東京・代々木のGAギャラリーにて、9月30日より始まった本展は、2013年に東京・汐留のパナソニック汐留美術館と、青森の青森県立美術館にて開催された展覧会[*1]を再構成したものです。
生涯自らの足で現地へ赴き,その眼で建築を捉えるスタイルを貫いた二川幸夫氏(1932-2013)は、建築写真家、建築専門出版社の主宰者、建築批評家として長年にわたり活動し、日本の建築業界に大きな足跡を残しました。その原点といえる、氏が1950年代に日本各地の民家を撮影した写真作品約70点が、氏の没後10年の節目にあらためて展示されます。
二川幸夫(ふたがわ ゆきお)氏プロフィール
1932(昭和7)年大阪市生まれ。
大阪市立都島工業高校を経て、1956年早稲田大学文学部卒業。在学中に建築史教授の田辺 泰(1899年-1982)の勧めで民家と出会い、撮影を始める。1957-59年の間に美術出版社から『日本の民家』全10巻(文:伊藤ていじ)を発表。同著で1959年に毎日出版文化賞受賞。1970年に建築書籍専門の出版社A.D.A.EDITA Tokyo Co.,Ltd.(エーディーエー・エディタ・トーキョー)を設立、主宰する。世界の建築を撮影し、同出版社が発行する書籍『GA JAPAN』などに掲載・発表した。2013年(平成25)年没。
主な受賞に、1975年アメリカ建築家協会(AIA)賞、1985年国際建築家連合(UIA)賞、1997年日本建築学会文化賞など多数。1997年紫綬褒章、2005年勲四等旭日小綬章受章。A.D.A.EDITA Tokyo Co.,Ltd.Website
https://www.ga-ada.co.jp/
本展開催にあわせ、展示写真を収録した書籍『日本の民家 一九五五年』を再販、10月初旬に刊行されます(書籍概要はこちら)。
さらに、『GA JAPAN』にて2014年から2017年まで連載された「二川幸夫の眼」を、B4版にまとめて書籍化。17人の建築家、歴史家、デザイナーが語る、出版人・写真家・編集者・二川幸夫氏の業績とその生涯を、写真とともに振り返ります(書籍『二川幸夫の眼』概要はこちら)。
会期:2023年9月30日(土)~12月24日(日)
開館時間:12:00-18:30(会期中無休)
会場:GA gallery
所在地:東京都渋谷区千駄ケ谷3丁目12-14(Google Map)
入場料:600円
※入場は中学生以上を対象とする(極めて繊細な作品を展示しているため)
問合せ先TEL: 03-3403-1581(受付時間 12:00-18:00)
GA gallery 本展詳細ページ
https://www.ga-ada.co.jp/english/ga_gallery/2023/2309-12/minka1955.html
*1.2013年に東京と青森の2会場で開催された展覧会「二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年」開催概要
内容:1957年から59年にかけて美術出版社より発行され、1959年に毎日出版文化賞を受賞した写真集『日本の民家』全10巻(写真・二川幸夫、文・伊藤ていじ)に収録された、日本各地の民家280点の中から、2012年に再度二川幸夫氏本人によってセレクトされ、最新の印刷技術により新たにデジタルプリントされた72点で構成された展覧会。2会場とも、会場構成を藤本壮介氏が担当した。
会場:パナソニック 汐留ミュージアム
会期:2013年1月12日(土)~3月24日(日)
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/13/130112/index.html
会場:青森県立美術館
会期:2013年12月14日(土)〜2014年3月31日(月)
https://www.aomori-museum.jp/schedule/2600/