施設DATA
- 設計
大西麻貴+百田有希/o+h- 主用途
休憩所- エリア
西ゲートゾーン
〈休憩所1〉の見どころポイント!
約40種の生地で出来たテキスタイルの膜屋根
〈休憩所1〉では、テキスタイルにはファッション業界のデッドストック生地約40種が使われ、色も質感も異なる布を手作業で取り付けることで、美しいグラデーションの天蓋となっています。大屋根の下には、冷気が下からじんわりと伝わるハンモック状の床が広がり、体を横たえると風に揺れる布とやわらかな光が視界を包みます。

Photo: 太田拓実
世界から多様な方々が来場される万博であることから「誰にも開かれた五感で感じることができる休憩所」とすることを考えて設計した、黄色、赤、オレンジのテキスタイルで葺かれた大屋根の休憩所である。

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実
たくさんのパビリオンを忙しく訪れる中で、ふと立ち止まって光の綺麗さに気が付いたり、風を感じたりしながら、万博での体験を反芻する場を目指している。中央の円形の休憩エリア内は、冷気が下からじんわり染みでてくる、触れると涼しいハンモック状の床であり、体を横たえると風で動く屋根のテキスタイルや透過する光を自然と見上げられるようになっている。来場者にとって心地よい日陰をつくり出すとともに、揺れ動く半透明のテキスタイルによって、風の移ろいや光の美しさを感じられる場所となってほしいと考えた。

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実
膜屋根に葺かれたテキスタイルは、ファッション業界の中でデッドストックとなっていた生地を提供いただくことで実現した。通常建築には使われない生地であるため、耐候性/強度試験を行い、半年間の会期中に、生地の色などがどの程度劣化してしまうのか実験を行ったうえで、色や風合い、ロット数の異なる約40種類の生地を選定し、生地の集合全体が美しいグラデーションになるように、1つひとつ手作業で取り付けた。

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実

Photo: 太田拓実
建築は通常、固く動かないものだと思われているが、風が吹くとさざなみのように揺れるテキスタイルをまとった特徴的な屋根の佇まいや、ひんやりとした触れたくなるネット状の床など、視覚はもちろん、触覚、聴覚、嗅覚など五感を触発する空間とすることで、誰もに開かれたインクルーシブな空間となることを目指した。

平面図。Image: 大西麻貴+百田有希/o+h

立面図。Image: 大西麻貴+百田有希/o+h

断面図。Image: 大西麻貴+百田有希/o+h

軒先詳細図。Image: 大西麻貴+百田有希/o+h

外周梁伏図、外周梁組立図、各梁曲げ方向伏図、梁継手・曲げ加工ルール。Image: 大西麻貴+百田有希/o+h
建築DATA
構造:膜構造
階数:地上1階
敷地面積:1,645.08m²
延床面積:835.10m²
延床面積:830.10m²設計:大西麻貴+百田有希/o+h
担当:大西麻貴、百田有希、坂野雅樹、佐伯健士朗、金 俊浩
構造設計:平岩構造計画
設備設計:建築エネルギー研究所
膜構造設計:太陽工業、太陽テント北陸
テキスタイル縫製協力:進弘産業
テキスタイルデザインアドバイス:安東陽子デザイン
ユニットハウス設計:三協フロンテア
照明設計:コイズミ照明
空調実験協力:インターセントラル
施工(建築):住建トレーディング・加藤建設工事共同企業体
テキスタイル協賛:宇仁繊維、宇仁テキスタイル
テキスト提供:大西麻貴+百田有希/o+h
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