ソファーの横に置かれた格子状のボックス〈Grid Box〉と、壁面を飾っているインテリア〈Wall Deco〉。どちらも、岐阜県に本社がある杉山製作所が制作・販売しています。
同社は、鉄を加工・溶接する技術に長け、自動車や列車車両の部品などを製作してきたノウハウを生かして、アイアン家具や建材のブランドを複数展開しています。
鉄へのこだわりをもった製品づくりを行いながら、素材をもっと自由に、さらなる〝鉄の可能性〟を追い求めて、デザイナーの柴田文江氏(デザインスタジオエス代表)と立ち上げたのが、アイアン家具ブランド「Fe」(エフイー)。人々が鉄に抱く「重たい」というイメージを払拭するような商品として、2012年に世に送り出したのが、〈Grid Box〉と〈Wall Deco〉でした。現在では卓上で使えるスタンド式の〈Desk Deco〉もあります。
〈Wall Deco〉は、日本の家屋の壁面を鉄という自然で温かみのある素材を用いて豊かにししたいという思いから生まれた、ブランドアイコン的なプロダクトです。2017年にはグッドデザイン賞も受賞しています。
絵画やフォトフレームのように枠に収めて飾るという概念を取り払い、壁面全体を枠としてとらえ、枠にとらわれずどこまでも続くような幾何学模様が大きな魅力です。マグネットが付属品としてセットされ、メモを挟むといった実用性に加えて、ポストカードや植物などを飾って、お気に入りの空間を演出することもできます。
2016年に大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のメインキャスト、津崎平匡の自宅、パソコンデスクの前の壁に使用されていたインテリアなので、見覚えのある方も居るのではないでしょうか?
〈Wall Deco〉には現在、3つのバリエーションがあります。杉山製作所が先ごろ開設したYouTube公式チャンネル「sugiyama.furniture」に、商品の詳細を伝える動画が公開されています(再生と同時に音楽が流れますので、音量に注意してください)。
# Wall Deco(ウォールデコ)
# Wall Deco bure(ウォールデコ ブレ)
# Wall Deco ridge(ウォールデコ リッジ)
かなりアップに寄ったアングルからは、ディテール、マテリアルが手に取るようにわかり、白い壁に落ちる影の美しさ、ジオメトリックなデザインが”だまし絵”のような視覚的な効果をあげていることもよくわかります。
〈Grid Box〉と〈Wall Deco〉のどちらも、開発・販売から10年近くが経過したとは思えないデザインで、斬新さを今なお保っています。
杉山製作所のYouTubeチャンネル「sugiyama.furniture」では、このほかにも、商品の具体的な機能性について伝える動画を公開しているほか、公式facebookもほぼ連日で更新。COVID-19(新型コロナウイルス)の影響がしばらくは続くと思われる社会的状況だからこそ、ものづくりの原点に立ち返り、ものづくりの大切さをしっかりと伝えようという、同社の強い思いが伝わってくるようです。(yam)
杉山製作所公式ウェブサイト http://tetsukagu.jp/
「Fe」オンラインショップ https://fe-shop.tetsukurite.jp/