COMPETITION & EVENT

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」関連トークイベント開催決定!

5/27毒山凡太朗、6/16田村友一郎、中山英之、藤原徹平らが登壇

公立館として国内初の現代美術を専門とする美術館としてオープンした〈広島市現代美術館〉。黒川紀章(1934-2007)が設計し、1989年にオープンした建物は、2020年12月より大規模改修のため休館し、約2年3カ月後の2023年3月18日にリニューアルオープンを迎えています。

広島市現代美術館

Photo: Kenichi Hanada

広島市現代美術館

Photo: Kenichi Hanada

6月18日まで開催される「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」に関連したトークイベント(計2回)が、先ごろ追加で決定しました。
両回ともに参加は申込不要、無料(本展観覧チケットも不要)で開催されます(以下、敬称略)。

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」関連トークイベント(追加発表)概要

毒山凡太朗によるトーク
日時:2023年5月27日(土)14:00-15:30
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
登壇者:毒山凡太朗(アーティスト)
概要:フクシマをテーマとした新作映像を出品している毒山凡太朗が、故郷である福島の復興拠点および帰還困難区域周辺の現状と、そこでの出会いなど制作の裏側を語る。
定員:60名
イベント詳細
https://www.hiroshima-moca.jp/event/4881

登壇者プロフィール

毒山凡太朗

毒山凡太朗
1984年福島県生まれ。東京都を拠点に活動。2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、故郷である福島の状況が一変したことをきっかけに、作品制作を開始。忘れ去られた過去の記憶や場所、現代社会で見えにくくなっている問題や事象を調査し、映像やインスタレーションを制作している。


広島市現代美術館リニューアル関連ラウンドテーブル「タムラのずるいやつら」
日時:2023年6月16日(金)14:00-16:00
会場:広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
登壇者:田村友一郎(アーティスト)、藤原徹平(建築家)、中山英之(建築家)、松岡 剛(広島市現代美術館 主任学芸員)
概要:本展出品作家の田村友一郎がモデレーターを務め、広島市現代美術館の建築、リニューアルにフォーカスしたラウンドテーブルを開催する。田村のほか、建築家の中山英之、藤原徹平、そして今回の改修工事を担当した同館主任学芸員の松岡 剛も登壇し、田村の出品作品2点を起点に、美術館建築そのものから「リノベーション」や「建て替え」について考察を試みる。
定員:80名

なお、当イベントは、学生を対象とした建築デザインの国際コンペティション「アジア・ヤング・デザイナー・アワーズ2022」(主催:日本ペイント)において、田村は審査員長、藤原、中山の両氏は審査員を務めており、今回のラウンドテーブルはその関連企画でもある(開催協力:日本ペイント)

イベント詳細
https://www.hiroshima-moca.jp/event/4883

登壇者プロフィール

田村友一郎

田村友一郎
1977年富山県生まれ。2010年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程修了。2013-2014年ベルリン芸術大学空間実験研究所(オラファー・エリアソンクラス在籍)。2017年東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手掛ける。作品は、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンス、舞台まで多彩なメディアを横断し、土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源から、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。現在、名古屋芸術大学美術領域准教授。

広島市現代美術館 イベント登壇者

左から、藤原徹平、中山英之、松岡剛

藤原徹平
建築家。1975年横浜生まれ。横浜国立大学大学院修了。2001年〜2012年隈研吾建築都市設計事務所。2010年よりドリフターズインターナショナル理事、2012年より横浜国立大学大学院Y-GSA准教授、フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰。建築家としてだけでなく、アートや映画、演劇など領域を越境して活動を展開。
主な建築作品に、代々木テラス、稲村の森の家、那須塩原市まちなか交流センターくるる、クルックフィールズ、2017横浜トリエンナーレ会場デザイン、リボーンアートフェスティバル2017会場デザインなど。
主な受賞に、横浜文化賞、文化・芸術奨励賞、日本建築士会連合賞奨励賞など。

中山英之
建築家。1972年福岡県生まれ。東京藝術大学建築学科卒業。同大学院修士課程修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務を経て、2007年に中山英之建築設計事務所を設立。2014年より東京藝術大学准教授。主な作品に、2004、O邸、Yビル、Y邸、家と道、石の島の石、弦と弧、mitosaya薬草園蒸留所、Printmaking Studio/ Frans Masereel Centrum(LISTと協働)などがある。
主な受賞にSD Review 2004 鹿島賞(2004年)、第23回吉岡賞(2007年)、Red Dot Design Award(2014年)、第17回環境・設備デザイン賞優秀賞(2019年)、日本建築仕上学会賞作品賞・住宅部門(2019年)、グッドデザイン賞金賞(2019年)、JIA新人賞。
主な著書に『中山英之/スケッチング』(新宿書房)、『中山英之|1/1000000000』(LIXIL出版)『, and then: 5 films of 5 architectures/建築のそれからにまつわる5本の映画』(TOTO出版)など。

松岡 剛
学芸員。1975年大阪府生まれ。1998年より広島市現代美術館にて展覧会、作品収集、作品保存などの学芸業務に携わる。
主な企画展に「赤瀬川原平の芸術原論展」(2014〜15、千葉市美術館、大分市美術館との共同企画)、「殿敷侃:逆流の生まれるところ」(2017)など。
広島市現代美術館リニューアルを同館学芸員として担当。


上記トークイベント登壇者による、リニューアルオープン記念特別展での作品展示

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

毒山凡太朗〈Let There Be Light〉2023  Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

毒山凡太朗〈Long Way Home〉2022  Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「オープン記念特別展 Before/After」

毒山凡太朗〈Stay Home〉(広島展示バージョン) 2023  Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

毒山凡太朗氏によるオープン記念アーティスト・トークの様子

展覧会について

このたびの建物改修の前後を比べてみると、一見して違いがわかる場所もあれば、わかりづらいけれども言われてみれば変わったことに気づく、という箇所もあるでしょう。本展では、美術館建物の改修工事という出来事を契機に生じる「前/後」をひとつの足がかりとして、さまざまな「まえ」と「あと」の現象や状況に着目します。

例えば、経年によるものの変質や劣化、そして修復による対応は、作品や資料を収蔵する美術館では避けては通れない問題です。
また、広島の中心地に建設され、県の産業奨励館として知られていた建物は、被爆後にはヒロシマを象徴する遺構へと姿を変え、原爆ドームという愛称のもと、都市風景の一部となっています。
都市を破壊し、人々に健康被害をもたらした核エネルギーは、その後、原子力発電のエネルギー源として世界に繁栄をもたらすとも信じられました。
このように、歴史を振り返れば、いくつもの分岐点としての出来事や決断があり、変更や変化が起こってきたことに気づきます。
私たちは過去からなにを学び、どのような未来を見ているのでしょうか。

旧約聖書によれば、かつて楽園で禁を破って知恵をつけ、そこから追放された人類の末裔は、いまなお世界のいたるところで諍いを起こし、他者の生活を脅かすなど、さまざまな問題を抱えています。それでもなお私たちは、夢や希望を抱くことを忘れず、自らを癒し、ときに後ろを振り返りながらそれぞれの歩みで前へ進んでいくのではないでしょうか。

本展では、社会の変化やシステムにおける綻び、隠され葬り去られた過去や歴史があることを敏感に察知し、作品として発表してきたアーティストたちを取り上げます。彼らは、それぞれ
のやり方で出来事と真摯に向き合い、変転や変遷のあとさきを静かに想起させる、美しく力強い作品を発表してきました。これらの作品を通じて、さまざまな事象の「まえ」と「あと」とを想起し、変化の有無や差異を認識するのはもちろんのこと、さらにその背景や一連の顛末によってもたらされる功罪や意義を省察する機会となれば幸いです。


出展作家(45名/組 *印のアーティストは本展のために新作を発表):
靉嘔、石内 都*、伊藤公象、井上覚造、大岩オスカール、岡本太郎、デニス・オッペンハイム、オノ・ヨーコ、河原 温、コウミユキ*、笹岡啓子、鴫 剛、四國五郎、下道基行、新生タイポ・プロジェクト(岡澤慶秀、岡本 健+)、SUPERFLEX、菅井 汲、ナンシー・スペロ、髙橋 銑*、高山良策、竹村 京*、田中功起、田村友一郎*、蔡國強、土田ヒロミ、殿敷 侃、毒山凡太朗*、2m26、シリン・ネシャット、ダラ・バーンバウム、浜田知明、ジョン・バルデッサリ、平田尚也*、吹田文明、キース・ヘリング、細江英公、松澤 宥、南 薫造(前期のみの展示)、宮川啓五、ヘンリー・ムーア、森村泰昌、ヤノベケンジ、横山奈美*、若林 奮、和田礼治郎*

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

田村友一郎〈ずるい彼〉(部分)2019 Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

田村友一郎〈ずるい彼〉(部分)2019 Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」展示風景 Photo: Takeru Koroda

広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」

田村友一郎氏によるオープン記念アーティスト・トークの様子

「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」開催概要

会期:2023年3月18日(土)〜6月18日(日)
会場:広島市現代美術館 A展示室・B展示室
所在地:広島県広島市南区比治山公園1-1(Google Map
開館時間:10:00―17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜
観覧料:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生・65歳以上 800円、中学生以下無料

広島市現代美術館リニューアルオープン記念特別展「Before/After」

主催 広島市現代美術館
協力:KENJI TAKI GALLERY、LEESAYA、SCAI THE BATHHOUSE、S.O.C. Satoko Oe Contemporary、The Third Gallery Aya
協賛:丸子硝子
後援:広島県、広島市教育委員会、中国新聞社、朝日新聞広島総局、毎日新聞広島支局、読売新聞広島総局、NHK広島放送局、中国放送、テレビ新広島、広島テレビ、広島ホームテレビ、広島エフエム放送、尾道エフエム放送

広島市現代美術館 ウェブサイト
https://www.hiroshima-moca.jp/

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

広島市現代美術館 大規模改修に伴う休館

COMPETITION & EVENT2020.12.05

ゲンビ・休館前イベント「また会う日まで」

広島市現代美術館が全館無料開放

RECOMMENDED ARTICLE

  • TOP
  • COMPETITION & EVENT
  • EXHIBITION
  • 広島市現代美術館「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」関連トークイベント開催決定!
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ