イタリアの高級ファッションブランド・グッチ(GUCCI)が、去る5月13日に英国・ロンドンにあるテート・モダン(Tate Modern)にてファッションショーを開催しました。
2023年よりグッチのクリエイティブ・ディレクターを務める、サバト・デ・サルノ(Sabato de Sarno)による「2025年クルーズ コレクション」の発表の舞台として選ばれたものです。
なお、グッチは同館にて今秋開催される「Electric Dreams」展のサポートなどを行なっています。
ロンドン・テムズ川南岸に佇む同館は、リヴァプール大聖堂やケンブリッジ大学図書館などを設計し、また”赤い電話ブース”のデザインも手がけた英国人建築家、ジャイルズ・ギルバート・スコット(1880-1960)の代表作のひとつで、かつてはバンクサイド発電所として稼働していた煉瓦造りの歴史的建造物です。英国立美術館の1つであるテート・ギャラリーが、スペース拡充と美術館機能の分散などを目的に建物を買い取り、美術館へとコンバージョン(用途変更)する設計案を募ったコンペティションを1994年に実施。安藤忠雄らが参加した同コンペにおいて、スイスの建築家、ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンが率いる事務所、ヘルツォーク&ド・ムーロンによる改修案を採用、2000年のミレニアムを祝う英国の記念事業の1つとして同年5月にリニューアルオープンを果たしています(ヘルツォーク&ド・ムーロン事務所はその後、新館〈スイッチ ハウス〉の増築なども担当している)。
#TATE YouTube:(2008/12/03)
再生プロジェクト詳細(ヘルツォーク&ド・ムーロン 事務所ウェブサイト/EN)
https://www.herzogdemeuron.com/projects/263-the-tate-modern-project/
テート・モダンは、創造と対話の拠点であり、多様な視点からの意義深い会話や議論を生み出し、文化交流を促進する場所です。ここでは、アートと建築の相互作用がイノベーションを鼓舞し、ロンドンという都市そのもののように、さまざまな境界を超える挑戦を促す環境を創出しています。
サバト・デ・サルノは長年にわたり幾度となくロンドンを訪れ、この街の多様な文化に深く触れてきました。その経験をインスピレーション源に、さまざまなアイデア、スタイル、個性の集結とそのコントラストがもたらす豊かなクリエイティビティを掻き立てるロンドンのエッセンスを表現します。
グッチとロンドンとの関係は深く、グッチオ・グッチ((Guccio Gucci|1881-1953)によるブランド創設の前にまで遡ります。グッチオにとって1897年にロンドンで過ごしたことは、ラグジュアリーとクラフツマンシップへの理解を深める重要な瞬間となりました。ザ・サヴォイ ホテルでポーターとして働き、ロンドンの活気ある文化の中心といえる場所に身を置いた体験から、後にグッチのブランド アイデンティティを確立する洞察力を得たのです。
テート・モダンでの「2025年クルーズ ファッションショー」の開催にあたり、グッチはアート、ファッション、そして伝統の融合をテーマの中心に据えています。この機会は、グッチの輝かしい歴史をたたえるだけでなく、多様な文化的背景を尊重し、その交流と対話を育むというブランドのコミットメントを再確認するものであり、グッチの物語を通して、場所、人々、モーメント、美意識の相互作用を体現しています。
グッチは、責任ある企業として文化的に重要な場所やそのコミュニティにポジティブな影響を与える取り組みを推進しています。その一環としてテート・モダンで2024年秋に開催される「Electric Dreams」展を支援するほか、若手クリエイターとともにテート・モダンの活動を支援する3年間のパートナーシップを締結しました。グッチとテート・モダンは、インクルーシビティとエンパワーメントを高めるという共通のコミットメントのもと、コミュニティ内の積極的な交流を促進し、多様なオーディエンスのクリエイティビティを刺激することを目指します。(GUCCI 2024年4月18日プレスリリースより)
#GUCCI YouTube:Gucci Cruise 2025 Fashion Show(2024/05/14)
グッチ「2025年クルーズ コレクション」ファッションショー詳細
https://www.gucci.com/jp/ja/ms/cruise-2025-fashion-show/