド・フィールド〉 1980/1994年 焼鈍した純度99.99%の金箔
Courtesy of the artist and Hauser & Wirth © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

ポーラ美術館では、本展の開幕にあわせて、ガラス彫刻作品〈鳥葬(箱根)〉(2017-2018年)を新たに収蔵。屋外「森の遊歩道」にて常設展示を行っています(開放時間:9:00-16:30 / 天候により閉鎖する場合あり)。

ポーラ美術館 ロニ・ホーン 常設作品

〈鳥葬(箱根)〉2017–2018年
鋳放しの鋳造ガラス ポーラ美術館 © Roni Horn
Photo: Koroda Takeru

本展は会期中無休。元旦を含む年末年始も開館しています。

「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」

会期:2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)※会期中無休
開館時間:9:00-17:00(入館は16:30まで)
会場:ポーラ美術館 展示室1、展示室2、屋外「森の遊歩道」
所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭ 1285(Google Map
TEL:0460-84-2111
入館料:大人 1,800円、シニア割引(65歳以上)1,600円、大学・高校生 1,300円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちの本人および付添1名まで 1,000円

展覧会特設サイト
https://www.polamuseum.or.jp/sp/roni-horn/

 

箱根 ポーラ美術館 外観(夏季撮影)

箱根 ポーラ美術館 外観(夏季撮影)

ポーラ美術館 Webサイト
https://www.polamuseum.or.jp/

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ポーラ美術館にてロニ・ホーンの日本初個展

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