CULTURE

デジタル模型を机上に表示するApple Vision Proアプリ

[Report]日建設計が開発を進める 手触り感のある建築模型を再現する「Whitemodel(仮)」

CULTURE2024.06.10

日建設計 光田氏による概要説明の様子

日建設計は、AR/VR/MR技術を活用したアプリ開発などを行うホロラボの協力のもと、Appleが開発した初の空間コンピュータ Apple Vision Proを活用した建築設計者向けアプリケーション「Whitemodel(仮)」を開発中であり、5月28日に体験会が開催されました。

コントローラーを使わずに自分の手を使って直感的に操作でき、また「デザイナーがつけてみたくなるハードウェア」というApple Vision Proの特徴を活かし、より日常的に使用することができるよう開発が進められています。

2月2日よりアメリカ限定で発売が開始された、日本では未発売であるApple Vision Proを取り寄せ、約3カ月というスピード感をもって開発されたアプリケーションです。

特記以外の写真:TECTURE MAG

「Whitemodel(仮)」の使用イメージ ©日建設計

Apple Vision Proの特徴

日建設計はこれまで、仮想空間と現実空間の融合を目指すプロトタイプアプリの開発や、感情を可視化するMRアプリの開発などを進めてきましたが、ハードウェアの性能の限界を感じていました。そういった中、Appleより発売されたのがApple Vision Proです。

日建設計の光田氏はApple Vision Proの特徴を以下のように表しています。

・デジタルコンテンツを現実の世界とシームレスに融合

・実世界や周囲の人とのつながりを保つことができる

・超高解像度のディスプレイ

・デザイナーがつけてみたくなるハードウェア

 

そして、発売から2週間と経たず2月14日にはApple Vision Pro社内体験会が開催され、その際のアンケートの結果や上記の特徴を踏まえて、建築模型アプリケーションの開発が進められました。

Apple Vision Pro社内体験会の様子 ©日建設計

Whitemodel(仮)の特徴

日建設計は建築模型をデジタルで再現するにあたり、「完成形を想像しやすいこと」「スケールが正確であること」「点景が入ることによりスケール感がわかること」「周辺の建物やまちとの関係性もわかること」を特徴として捉えました。

そして、「図面に修正が入るとつくり直さなくてはならないこと」「置き場所に困ること」「捨てると産業廃棄物となってしまうこと」といった課題や、模型制作労力の低減による生産性の向上のためのソリューションとしてWhitemodel(仮)は開発されました。

「Whitemodel(仮)」の機能 ©日建設計

同アプリケーションはデフォルトではシンプルな白模型として表示されており、その機能としてはヘッドセットをつけたままでスケールの変更が可能であり、机などの上にモデルを配置して複数人で同じモデルを見ることもでき、その場で点景を追加ができます。

また、体験時(5月28日現在)では未実装であるものの、BIMデータをそのままインポートできるよう開発も進められています。

Apple Vision Proのヘッドセット(左)と外付けバッテリー(右)

装着の手間が少ないハードウェアと直感的に操作できるソフトウェア

5月28日の体験会では、日建設計東京本社ビルの外観モデルと、同ビル3階に設けられた、「さまざまな専門性や課題意識をもつゲスト」と「建築や都市の専門家」をつなげ、まちの未来に新しい選択肢をつくる共創の場「PYNT(ピント)」の内部モデルを統合したデジタル模型を体験しました。

装着する際には、外付けバッテリーをポケットに入れ、ヘッドセットを調整し装着するだけというかなり手軽に体験することができました。操作にはコントローラーは必要とせず、両手を使って直感的に操作できることも特徴です。

「Whitemodel(仮)」の使用イメージ ©日建設計

実際の操作としては、デジタルな模型が机に接している面を右手でスライドすることで模型を回転することができ、左手首の内側を右手人差し指でタップすることで模型のスケールや内外を変更できるコントロールパネルが表示され、任意の項目を右手人差し指で押し込んだり、目線を項目に合わせて右手親指と人さし指でつまむしぐさをすることで選択することができます。また、左手首の外側をタップすると樹木や人、車といった点景パレットが表示され、右手でつまむことで屋外や内部にも点景を配置していくことができます。

「Whitemodel(仮)」の使用イメージ ©日建設計

体験を受けて、周囲の現実の空間を認識しながら周囲の人間とコミュニケーションを取り、デジタルな模型を1/1、1/50、1/100、1/200といったスケールや内外のモデルを切り替えながらかなり直感的に操作でき、映像も詳細に表示されていることにとても可能性を感じました。

体験時間は10分程度ではありましたが、利用中はあまりヘッドセットを意識することなく、画面内での現実とデジタル映像間にはほとんど違和感を感じることなく体験することができました。ヘッドセットを付けていたことによる頭の締め付け感や目の疲労感などを多少感じましたが、これまでのデバイスに比べると装着による負荷はかなり少ないといえるのではないでしょうか。

体験の様子

体験の様子

内外での活用を進める今後の展開

日建設計では今後、社内でのデザインレビューでの活用を主に進めていくことが予定されています。また、クライアントへの提案の際にも導入することや、日建設計ではない設計者も使えるよう、ホロラボによりパッケージ化して販売することも検討を進めていくとのことです。

体験の様子

Text by Takuya Tsujimura

 

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