日本を代表するインテリアデザイナー、内田 繁(1943-2016)[*1]が、三橋いく代(1944-2017年)[*2]とともに設計した住宅作品・S邸が、4日間限定で特別に公開されます。
《S邸》は1978年の竣工。夏季に利用する別荘として、個人からの依頼を受けて内田と三橋が協働して設計、山梨県山中湖村に建てられたもので、これまでに建築雑誌などで発表されていない、通常も非公開の建築です。本イベントの開催期間のみ、入場人数を絞って特別に公開されます。
「内田繁 森の中の建築と家具」展と題した本イベントでは、建築そのものの魅力を伝えるとともに、内田が1980年代にデザインした家具(ヴィンテージ)もインスタレーションとして展開されます(展示のみ、販売なし)。
見学は完全予約制で、4日間の日程で3枠を設定。参加費は無料です。
主催は、「名建築の保全活動を日本の文化に」をコンセプトに活動する新しいかたちのプロジェクト・SHARE ARCHITECTURE(シェアアーキテクチャー)[*3後述]。本イベントの見学申し込みおよび問い合わせは、同主催者まで。
会場:S邸(上記の通り)
所在地:山梨県南都留郡山中湖村平野讃美ケ丘別荘地 ※見学確定者にのみ詳細を通知
会期:2024年12月17日(火)〜20日(金)
時間枠:10:00-11:30 / 12:30-14:00 / 14:30-16:00
参加費:無料
参加方法:完全予約制 / 見学を希望する日と時間枠を組み合わせ、第1・第2・第3希望まで申請できる。ほか、参加希望者の氏名(複数人の場合は代表者、右記同じ)、電話番号(緊急時連絡先)、メールアドレスを明記し、建物保全への関心などを書き添えたうえ、担当:志摩のアカウント<minamibayashi.house[@]gmail.com>宛にメールを送信(※ [@]→@に変えて送信)
募集枠:計14枠 ※応募数の場合は抽選
1枠参加定員:最大3名
申込受付締切:参加希望日の2日前の21:00まで(例:初日12月17日の見学を希望する場合は12月15日(日)21:00まで、最終日は12月18日(水)21:00までに上記・担当宛に着信したメールを有効とする)
注.抽選が発生した場合、主催者からの参加確定案内は、参加希望日の前日正午までにメールにて通達。抽選が発生しない場合は、参加希望日の2日前の22:00までに同じくメールにて通達
主催・問い合わせ先:Share Architecture
*1.内田 繁(1943-2016):日本を代表するデザイナーとして商・住空間のデザインにとどまらず、家具、工業デザインから地域開発に至る幅広い活動を国内外で展開した。代表作に山本耀司のブティック、神戸ファッション美術館、茶室〈受庵 想庵 行庵〉、クレストタワー一連の内部空間、ホテル イル・パラッツォ、門司港ホテル、京都ホテル・ロビー、オリエンタルホテル広島、ザ・ゲートホテル雷門、札幌グランドホテルなどがある。メトロポリタン美術館、デンバー美術館、コンラン財団、M+美術館等に永久コレクション多数。
*2.三橋いく代(1944-2017年):インテリアデザイナー、内田 繁の公私におけるパートナーでもあった
*3.SHARE ARCHITECTURE(シェアアーキテクチャー)
建築史に名を残すような著名建築家が手掛けた作品が惜しまれつつ解体されてしまう昨今、この動きに歯止めをかけることを目的に立ち上げられたプロジェクト。国内で休眠状態を含めた名建築の所有者、あるいはこれらの名建築の保全活動を行っている人々の協力を得て、本展のような、建物各個に即したテーマのもとでのインスタレーションや見学会などを企画・実施。日本の名建築の次世代継承を目指す。
企画展示のほか、会員制シェア別荘といった事業展開も計画中。現時点では、奈良県生駒市にて安藤忠雄が設計した住宅作品(南林邸、1984年竣工)のシェア会員を募集中。来春には、熊本県阿蘇市にある伊東豊雄が設計した住宅作品(小国S邸、1997年竣工)を宿泊施設として活用するプロジェクトを開始予定。
プロジェクトの運営母体は、デザイナーズ・ヴィンテージ家具を世界各地から集め、国や年代に捉われない独自のセレクトとコーディネートを提案している、ATELIER GALLERY(アトリエギャラリー)が担う。
Share Architecture Website
https://www.sharearchitecture.net/
※本稿では人物名は敬称略とした
※画像提供:提供:SHARE ARCHITECTURE