2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催まであと501日(現時点で498日)となった先月29日、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、「大阪・関西万博」の会場の主要な施設である3つの施設、迎賓館、大催事場、小催事場の内外観イメージを発表しました(2023年11月29日プレスリリース)。
これら3つの施設は、2021年7月末にそれぞれの基本設計業務を担当する設計者を公募。審査を担当する評価員を「大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーを務める藤本壮介氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和、建築家の妹島和世の3氏が務め、2021年10月末に最優秀提案事業者が審査結果が発表されていたものです(以下の通り)。
・迎賓館:日建設計 大阪オフィス
・大催事場:伊東豊雄建築設計事務所
・小催事場:安井・平田設計共同企業体(安井建築設計事務所+平田晃久建築設計事務所JV)
イメージパースの公開と同日の11月29日に、これにメッセと屋外イベント広場を加えた4つの催事施設の正式名称もあわせて発表されています。
基本設計:日建設計 大阪オフィス
用途:世界各国の国王・大統領・首相といった賓客を迎え、接遇するための施設
構造:鉄骨造
階数:平屋建
床面積:4,624.06m²
デザインコンセプト:自然光、自然通風、自然素材を使用し、環境性、快適性を両立するとともに、賓客に日本らしいおもてなしと感動をもたらすための空間を創造。日本と世界をつなげる「輪の回廊」、日本人の自然を大切にする心を表現した庭園、世界の人々と共有する広い空、平明な屋根、それらを和の回廊でつないでいる。
基本設計:伊東豊雄建築設計事務所
用途:開会・閉会式、音楽、演劇、芸能、フォーラム、有料催事などの開催場
構造:鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造)
階数:2階建
床面積:8,419.7m²
座席数:約2,000席(車いす席を含む)
デザインコンセプト:黄金に輝く円形の大屋根と、荒々しい表情の壁面が大地から立ちあがる力強い姿によって、1970大阪万博の「太陽の塔」を連想させる、会場全体のシンボルとする。客席・舞台が一体となった円形劇場とし、質感のある純白の布地で包まれ、「いのち輝く未来」を象徴する祝祭空間を創出する。
基本設計:安井・平田設計共同企業体(安井建築設計事務所+平田晃久建築設計事務所JV)
用途:以下の4つの施設により構成
・メインステージ:公式参加者や自治体による催事、音楽、演劇、芸能などの開催
・ラウンジ&ダイニング:飲食施設
・展示場:日本伝統文化を展示
・小ステージ:能に対応した舞台
座席数:メインステージ:約500席(車いす席を含む)
ラウンジ&ダイニング:約280席
構造:鉄骨造
階数:2階建
床面積:4,836.97m²
デザインコンセプト:古代から国際交流のゲートであり続けたこの場所の海や大地との関係をセレブレートする、生命のような建築です。複数の帯状のスラブが織りなす屋外の広がりと、屋内の催事の場が入り混じる、生き生きとした環境を目指しました。敷地に対して斜めにかしいだ帯の方向は、関西を斜めに貫く地形のしわと同期し、淀川水系へと抜ける定常風の方向とも概ね一致しています。このようにしてジオグラフィックな生命体としての地球と結びつけられた建築は、風や水、光のエネルギーをまとった、未来の記憶となるでしょう。
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