ロンドンを拠点とする建築家でデザイナーのロン・アラッド(Ron Arad)のデジタル作品〈Reverse Again〉が、NFTオークションにて販売されます。
東京を拠点とするブロックチェーン企業、Curvegrid社(代表取締役:Jeff Wentworth)が4月23日に発表。
NFTのテクノロジーを活用し、世界的に有名な現代アーティストとデジタル・マーケットとを結びつけるグローバルなアートプラットフォーム「Shifting Vision」のNFTテックパートナーとして、同社がソリューションを提供するとのこと。Shifting Visionとのコラボレーションによる新シリーズ〈Reverse Again〉の第1作目として、ロン・アラッドのデジタル作品2点が発表されます。
ロン・アラッド(Ron Arad)プロフィール
1951年イスラエル生まれ。現在はロンドンを拠点に活動中。
現代において最も影響力のあるアーティスト、デザイナー、建築家の1人。型、構造、テクノロジー、素材に対するがむしゃらな好奇心と、工業デザイン、ハンドメイドのスタジオ作品、彫刻、建築、ミクストメディア・インスタレーションなど、その活動は多方面にわたる。家具デザインでは、1986年に発表された〈Well Tempered Chair(ウェル・テンパードチェア)〉や、現在はVitra社が製造している〈Tom Vac(トムバック・チェア)〉、Driade(ドリアデ)の〈CLOVERアームチェア〉などがある。
2008年にポンピドゥー・センター、2009年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された、初の大規模回顧展「No Discipline」は、ロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アートからロイヤル・アカデミアンに選出されている。Ron Arad Associates,Ltd.
http://www.ronarad.co.uk/home/
〈Reverse Again〉のオークションでは、そのアイコニックなデザインにアラッドが魅了され続けているという、名車〈FIAT 500〉にインスパイアされた作品が発表されます。
なお、アラッドは、FIAT 500のイメージを、イタリアと彼の世代の国民的シンボルとしてとらえているとのこと。
「おそらく誰にでも、FIAT(フィアット)で初めてを経験したとか、初キスをしたというエピソードがありますよね。本当に愛すべき乗り物だと思っています。自動車を破壊するのではなく、操ることで不滅の存在にするのです。」
彼の新たな作品シリーズとなる〈Reverse Again〉は、2014年の展覧会「In Reverse」で始まった、彼のハンドメイドとデジタルプロセスの探求を引き継いでいます。同展は、イスラエルのデザインミュージアム・ホロンで開催された後、イタリアのピナコテカ・アニエリに巡回。その際にアラッドは、イタリアの名車である〈FIAT 500〉を圧縮して製作された彫刻作品〈Pressed Flower〉6点が、カラーバリエーションをつけて同ギャラリーの壁に展示したという経緯があります。
アラッドがShifting Visionと共同で制作した新しいNFTは、物理的実験とデジタルシミュレーションによって、自動車のボディ、特に〈FIAT 500〉が圧縮される際の動きを探求した作品となります。
#Shifting Vision YouTube「Ron Arad: Reverse Again」(2022/04/04)
Shifting Vision(シフティング・ビジョン)について
イスラエル、イタリア、英国、マルタ、カナダ、シンガポール、日本を拠点とするデジタル・キュレーション・プラットフォーム。新興の技術を原動力として、世界の一流の現代アーティストとコラボレーションし、NFTの普及を促進、物理的なアートの世界とデジタルアートの世界の架け橋となることを目指している。
カルチャーを推進するために、アートと現実の関係について探求しながら、実績あるアーティストたちのネットワークを構築している。
www.shiftingvision.org