COMPETITION & EVENT

新山形市民会館シンポジウム 1/13山形市民会館にて開催

設計者の平田晃久氏らが登壇、提案コンセプト"BIG-TREE"について語る

建築家の平田晃久氏らが登壇し、新たに建設される山形市民会館の展望などが語られるシンポジウムが、山形市内にて1月13日(月・祝)に開催されます。

山形市民会館は、1973年(昭和48年)7月に開館。1,202人収容の大ホールをはじめとする設備を内包し、長らく市の文化芸術活動の拠点として市民に親しまれていましたが、建物の老朽化やバリアフリーへの対応の必要性などから、2021年(令和3年)3月に「山形市民会館整備基本構想」を市が策定。その後、2023年(令和5)11月に公示されたプロポーザルを経て、DBO(Design Build Operate)形式により設計・施工・運営が一体となったグループ[註]が事業者として選出されています。

事業グループ”BIG-TREE”を構成する設計者は、建築家の平田晃久氏が率いる平田晃久建築設計事務所のほか、安井建築設計事務所など計4社が担当。平田氏は、昨年7月から9月にかけて東京・練馬区立美術館で開催された展覧会「平田晃久 — 人間の波打ちぎわ」に、”BIG-TREE”の建築模型を出展(下の画)しており、今後が注目されるプロジェクトの1つです。

新山形市民会館"BIG-TREE"

練馬区立美術館で開催された展覧会「平田晃久 — 人間の波打ちぎわ」会場風景より、”BIG-TREE”の展示 Photo: TEAM TECTURE MAG

市民や観光客がひきよせられる一本の巨織のような市民会館。フライタワーを幹とし、客席や楽屋等を枝のように派生させることで巨大な劇場のボリュームが分節され、様々な市民活動が絡まる場所が生まれる。山や樹々と共に過ごしてきた山形の精神性をシンボライズする建築である。

これはDBO形式による設計・施工・運営が一体となったチームによる提案である。特筆すべきは、チーム全体に行き渡る積極性だ。山形の組織を中心とした構成の人々には、この場所、市民会館というものがこの先の山形の街に持つ重要性が深く行き渡っている。私たちはこの事業の共通の理念を建築のコンセプトでもあるBIG-TREEと呼ぶことにした。この場所に根付き、強い中心性を持ち、市内外から人々を呼びよせるこの建築のありかたを示すものである。(練馬区立美術館「平田晃久 — 人間の波打ちぎわ」における”BIG-TREE”展示解説文より)

 

新たに建設される山形市民会館は、コンサートホールを内包し、2029〜2030年(令和11年度)のオープンに向けて進行中。シンポジウムの案内文によれば、これまでの「山形市民会館が担ってきた市民の文化活動の拠点といった役割に加え、街なかの回遊性向上による賑わいの創出を目指し、新たな視点や仕組みを取り入れながら進めて」いるとのこと。

山形市長も登壇する今回のシンポジウムでは、山形市のビジョンと新市民会館の位置づけなどがあらためて市民に向けて説明され、さらに「BIG-TREE」に込められたものについても語られる予定です。建築の枠を超え、新市民会館に期待される街なかへの波及効果についても議論する予定とのこと。

会場は建て替えられる山形市民会館の大ホールにて。聴講は無料、シンポジウムを主催する山形市のウェブサイトから申し込みが必要です。

登壇者プロフィール

新山形市民会館シンポジウム 登壇者

左から、佐藤孝弘、平田晃久、本杉省三、山畑信博 ※敬称略、以下のプロフイール詳細の年号は主催者発表の和暦表記とする

佐藤孝弘
山形市長
平成12年東京大学法学部卒業。平成27年第18代山形市長就任。平成28年ユネスコ本部で開催された創造部市国際交流事業にて、山形市の文化の多様性について周知し、平成29年にユネスコ創造部市ネットワークの映画分野での加盟認定を受ける

平田晃久
建築家、京都大学教授(大学院工学研究科建築学専攻)
昭和46年大阪府生まれ。平成9年京都大学大学院工学研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務の後、平成17年平田堤久建築設計事務所を設立。主な作品に〈sarugaku〉、〈太田市美術館・図書館〉、〈ホントカ。小千谷市ひと・まち・文化共創拠点〉など。第19回JA新人賞、村野藤吾賞、日本建築学会賞など受賞多数

本杉省三
劇場計画研究者、日本大学名誉教授
昭和25年横浜市生まれ。日本大学大学院修了。同大学助手、文化庁文化部非常勤職員(第二国立劇場担当)、ベルリン自由大学演劇研究所(DAAD ドイツ学術交流会奨学生)、ベルリン・ドイツオペラおよびシャウビューネ劇場にて劇場研究。日本大学教授を経て現職

山畑信博
東北芸術工科大学教授(デザイン工学部 建築・環境デザイン学科)
昭和34年横浜市生まれ。東京工業大学大学院修了。マサチューセッツ工科大学客員研究員、建設省建築研究所主任研究員を経て現職。古今東西の建築のしくみやそれらを取り巻く景観を調査し、気候風土に配慮した建築物のデザインおよび地域に根差した景観やサインに関する研究を進めている。山形市民会館備事業者検討委員会アドバイザー

 

「新山形市民会館シンポジウム」開催概要

テーマ:新たな市民会館が目指すこと ~文化芸術活動の拠点と賑わいの創出~
登壇者(五十音順):佐藤孝弘、平田晃久、本杉省三
コーディネーター:山畑信博
開催日時:2025年1月13日(月曜・祝日)10:00-12:00
会場:山形市民会館 大ホール
所在地:山形県山形市香澄町2丁目9-45(Google Map
聴講料:無料
参加方法:下記・山形市ウェブサイト内イベント概要ページ「申込フォーム」より要申し込み
申込受付締切:2025年1月12日(日)

山形市ウェブサイト イベント概要
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/bunkasports/geijyutsu/1006706/1011324/1015247.html

主催:山形市
共催:BIG-TREEグループ(代表企業:市村工務店)
問い合わせ:山形市 文化スポーツ部 文化スポーツ施設整備室


参考リンク / 註.BIG-TREEグループ 詳細
「山形市民会館整備事業」に関する優先交渉権者の決定について(シェルター 2024年6月7日プレスリリース)
https://shelter.inc/news/q75gymz-_7

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