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慶應SFC研究所、積彩、Slabが高さ2.8mの大型プラスチック製ベンチを共同製作、3Dプリンタで24時間で出力造形

PRODUCT2021.07.12

慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボ(代表:田中浩也環境情報学部教授、以下SFC研究所)と、3Dプリント技術を専門とするデザインスタジオの積彩、国産の3Dプリンタ・工作機・ロボットの開発・製造を行うエス.ラボ(京都府京都市)の3者はこのほど、3Dプリンタを利用した共同製作によって、高さ2.8m、幅1.2m、奥行き1.1mの大型プラスチック製ベンチの造形に成功したと発表しました(エス.ラボ社プレスリリース)

Slabのペレット式3Dプリンタ「茶室」にて造形を完了したベンチ

エス.ラボ社が所有するペレット式3Dプリンタ「茶室」により、24時間で造形されたベンチは、神奈川県藤沢市の慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス内に仮設置され、実際に人が座るなど、試験的な利用も行われています。

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにおけるベンチの試験利用の様子

エス.ラボはプラスチックペレットを原料とする、大型かつ短時間で造形が可能なペレット式3Dプリンタを2013年から開発し、特許も取得している(2019年以降は「GEM シリーズ」として販売[*1])。
プラスチック樹脂を用いた材料押出方式[*2]の3Dプリンタにおいて、最大造形サイズが2立方メートルを超える機種は世界でも数が少なく、エス.ラボ社の調べによれば、今回の装置開発・造形は世界最大級の事例となるとのこと。

今回の共同製作では、SFC研究所は材料検証と造形試作を、積彩はベンチの3Dモデル設計と配色設計を担当。まず縦向きに出力され、造形後に向きを変え、ベンチとして利用した。大人4人程度が問題なく座れる強度が確認されています。表面の積層模様は、3Dプリント時には意図的に配色をコントロールすることでつくり出しています。

SFC研究所 / 田中浩也教授 コメント
「ウィズコロナからアフターコロナに社会が移行していくなか、オフィス、キャンパス、公園、コワーキングスペースなどで、家族や友人どうしの、新しい過ごし方・働き方を生み出すための、大型什器・家具が、新たに必要とされてくる場面があると思います。リサイクルしたプラスチック材料でも無駄なく使え、ゴミが少ない熱溶解積層方式の3Dプリンタは、場所を彩る魅力的な立体物の制作に最適です。
今回プロトタイプとして制作したベンチを実際にご覧になりたい方は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスまでお問い合わせください。」

慶應義塾大学SFC研究所 ソーシャル・ファブリケーション・ラボ
https://dmec.sfc.keio.ac.jp/

積彩 大日方伸代表コメント
「シンボリックな螺旋形状のベンチは座面をななめに区切り、利用者同士が適度な距離感で座れることを目的としていましたが、実際に設置してみると小さな女の子がまるで遊具のように下をくぐったり寝転んだりと、螺旋を自由に使って遊んでいたことが印象的でした。
今回私たちがデザインしたのはベンチだったのか。遊具だったのか。
超大型の 3Dプリンティングでは規格外の造形物を作り出すことが可能ですが、それはこれまでのベンチ/遊具のような境界を取り払い、もっと自由な振る舞いをもつデザインへの想像力となっていくでしょう。
デザイナーとして、このように想像力の源泉となる装置に出会えることは喜びです。これからもこの超大型3Dプリンタを活用し、ワクワクするようなものをつくっていければと思います。」

積彩
https://sekisai.com/

エス.ラボ 柚山代表 コメント
「今回のベンチ造形は、循環型社会の目指すかたちとして、外観でも材料面でもインパクトあるものができました。
3Dプリンタで製造したものが広く普及するためには、でき上がった物の価値そのものが市場で評価されなければならず、今回、特大サイズと洗練されたデザイン、そしてリサイクル材料でベンチができた意味は大きい。リサイクルプラスチックの有効利用は社会的なテーマであり、今回のようなかたちでアウトプットを続けていきたいと考えています。
3Dプリンタというツールが身近になってきた昨今でも、弊社では3Dプリンタが夢のようなものづくりを見せてくれることを期待して日々開発を続けており、家具、車、航空、船舶、住宅など、さまざまな分野で有効活用できる3Dプリンタを、ユーザーのみなさまと共に考え、かたちにしていきます。」

エス.ラボ株式会社(Slab)
https://slab.jp/

※1:GEM(Granule Extrusion Molding)はエス.ラボが保有する商標
※2:Material Extrusion(MEX)方式

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