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世田谷美術館「宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの」

クリップからモータまで手がけた1人のデザイナーの仕事を総覧する大規模展【読者プレゼントあり】

文房具や調理器具などの日常品のほか、ホテルのサイン計画、ビルのリノベーション計画、工業用電気製品など、数多のデザインを手がけた宮城壮太郎氏にスポットをあてる初の大規模回顧展が、世田谷美術館にて開催される。

私たちが日常生活のなかで何気なく使っている、紙ファイルを留めるクリップや、洗面所のソープディッシュなど、それを誰がデザインしたのか、気にすることは稀でしょう。しかし、その使い勝手や、身のまわりに置いてみたときの心地よさは、デザインの力によって生み出されています。

本展では、そのような日常的な品々や、建築領域のデザイン、逆に”デザイナー”としての職能が及ばないとされている工業用のモーターやファンなども手がけた、宮城壮太郎(1951-2011)の仕事にスポットをあてます。

宮城壮太郎 プロフィール

1951年東京生まれ。高校在学中にデザイナーとなることを志し、千葉大学工学部工業意匠学科に入学。卒業後は、学生時代よりアルバイトをしていた浜野安宏氏(1941-)が率いる浜野商品研究所(1992年に浜野総合研究所に改称)に勤務。全天候型防水カメラ「HD-1」の開発(1979年)や、渋谷の東急プラザの総合リノベーション計画(1985年)に携わる。1988年に独立し、宮城デザイン事務所を設立。フリーランスのデザイナー、デザインコンサルタントとなる。アスクルの創業時より参画し、ロゴマークからオリジナル商品まで幅広いデザインを行う。1992年から1995年までGマーク商品選定審査委員を務めたほか、母校である千葉大学ほかで非常勤講師を務め、デザインを教えた。食道がんのため、2011年に60歳で逝去。

本展は、デザイナー、あるいはデザインコンサルタントとして活躍した、宮城壮太郎の仕事を総覧する初の大規模な回顧展です。

文房具や調理器具などの日常品のほか、ホテルのサイン計画、複合ビルのリノベーション計画まで、ありとあらゆるモノをデザインした宮城氏。創業から参画したアスクルでは、オリジナルのティッシュのパッケージやコピー用紙の包み紙をデザイン。プラスのファイルやホッチキスも、使ったことがある人は多いでしょう。
宮城氏はこのほかにも、冷却ファンやサーボモータの製造・販売を行っている山洋電気のデザイン顧問を務めていたため、モーターやファンの開発にも携わりました。
1993年以降、毎年のように受賞していたグッドデザイン賞の受賞履歴を見ると、その多彩な仕事ぶりの一端がうかがえます(GD賞 受賞履歴はこちら)。

世田谷美術館「宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの」

展覧会フライヤー裏面より、宮城壮太郎氏が手がけた製品・デザインの例

本展では、あまり知られていない仕事も含めて、宮城氏のデザインの軌跡をあらためて辿り、検証し、氏が常に問い続けた「デザインに何ができるか」を展示を通して問い直し、今後の可能性を探っていきます。

展示構成
プロローグ 浜野商品研究所の頃
第1章 チェリーテラス、アッシュコンセプト・ルボア・村上タオル、山洋電気、プラス、アスクル
第2章 さまざまなデザイン
第3章 ホテルのサイン計画
第4章 二子玉川の再開発計画
エピローグ 宮城壮太郎の想い

作家の言葉
「これから必要なことは、多少言い古された言葉になるが、ものを作る側の論理ではなく、真にユーザーの立場に立つこと、に尽きるのではないだろうか。」
-日本デザインコンサルタント協会編著『デザインコンサルタント』(JDCA出版局、2001年)収録「情報化時代のもののデザイン」より

世田谷美術館「宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの」

フライヤーで使用されているプロダクト:オールラウンドボウルズ 2005年(チェリーテラス)

「宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの」開催概要

英語タイトル:MIYAGI Sotaro: The useful and the Beautiful
会期:2022年9月17日(土)〜11月13日(日)
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜(但し、9月19日[月・祝]、10月10日[月・祝]を除く)、9月20日(火)、10月11日(火)
会場:世田谷美術館
所在地:東京都世田谷区砧公園1-2(Google Map
当日観覧料:一般 1,200円、65歳以上 1,000円、大高生 800円、中小生 500円
※障害者の方:500円(小中高大学生の障害者は無料)、介助者1名まで無料
問合せ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)

世田谷美術館 ウェブサイト
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/


【読者プレゼント】

『TECTURE MAG』への感想など、アンケートにお答えいただいた方の中から、本展のペアチケットを5組10名さまにプレゼントします。

※受付は終了しています。抽選後に発送予定です。ご応募ありがとうございました!

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受付期間:2022年9月15日(木)〜24日(土) ※終了
※応募者多数につき、抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了
※発送に関する個々の問合せには対応しませんのでご了承ください
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません

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