2025年5月3日初掲、8月16日情報更新:公開ヒアリング情報追記、8月29日情報更新:審査結果追記
東京・八王子市明神町4丁目にある船森公園(Google Map)の公共トイレが改修(建て替え)計画に伴い、設計案を募る設計コンペが市の主催で開催されます。
八王子市がウェブサイトにて5月1日に公示したもので、評価会議の外部評価員として、建築家の内藤 廣氏らが審査を担当します。
主催者メッセージ
八王子市では、中心市街地まちづくり方針における戦略の一つである「回遊・滞留の場づくり」を進めるため、トイレ環境への配慮や考え方、整備の方向性を定めた「八王子市中心市街地公共トイレ環境づくり基本方針」を令和7年(2025年)3月に策定しました。
この方針において、リーディングプロジェクトとして、老朽化したトイレを、景観面・機能面・維持管理面など、総合的にデザインされた質の高いトイレに更新することとしており、令和7年度は、京王八王子駅近くに位置する船森公園のトイレの実施設計を行います。
実施設計にあたり、多摩地区で初となる設計コンペ(複数の建築家から設計案を募集し、最も優れた案を選定する方式)を実施します。
若手・中堅の建築士の皆様からの多様な視点や創造的なアイデアを心よりお待ちしています。現地写真・船森公園および公共トイレ
現地写真(提供:八王子市 まちなみ整備部 公園課)
現地写真(提供:八王子市 まちなみ整備部 公園課)
現地写真(提供:八王子市 まちなみ整備部 公園課)
対象建築物:船森公園トイレ(外構含む)
参加資格:45歳以下の建築士
※そのほか参加資格の詳細はコンペ募集要項を参照(下記・八王子市ウェブサイトにて公示)
スケジュール:
募集要項公表開始:令和7年(2025年)5月1日
参加資格に関する質問受付:令和7年5月8日(木)~5月15日(木)
参加資格に関する質問回答:令和7年5月23日(金)
参加申出受付期間:令和7年5月24日(土)~7月2日(水)
参加資格確認結果通知:令和7年5月24日(土)以降随時、7月9日(水)まで
設計条件に関する質問受付:令和7年5月28日(水)~6月4日(水)
設計条件に関する質問回答:令和7年6月13日(金)
設計案受付期間
・データ送付の場合:令和7年6月18日(水)~7月17日(木)
・(紙ベース)送付の場合:令和7年6月18日(水)~7月17日(木)必着
・(紙ベース)持参の場合:令和7年7月3日(木)~7月17日(木) 各日とも10時-16時
1次評価結果公表:令和7年8月1日(金)
2次評価(公開ヒアリング):令和7年8月20日(水)
二次評価結果・受託候補者等の公表(予定):令和7年8月26日(火)15時
評価会議参加者
・内藤 廣(建築家、東京大学名誉教授、多摩美術大学学長)
・冨永祥子(建築家、工学院大学教授、八王子市景観アドバイザー)
・南雲勝志(デザイナー、國學院大學特別専任教授、八王子市景観アドバイザー)
・湯澤幸子(インテリアデザイナー、多摩美術大学教授)
・八王子市拠点整備部長
・八王子市まちなみ整備部長

左から、内藤 廣(近影 ©︎今井智己)、冨永祥子、南雲勝志、湯澤幸子の外部評価員4氏
1次評価を経て選出された6組への公開ヒアリングと、評価会議メンバーである外部評価員によるパネルディスカッションが、8月20日に開催されます。参加・聴講は無料、ただし事前申し込みが必要です。
これに先立ち、8月1日に発表された一次評価の結果は以下のとおりです。
参加申出:227者
応募者数:158者
二次評価対象者(応募番号順)
「ながれる風、とどまる時間」 村山周平
「The Fold」 藤原真名美
「めぐり つつむ レストコモンズ」 廣戸海渡
「boundary」 市江龍之介
「Small Triangle」 横溝 惇
「あるき まわる・ひと やすむ」 坂口 源
開催日:令和7年(2025年)8月20日(水)
タイムスケジュール
13:00-14:30 パネルディスカッション
15:00-18:00 公開ヒアリング
会場:いちょうホール 小ホール(八王子市芸術文化会館)
所在地:東京都八王子市本町24-1(Google Map)
会場定員:300名
参加方法:下記・詳細ページより要事前申込
※申込は原則としてパネルディスカッションと公開ヒアリングの両方
申込受付期間:8月2日(土)12時〜8月18日(月)
パネルディスカッション&公開ヒアリング 詳細
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/event/011/p035500.html
主催・事務局:八王子市 まちなみ整備部 公園課
問合せ先電話番号(役所稼働日有効):042-620-7271
本コンペの2次評価の場となる公開ヒアリングが上記のとおり8月20日に行われました(画像提供:八王子市)。
その後の評価会議での議論を経て、最優秀賞、優秀賞、入賞4作品を選出。受託候補者となる最優秀設計案は、廣戸海渡氏(レクト一級建築士事務所所属)が提案した「めぐり つつむ レストコモンズ」に決したとのこと(画像提供:八王子市 まちなみ整備部 公園課)。
今後の計画では、2026年(令和8)3月末までに実施設計、同年度内に既存トイレの解体と建築工事が行われます。

最優秀設計案「めぐり つつむ レストコモンズ」
評価ポイント:
・曲線と端部のエッジが特徴的な美しいデザイン
・コンパクトでシンプルな平面構成により、使いやすさが確保されている
・堅牢な躯体、傷つきにくい素材が選定され、耐久性、維持管理のしやすさに優れている
・災害時の拠点として活用可能な広場や、夜間照明の工夫により、防災性・防犯性に配慮されている
・トイレと一体となったベンチと滞留空間の創出により、人々の活動そのものが通りからの景観となり、周囲との調和性が高い

設計提案「めぐり つつむ レストコモンズ」をプレゼンテーションする廣戸海渡氏

最優秀設計案「めぐり つつむ レストコモンズ」模型

最優秀設計案「めぐり つつむ レストコモンズ」模型

外部評価員によるパネルディスカッションの様子

優秀設計案(次点)以下、入賞作品
優秀設計案(次点)
「The Fold」 藤原真名美+酒谷粋将(藤原酒谷設計事務所)
入賞(主催者発表順)
内藤廣賞:「Small Triangle」 横溝 惇(スタジオメガネ)、江田拓也(MOF)
冨永祥子賞:「boundary」 市江龍之介(ICE / ichie architects)
南雲勝志賞:「ながれる風、とどまる時間」 村山周平(村山デザイン・建築設計)、飯田嵩洋(メロコトンアーキテクツ)
湯澤幸子賞: 「あるき まわる・ひと やすむ」 坂口 源(GENGEN Design)
八王子市「船森公園トイレ 設計コンペ」詳細ページ(更新日は変動)
https://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisei/001/006/001/001/p035148.html