大阪中之島美術館にて、新宮 晋(しんぐう すすむ)とレンゾ・ピアノ(Renzo Piano)の展覧会が7月13日より開催されています。
レンゾ・ピアノ〈関西国際空港旅客ターミナルビル〉(1988-1994年)1994年 ©Fondazione Renzo Piano ©Kansai Airports ©Kawatetsu
注.共同設計(詳細:日建設計ウェブサイト プロジェクトページ)
風・光・水をテーマに、自然のエネルギーの力で動く造形作品で知られるアーティストの新宮 晋。イタリアを代表する建築家であるレンゾ・ピアノ。2人はともに1937年生まれ。レンゾ・ピアノが設計を手がけ[*注]、1994年に開港した関西国際空港(関空)の第1旅客ターミナルビル4階の国際線出発フロアに、新宮の作品〈はてしない空〉が展示されています。
新宮 晋〈はてしない空〉(1994年)+レンゾ・ピアノ「関西国際空港旅客ターミナルビル」(1988-1994年)4F国際線出発フロア、2016年 撮影:石田俊二(RPBW)©RPBW-Renzo Piano Building Workshop Architects
関空でのコラボレーションを機に、2人は数々のコラボレーションを果たし、2001年には、東京・銀座にオープンした〈銀座メゾンエルメス〉においても、レンゾ・ピアノがデザインしたガラスブロックのビルの一角に、新宮作品〈宇宙に捧ぐ〉を展示するための空間が設けられています。
新宮 晋〈宇宙に捧ぐ〉(2001年)+レンゾ・ピアノ〈銀座メゾンエルメス〉(1998-2006年) Ph: Denancé, Michel ©Denancé Michel
新宮 晋〈宇宙に捧ぐ〉(2001年)+レンゾ・ピアノ〈銀座メゾンエルメス〉(1998-2006年) ©RPBW
初コラボレーションから数えて30年余のあいだ、2人は10を数えるプロジェクトを世界各地で実現させてきました。平行し、交差してきた両巨匠の作品と人生の歩みを、作品展示と本展のために作成された「平行人生」などで辿りながら、現在進行形の創作活動とその世界観を紹介する展覧会です。
新宮 晋〈コロンブスの風〉(1992年)+レンゾ・ピアノ〈ジェノヴァ港再開発〉(1985-2001年) Ph: Morgavi, Mattia ©Morgavi, Mattia
新宮 晋〈コロンブスの風〉(1992年)+レンゾ・ピアノ〈ジェノヴァ港再開発〉(1985-2001年) Ph: Basilico, Gabriele ©RPBW-Renzo Piano Building Workshop Architects
本展では、”風のアーティスト”とも呼ばれる新宮 晋の彫刻作品〈自由の翼〉、〈月の舟 NY〉、〈空のこだま〉などが展示されるほか、レンゾ・ピアノの代表作である〈ポンピドー・センター〉、〈IBMトラベリング・パビリオン〉、〈チバウ文化センター〉などの貴重な模型や資料、両巨匠の手によるスケッチや設計図、作品写真などが展示されています。さらには、日本で現在進行中の2人の最新プロジェクトに関する資料も公開されています。
レンゾ・ピアノ〈スタヴロス・ニアルコス財団文化センター〉(2008-2016年)、2016年 Ph: Denancé, Michel ©Denancé, Michel
新宮 晋〈宇宙〉(2016年)+レンゾ・ピアノ〈スタヴロス・ニアルコス財団文化センター〉(2008-2016年)、2016年 Ph: Dimitrakopoulos, George ©SNFCC
新宮 晋〈虹色の葉〉(2021年)+レンゾ・ピアノ〈565ブルーム・ソーホー〉(2014-2019年)、2021年 Ph: Joseph, Evan ©Bizzi & Partners
新宮 晋〈虹色の葉〉(2021年)+レンゾ・ピアノ〈565ブルーム・ソーホー〉(2014-2019年)、2021年 Ph: Aono, Shoko ©Bizzi & Partners
映像と会場構成では、1982年にイタリア・ミラノで結成され、常に先進的な映像表現を発表し続けてきた映像作家集団のスタジオ・アッズーロ(Studio Azzurro)が参画。新宮 晋とレンゾ・ピアノのそれぞれの手によるスケッチや設計図、作品写真などを展示している会場では、2人の代表作および創造の世界と交流の軌跡を、壮大なスケールの映像で表現しているのも見どころの1つです。
スタヴロス・ニアルコス財団文化センターのための映像作品より Video frame by Studio Azzurro
なお、本展の会期の初日は新宮 晋の誕生日で、最終日はレンゾ・ピアノの誕生日にあたります。今夏の会期中、2人はともに86歳を迎えます。
新宮 晋とレンゾ・ピアノ 2022年ジェノヴァ RPBWにて 撮影:石田俊二(RPBW) ⒸRenzo Piano Foundation
会期:2023年7月13日(木)〜9月14日(木)
休館日:月曜(7月17日[月・祝]を除く)
開場時間:10:00–17:00(最終入場は16:30まで)
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
所在地:大阪府大阪市北区中之島4丁目3-1(Google Map)
観覧料:一般 2400円、高大生 2000円、中学生以下 無料
会期中に関連イベントも開催(詳細は大阪中之島美術館ウェブサイトを参照)
主催:大阪中之島美術館、朝日放送テレビ、日本経済新聞社
協賛:エルメスジャポン
協力:イタリア文化会館-大阪、関西エアポート、Zentis Osaka、脇プロセス
後援:在大阪イタリア総領事館
詳細 / 大阪中之島美術館ウェブサイト
https://nakka-art.jp/exhibition-post/parallel-lives/
「86歳 新宮 晋 スペシャルデー」
登壇:新宮 晋、安藤忠雄(建築家)
司会進行:前波 豊(ヘミングウェイ)
日時 2023年8月6日(日)
・第1部:スペシャルトーク 14:00-15:30予定(開場 13:30)
・第2部:新宮 晋サイン会(当日整理券配布あり、先着順・限定枚数に達し次第配布終了)
※サイン会への参加は本展図録の持参または購入が必要
会場:大阪中之島美術館 1階ホール
定員:150名
参加費:無料(但し、入場時に本展観覧券または利用後の半券の提示が必要)
参加方法:要事前申込
詳細・申込受付ページ
https://nakka-art.jp/event-post/parallel-0806/
そのほかの本展関連イベント一覧
https://nakka-art.jp/exhibition-post/parallel-lives/#p4
『TECTURE MAG』への感想など、簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から、本展の観覧券を2組4名さまにプレゼント!
受付期間:掲載から7月26日(水)まで ※締め切りました
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了(個々の問合せには対応しません)
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません