床・壁・天井をはじめとした総合建材を扱うエービーシー商会。東京ショールームは東京・永田町に位置し、利便性が抜群。本社ビルの建て替え(2020年竣工)に伴い、ショールームも生まれ変わりました。
TECTURE MAGでは、リニューアル後の東京ショールームを取材。設計の製品選定にあたって大いに役立つ理由をお伝えします。
1階から2階・3階までが吹き抜けでつながる、東京ショールームの空間。ショールームは2階がメインフロアで、3階には商談スペースと会議室も備え、セミナーやイベントなどが活発に開催されています。
ショールームのリニューアルにあたっては、設計者を中心にアンケートやヒアリングを実施。多数の製品を比較検討するだけでなく、「製品の使用シーンを具体的に把握したい」というニーズがあったといいます。
エービーシー商会が新しいショールームで重視したのは「体感」。同社では、機能性の高い製品や要望に応じたオリジナル対応ができる製品を数多く扱っています。さまざまな方法を通して製品を体感することで、より解像度の高い情報を得られるはず。
今回はどのように「体感」できるのかを中心に、アドバイザーにショールームを案内いただきました。
まず紹介するのは「検証スタジオ」。ガラスで囲われた部屋には、天井材と照明器具が上下に動かせる装置が設けられています。
ルーバーや光幕天井などの天井材と照明器具の距離を調整できるほか、それぞれの製品や照明器具は、交換可能。採用を検討している現場に近い環境で光の広がり方や見え方、感じ方を検証することができます。
光幕天井の内部を確認している様子
ルーバー天井の検証では、ルーバーの種類やピッチを変えられる
匂いや音が発生する塗り床の施工実演なども可能(要予約)
隣のスペースは、洗面カウンターの高さを検証できるコーナー。施工後は自由に高さ変更ができなくなる個所だからこそ、納得するまで使用感を確認できます。
実際に検討している形状の洗面カウンターに取り替え、よりイメージに近い高さを検証できる
次の紹介ポイントは、製品を施工した姿がリアルにイメージできる再現展示。床・壁・天井などの建材を、目的別のシーンを想定した空間展示で紹介しているため、製品の使い方をはじめとして色・デザインの比較検討、端部の納まりなどを具体的に確認できます。
天板の前垂れ形状や、塗り床の立上がりとの取り合いなど、設計時に気になる納まり部分について、ショールームではサンプルが多く用意されています。改修展示エリアでは、既存仕上げからの改修工程を施設別に展示。床と壁など部位ごとの取り合いを立体的に把握することができます。
塗り床や幅木などの種類ごとに、床面と立ち上がり部分の納め方は多種多様
施設のリニューアルを想定したブースでは改修工程が一目瞭然
外構展示コーナーでは、外装ルーバーの裏側まで見ることができ、取り付け部分の確認や内側からの見え方も実感できます。
外装ルーバーの縦張り・横張りの方向、ピッチ(間隔)を細かく調整しながら検証もできる
大判展示のコーナーでは、セラミックタイルや人工大理石を大判サイズで確認できます。右手のモニターでは精緻でリアルな表情の画像を映し出し、製品を比較検討することが可能。映し出される原寸大の画像はカットサンプルではわかりにくい柄を確認するとともに、迫力ある実物の大判を目の前にしたときのような感覚が得られます。
タッチパネルで数多くの製品画像を瞬時に切り替え、原寸大で色柄を検討できる
「サンプルライブラリー」では、カテゴリー別に製品ラインナップを展示しています。サンプルを取り出して、調光・調色ができる照明の下で、実際の採用現場に近い環境で素材の色味がどのように見えるかを確認できます。
各種製品の質感や表情を確かめられるサンプルもバリエーション豊富に展示
多様な形状の洗面カウンターが並び、ボウルの深さや前垂れなどの細部まで確認できる
人工大理石「コーリアン」は素材感だけでなく、穴あけや曲げなどの加工のほか、磨きや透光による見え方をリアルに体感できる
「足を運んで体感いただければ、納得していただけるはず」とアドバイザーは語ります。体感設備などの空間提供だけでなく、特注やオリジナル仕様の相談、「こういうことをしたい」という要望にこたえる対応力を、アドバイザーは備えています。
気になる製品をじっくりと確認できるエービーシー商会の東京ショールーム。大阪ショールームも、2025年度に体感型のショールームとしてリニューアル予定といいます。製品や仕様選定で検討が必要な方だけでなく、幅広くデザインのヒントを得たい方も、ぜひ訪れてみてください。
エービーシー商会 ショールーム
https://www.abc-t.co.jp/showroom/東京ショールーム
住所:東京都千代田区永田町2-12-14 本社ビル1~3F
営業時間:10:00~17:00
休館日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始
TEL:03-3507-7117
FAX:03-3581-5405
E-MAIL:info-15@abc-t.co.jp
(アドバイザーによる案内を希望される方は事前予約を推奨)
Photo: toha
Editor: Jun Kato