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特別展「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」

関西初の大規模展、安藤忠雄建築〈兵庫県立美術館〉にて開催【読者プレゼントあり】

国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する、韓国人美術家の李禹煥(リ・ウファン)の展覧会が、兵庫県立美術館にて12月13日より開催されます。

本展は、東京の国立新美術館にて11月7日まで開催された展覧会「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」の関西巡回展で(出品作品は一部異なる)、西日本では初の大回顧展となります。李の大規模個展としては、2005年に横浜美術館で開催された「李禹煥 余白の芸術展」以来という、2022年注目の展覧会の1つです。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈風景Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ〉 1968 / 2015年 スプレーペイント / カンヴァス 218.2×291cm 個人蔵(群馬県立近代美術館寄託)
展示風景:「李禹煥 時を住まう」ポンピドゥー・センター=メス、メス、フランス(2019年2月27日〜9月30日)
©ADAGP, Paris, 2022. ©Centre Pompidou-Metz / Photo Origins Studio

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈関係項〉 1968 / 2019年 石、鉄、ガラス 石:高さ約80cm、鉄板:1.6×240×200cm、ガラス板:1.5×240×200cm
森美術館、東京 Photo by Kei Miyajima

作家プロフィール

李禹煥(Lee Ufan)
1936年韓国慶尚南道に生まれる。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、その後、日本大学文学部で哲学を学ぶ。1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向の1つ、「もの派」を牽引した作家として広く知られている。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

李禹煥 フランス、アングレームでの〈関係項-星の影〉設置作業、2021年 Photo©Lee Ufan

1969年には論考「事物から存在へ」が美術出版社芸術評論に入選、1971年刊行の『出会いを求めて』は「もの派」の理論を支える重要文献となった。『余白の芸術』(2000年)は、英語、フランス語、韓国語に翻訳されている。50年以上に渡り、国内外で作品を発表し続けてきた李は、近年ではグッゲンハイム美術館(ニューヨーク、アメリカ合衆国、2011 年)、ヴェルサイユ宮殿(ヴェルサイユ、フランス、2014年)、ポンピドゥー・センター・メス(メス、フランス、2019 年)で個展を開催するなど、ますます活躍の場を広げている。日本国内では、2010年に香川県直島町に建築家の安藤忠雄が設計した〈李禹煥美術館〉が開館している。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈線より〉 1977年 岩絵具、膠 / カンヴァス 182×227cm 東京国立近代美術館

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈点より〉 1977年 岩絵具、膠 / カンヴァス 182×227cm 東京国立近代美術館

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈風より〉 1985年 岩絵具、油 / カンヴァス 227×182cm 豊田市美術館

東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく著述においても展開しました。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈関係項―棲処(B)〉 2017年 石 作家蔵
展示風景:「ル・コルビュジエの中の李禹煥 記憶の彼方に」展 ラ・トゥーレット修道院、エヴー、フランス(2017年9月20日〜12月20日)
©Foundation Le Corbusier, Photo by Jean-Philippe Simard

李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の脅威に晒(さら)され、人間中心主義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

〈応答〉 2021年 アクリル絵具 / カンヴァス 291×218cm 作家蔵

李禹煥()大回顧展

〈関係項―無限の糸〉 2022年 ステンレス、糸 サイズ可変 作家蔵
展示風景:「李禹煥 レクイエム」 アリスカン、アルル、フランス(2021年10月30日〜2022年9月30日)
©Studio Lee Ufan / Photo by Claire Dorn

本展は、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた〈関係項〉シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会する大回顧展です。

展示は彫刻と絵画の2つのセクションに大きく分かれ、彫刻と絵画の展開の過程がそれぞれ時系列的に理解できる構成をとります。この展示構成は、作家自らが考案したもので、1960年代の最初期の作品から最新作まで、李の仕事と経過と性格を網羅的に浮き彫りにすることを試みます。

兵庫県立美術館 外観

兵庫県立美術館(2019年に屋外スペースに設置された〈青りんご〉は、安藤忠雄氏の寄贈作品)

李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す作品として、安藤忠雄の設計で知られる兵庫県立美術館の建築にあわせて、屋外にも新作が設置されます(兵庫県立美術館限定の展示)。

李禹煥(Lee Ufan)大回顧展

本展ポスター(李禹煥、鎌倉にて、2022年 Photo©Lee Ufan, Photo by Shu Nakagawa)

特別展「兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥」開催概要

会期:2022年12月13日(火)〜2023年2月12日(日)
会場:兵庫県立美術館
所在地:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 / HAT神戸内(Google Map
時間:10:00〜18:00(最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜、年末年始 / 12月31日(土)-1月2日(月)
※但し、1月9日(月)は開館、1月10日(火)は休館

観覧料:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生以下 無料、70歳以上 800円、障がいのある方(一般)400円、障がいのある方(大学生)300円
※障がいのある方1名につき、介護の方1名無料
※コレクション展は別途観覧料が必要(本展と併せて観覧する場合は割引あり)
※混雑時は入場制限を行う可能性あり

兵庫県立美術館 ウェブサイト
https://www.artm.pref.hyogo.jp/

展覧会特設サイト
https://leeufan.exhibit.jp/


【読者プレゼント】

『TECTURE MAG』への感想など、アンケートにお答えいただいた方の中から、本展が見られるペアチケットを5組10名さまにプレゼントします。

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受付期間:2022年12月25日(日)まで
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了
※発送に関する個々の問合せには対応しませんのでご了承ください
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません

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