東京・目黒区にある〈めぐろパーシモンホール〉にて、2026年2月に上演されるオペラ『フィガロの結婚』の舞台美術を、建築家の隈 研吾氏が担当することが発表されました。
本公演を主催するBunkamuraを運営する東急文化村ほかの発信によれば、隈氏は過去、2024年10月にイタリア・ナポリのサン・カルロ歌劇場にて上演されたオペラ『シモン・ボッカネグラ(Simon Boccanegra)』の舞台美術[*1]を手掛けていますが、日本国内では今回が初とのこと。
*1.ナポリの国立公文書館にて2024年10月11日から13日まで開催されたデザインフェア「第6回EDIT Napoli」の展示「EDIT CULTプログラム」の一環として実現したもの(アルカンターラ 2024年10月15日プレスリリースより)

©︎ Designhouse
隈氏の起用は、〈めぐろパーシモンホール〉にて2024年2月に上演されたオペラ『魔笛』における日本画家の千住 博氏、続く2025年2月上演の『ドン・ジョヴァンニ』での美術家で写真家の杉本博司氏に続く、それぞれの分野で世界の第一線で活躍するクリエイターが舞台美術を担当する第3弾となります。
演奏は、音楽家の鈴木優人氏が首席指揮者を務めるバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。演出は飯塚励生氏、 衣裳を丸山敬太氏が担当するとのこと。
『フィガロの結婚』あらすじ(オリジナル)
アルマヴィーヴァ伯爵の使用人フィガロと、伯爵夫人の信頼厚い侍女スザンナの婚礼の日。心配なのは、スザンナに気のある伯爵が初夜権の復活を企んでいること。更に女中頭のマルチェリーナはスザンナに「フィガロが借金を返せなければ自分と結婚することになっている」と証文を見せる始末。一方で女と見れば興味津々、思春期の小姓ケルビーノは伯爵にクビにされ、スザンナにとりなしを頼みに来るが、伯爵に見つかり軍隊行きを命じられる。別室で伯爵の愛が冷めたことを嘆く伯爵夫人のもとに、フィガロ、スザンナ、ケルビーノが集まり、伯爵をこらしめる計画を立てる。ケルビーノを女装させて浮気の現場を押さえようとするが失敗。伯爵夫人は計画を練り直し、改めてスザンナに伯爵と逢引の約束をさせる。マルチェリーナは例の証文を持って裁判まで始めるが、実はフィガロは自らとバルトロとの子供であったことが発覚。マルチェリーナとバルトロもよりを戻して結婚することになり、親子二組の結婚式が賑やかに始まる。パーティーの最中、スザンナは計画通り伯爵に手紙を渡す。夜の帳が下りた庭園でいよいよドラマが展開。伯爵はスザンナの衣裳をつけた夫人をまんまと口説いてしまうが、事情が分かって夫人に謝罪。最後は全員が互いを許しあい、愛を讃える。
プロダクションについて
このオペラは18世紀につくられましたが、たとえ21世紀であっても、ここに描かれるように誰かを権力でねじ伏せようとすることや、さまざまな不平等やカオスが存在します。そのような中でも「愛」は常に、すべてに勝るのです!(演出家 飯塚励生)
伯爵(権力者)と伯爵夫人、その部下フィガロと婚約者のスザンナ、そしてハッピーな若いカップルに横やりを入れようとする年上の男女、一方で思春期真っただ中の少年&少女にだって主張がある!昔なら階級制度、現代ならさまざまなパワーバランス、そして人々の思惑が入り乱れてのカオス(混沌)。
240年の時を経ても変わらぬ人間の普遍的な悲喜こもごもに満ちた名作を、隈氏のデザインで知られる東京・赤坂にある〈ザ・キャピトルホテル東急〉を思わせるモチーフが特徴の「架空のホテル」を舞台に、愛をこめて描きます。
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
所在地:東京都目黒区八雲1-1-1(Google Map)
公演日程:2026年2月19日(木)、2月20日(金) 両日とも16:00開演 / 2月22日(日)、2月23日(月・祝)両日とも14:00開演
料金:S席:29,000円 / A席:24,000円 / B席:19,000円 / C席:16,000円(税込)
MY Bunkamura先行発売日:2025年10月4日(土)
一般発売日:2025年10月18日(土)
演出:飯塚励生
美術:隈 研吾
衣裳:丸山敬太
舞台監督:幸泉浩司(アートクリエイション)

1列目(左端から、敬称略);鈴木優人(指揮)、飯塚励生(演出)、隈 研吾(美術)、丸山敬太(意匠)
2列目-3列目:出演者の顔ぶれ
出演:
指揮:鈴木優人
管弦楽・合唱:バッハ・コレギウム・ジャパン
アルマヴィーヴァ伯爵(バリトン):ダニエル・グートマン
伯爵夫人(ソプラノ):森 麻季
フィガロ(バリトン):大西宇宙
スザンナ(ソプラノ):ジュディト・ファー
ケルビーノ(メゾ・ソプラノ):オリヴィア・フェアミューレン
マルチェリーナ(メゾ・ソプラノ):藤井麻美
ドン・バルトロ(バス):氷見健一郎
ドン・バジリオ/ドン・クルツィオ:新堂由暁(テノール)
アントーニオ(バス):渡辺祐介
バルバリーナ(ソプラノ):安川みく
主催:Bunkamura
問合せTEL.:03-3477-3244(10:00-18:00)
共催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
特別協賛:高砂熱学工業
協賛:太陽生命保険

めぐろパーシモンホール 大ホール
Bunkamura 本イベント告知ページ
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/26_figaro.html