「TECTURE」に参加しているタイルメーカーに取材し、タイルの最先端情報をまとめました。
タイルはどこまで進化しているのか? どのようなトレンドがあるのか? タイルの「最先端」を3回に分けて紹介していきます。
第3回はタイルのサステナブル(持続可能性)について、タイルメーカーの最新動向を紹介します。
第1回 スーパーリアルなタイル(9月4日掲載)
第2回 大判タイル(9月11日掲載)
第3回 サステナブルなタイル(9月19日掲載)
建築におけるサステナブルとは、設計・施工、また運用面において省資源や省エネルギーなど地球環境に配慮し、長く使われる建築物であることとされます。サステナブル建築を実現するには、採用する建材選びも重要な要素といえるでしょう。
なかでも室内外に使用でき、意匠性の高い仕上げ材であるタイルは、防汚性、耐候性、耐熱性、メンテナンス性にも優れた高耐久なサステナブル建材として見直されています。
タイルは粘土や長石、陶土といった天然素材からできています。
地球上に豊富にある粘土ですが、採り続ければ天然石同様、いずれなくなってしまう枯渇性資源です。材料は天然素材でも、焼いてつくられるタイルは製造に燃料を必要とします。
近年、原材料、製造、運搬から施工して維持されるまで、タイルメーカーではさまざまな“サステナブルな取り組み”が進んでいます。1つずつ見てみましょう。
土などが減少傾向にある問題に対し、国内だけでなく、海外の生産地でも再生材料を加えたリサイクルタイル生産の取り組みが進んでいます。タイルメーカーでは検品で規格外になった廃棄タイルを細かく粉砕し、原材料に配合して使用しているところがあります。
タイルに使用される再生材料には、ほかにも
・工場の製造過程や検品で出る廃棄品や端材(素地やタイル)、廃盤になった製品
・廃ガラス、陶器くず、レンガなどの廃棄物
・溶融スラグ(ごみを燃焼した焼却灰を加熱・溶融、冷却固化したガラス状の物質)
など、さまざまなものがあります。
どの製品がリサイクル材料を使用しているかは、グリーン購入法やエコマーク、LEED®認証適応商品といった認証マークでカタログに表記されており、配合割合を知ることもできます。
製造過程で出てしまう端材を混ぜることで廃棄物を減らすだけでなく、バージン材料の使用量を削減し、採掘・運搬のエネルギー消費も減らすことにつながっています。
また、意匠として取り入れられている人気の高い石材は、資源の減少や国際情勢などから産出が停止されたり、閉山することもあります。石材に代わる「希少な石そっくりに見えるリアルなタイル」の需要は増え続け、デジタル印刷技術が進化したタイルは、天然石の枯渇問題にも対応しているのです。
「印刷技術の超進化によるスーパーリアルなタイル!」の記事はこちら
タイルは焼成して製造されるため多くの燃料を必要とします。イタリアなど海外の主要タイルメーカーでは環境配慮型の大型窯を導入し、排気ガスから熱を循環させて使用するエネルギーを削減。ほかにもいろいろなメーカーで二酸化炭素排出を徐々に減らしたり、工場で出る排水を再利用したりするなどの取り組みが行われています。
材料の配合、製造、梱包までを自社工場内で行うことは、エネルギー面だけでなく、木材パレットの再利用やリサイクル梱包材の使用など、トータルでサステナブルに取り組むことにつながっているのです。
これまでのタイルはサイズや形状にもよりますが、厚さ7~10㎜が一般的でした。現在では厚さが5㎜以下の大判タイルも登場しています。
薄くなることで使用する材料、製造エネルギー、運搬にかかる燃料などの削減につながります。
また、改修事例では薄さを活かして既存仕上げをはがさずに施工でき、施工時間の短縮や建築廃材を出さないといったメリットも生まれます。
日本の住宅事情で広い面積が取りにくいケースでも、同柄でさまざまなサイズが揃うタイルは、端材を比較的出さずに意匠を揃えられます。
「“3000㎜の超大判タイル”が演出するダイナミックな空間」の記事はこちら
リサイクルタイルに用いられる材料は、工場から出る規格外品や端材だけでなく、建設地の建設廃土やクライアント企業から廃棄される商品を配合するなど、各社が研究を行っています。
使用済みレンガをスライスしたタイルや、廃蛍光灯を100%使用したガラスタイルなど、独特の風合いをもつサステナブルな製品も続々と登場しており、多様なデザインの実現につながりそうです。
洗面やキッチンの一部、新しい生活様式でニーズが高まっている玄関脇の手洗いなど、デザイン性の高いタイルを施主と選び、住宅に取り入れる事例も増えています。
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美観を長く保ち、使い続けられるタイル
近ごろ増えているのが、印象的なタイル外観をもつ歴史的建造物が、改修し保存されるプロジェクト。建設当時のタイルを復原するとともに、既存タイルの一部を残しながら改修やリノベーションが行われています。
タイルのもつ耐久性や、長い時間を経ても褪せない意匠性は、建物が長く愛される理由の1つでしょう。復原タイルのプロジェクトが気になる方はこちら!