2023年1月末をもって東急百貨店本店(東京都渋谷区道玄坂2丁目)が閉店し、関連施設も順次クローズないし仮移転する一帯はその後どうなるのか?
跡地には、ノルウェーの事務所・Snøhetta(スノヘッタ)がデザインアーキテクトを務め、大型の複合施設が建設されます。
この「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト(Shibuya Upper West Project)」の計画概要については、『TECTURE MAG』にて7月21日にて速報した通りです(開業ニュース)。
地上36階建てとなるビルの中層部には、スワイヤー・ホテルズ系のコンテンポラリー・ラグジュアリー・ブランド「ザ・ハウス・コレクティブ(The House Collective)」が出店します。
同ブランドは、これまでに、中国の成都、北京、香港、上海に展開しており、5店舗となる渋谷は中国国外初進出で、重要なマイルストーンと位置付けられているとともに、スワイヤー・ホテルズとして日本初進出とあって、日本国内でも話題を集めそうです。
「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト(Shibuya Upper West Project)」において、ホテル開業を進める、スワイヤー・プロパティ・ホテル・マネジメント・リミテッド(Swire Properties Hotel Management Limited / 香港)が、7月27日にプレスリリースを発信。グループとしての目標や、スワイヤー・ホテルズのブランドコンセプト、各店舗のビジュアルなどを明らかにしました。
「ザ・ハウス・コレクティブ」は、その名のとおり、「ホテルではなくハウス」「ホテルよりもハウス」であることをコンセプトに掲げています。
中国・香港で展開中の既存4店舗は以下の通りです。
ザ・オポジットハウス(The Opposite House)
立地:北京(Google Map)
開業年:2008年
設計・デザイン:隈研吾建築都市設計事務所ザ・アッパーハウス(The Upper House)
立地:香港(Google Map)
開業年:2009年
設計・デザイン:アンドレ・フー(André Fu)ザ・テンプルハウス(The Temple House)
立地:成都(Google Map)
開業年:2015年
設計・デザイン:メイクアーキテクツ(MAKE Architects)ザ・ミドルハウス(The Middle House)
立地:上海(Google Map)
開業年:2018年
設計・デザイン:ピエロ・リッソーニ(Piero Lissoni)
それぞれは、その土地と文化を背景に、独創的かつスタイリッシュで、パーソナライズされた体験を求める、旅慣れたトラベラーのためにデザイン・設計されています。
4つの「ザ・ハウス・コレクティブ」は、たとえば、北京の卓越したアートシーン、上海のハイファッション、成都の銘茶と静けさ、香港のきらめく街並みや夜景など、それぞれのロケーションから、ユニークなイメージやインスピレーションを受けた、それぞれで独特のデザインに。加えて、美味なる料理など、独創性に富んだホスピタリティを提供。
共通するアプローチとしては「ピープル・ファースト」を掲げ、インスピレーションに満ちたエフォートレス(effortless)空間と滞在体験を実現。ブランドとしての差別化を図るとともに、世界中のロイヤルファンを獲得し、成功を収めているとのこと。
詳細
www.thehousecollective.com/jp/new-house-in-tokyo/
スワイヤー・ホテルズ 副会長トビー・スミス氏 コメント:
「世界に雄飛するザ・ハウス・コレクティブの成長を見守って、とても誇らしいと思います。これを機に、個性溢れるデザインとヒトを大切にするホスピタリティを東京の皆様にご紹介いたします。新ハウスがオープンすることで、東京の皆様や世界中から東京を訪れる皆様に向けて、活気に満ちたワールドクラスの新しいゲストエクスペリエンスを作り上げていくという私たちのビジョンを、東急グループおよびLCREとともに実現することを嬉しく思います。」LCRE(L Catterton Real Estate)代表 マネージングパートナー マシュー・ル ボゼック氏 コメント:
「スワイヤー・ホテルズとザ・ハウス・コレクティブという、アジアにおいて最も洗練されたラグジュアリーホテルブランドと共に、東京におけるホスピタリティの新スタンダードを提供できることを喜ばしく思っています。」
なお、スワイヤー・グループにとって、2022年は⽇本事業開業155周年の節⽬にあたります。
輸出⼊業務の拠点を横浜に開設したのをきっかけに、⽇本国内での事業を拡⼤し、さまざまな領域で事業を展開、神⼾、東京、名古屋にネットワークを築いています。
グループの航空部⾨であるキャセイパシフィック航空は、外資系航空会社として初めて、1959年に東京に就航しました。同グループのこれまでの国内事業は、船舶・航空事業が中⼼でした。
モダニティー、活力、ラグジュアリーを謳い、エクスペリエンス・ヒト・場所を大事にする「ザ・ハウス・コレクティブ」が、新店舗を計画するにあたり、スワイヤー・グループでは、総合デベロッパーとしての実績を誇る東急グループと、LCREとパートナーシップを組むことは、自然な選択だったといいます。
両者との連携し、その市場プレゼンスとノウハウを生かすとともに、スワイヤーがワールドクラスのラグジュアリーホテルの経営に培ってきた実力とを合わせて、ユニークかつ刺激に富む、新しいデスティネーションを築き上げていく計画です。
スワイヤー・ホテルズ(Swire Hotels)概要
香港・中国本土・アメリカにおいて、「ザ・ハウス・コレクティブ(The House Collective)」と、イースト(EAST)の2つのブランドを展開。前者は、それぞれのロケーションならでのイメージやインスピレーションを受けてデザインされたホテルからなるコレクション。後者は、遊び心があふれながらも生産性を重視したライフスタイルホテルで、香港、北京、マイアミの各都市の主要な商業地区に立地。活気に満ちた都会のダイナミズムをそのまま宿泊体験として提供している。
www.swirehotels.comスワイヤー・グループ(Swire Group)概要
不動産、飲食料品、航空、海洋、貿易、産業などの事業を行う多角的なグローバル企業。その中核企業である、スワイヤー・パシフィック・リミテッド(Swire Pacific Limited)は、香港・中国本土を中心に、アジア各地で事業を展開中。香港上場のスワイヤー・プロパティーズ(Swire Properties)およびキャセイパシフィック航空を傘下に持ち、人々の生活に関連した事業を幅広く展開している。
スワイヤー・プロパティーズは、商業施設、小売店、ホテル、住宅などの開発・管理を手掛ける不動産開発会社で、主要な公共交通機関の結節点にある一等地の複合施設開発に重点を置いている。
www.swire.com
www.swireproperties.com
プレスリリース(2022年7月27日Swire Properties Hotel Management Limited発表)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000105680.html