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扇子の構造を、膜の建築へ 山口産業が世界に提案する「透ける、包まれる」空間の境界線

扇子の構造を、膜の建築へ

山口産業が世界に提案する「透ける、包まれる」空間の境界線

山口産業は、2026年4月に開催されるミラノサローネ国際家具見本市の併催展示「SaloneSatellite(サローネ・サテリテ)」に初出展します。1972年の創業以来、大型パビリオンなどの膜構造建築で培ってきた技術力を背景に、インテリアデザイナーのバレンティーナ・マリア・バシレ氏、そして木工家具の産地・大川のレグナテックと共創。日本の「扇子」に着想を得た可動空間プロダクト「SUKERU(スケル)」を世界初公開し、建築と家具の境界を横断する、膜技術の新たな価値を提示します。

「意匠の翻訳者」として挑む、素材の新たな解釈

山口産業は本プロジェクトにおいて、単なる製造メーカーの枠を超え、デザイナーの描く情景を現実の形へと定着させる「意匠の翻訳者」としての役割を担っています。産業資材として発展してきた堅牢な「膜」を、いかにして人の暮らしに寄り添うインテリアへと昇華させるか。デザイナーのバレンティーナ氏が描く繊細なビジョンと、同社の持つ膜構造の知見を掛け合わせることで、工業製品としての強さと、工芸品のような情緒を併せ持つ、今までにないプロダクトの開発へと至りました。

「扇子」の原理がもたらす、空間の軽やかな変容

「SUKERU」の構造の核心は、日本の伝統的な「扇子」が持つ開閉の原理にあります。一点を軸に複数のリブが広がる機構を採用することで、軽量でありながらも用途に合わせて空間の「囲われ方」を段階的に変化させることを可能にしました。日本語の「透ける」に由来するその名の通り、半透明の膜材を通して差し込む光は、空間に柔らかな陰影をもたらします。瞑想や読書、あるいはワークスペースとして、日常の風景を軽やかに仕切り、自分だけのプライベートな領域を創り出します。

技術的な最大の挑戦は、性質の異なる「膜」と「木」をシームレスに接合することにありました。この課題を解決するため、佐賀県の木工メーカー・レグナテックの協力を得て、伝統的な木工技術と現代の膜加工技術を高次元で融合。木製フレームが持つ温もりと、膜材が描く優美な曲線が一体となった構造は、素材同士の対話を感じさせる豊かな質感を備えています。産地の枠を超えたこの共創体制こそが、伝統的な美意識を現代のライフスタイルへと翻訳することを可能にしました。

EXPO2025 Osaka, Kuwait-Pavillon, Nüssli Group

万博から日常へ、膜構造が描く未来の情景

大阪・関西万博の象徴的なパビリオン建築から、人々の身近な生活空間まで。山口産業は「最前線に膜を張る」という志のもと、常に膜構造の可能性を押し広げてきました。ミラノの地で披露される「SUKERU」は、膜という素材が、建築という大きなスケールから、人の手の届くパーソナルな空間へと降り立ち、暮らしを優しく包み込む未来を予感させます。機能と情緒が交差するこの可動空間は、私たちが世界と繋がるための「膜」の新しい在り方を、静かに世界へと発信しています。

開催概要

展示作品:SUKERU(スケル)
会期
:2026年4月21日(火)〜4月26日(日)
時間:9:30〜18:30
会場:Fiera Milano, Rho, Pavilions 5/7(SaloneSatellite C33 / D34)
所在地:Strada Statale del Sempione, 28, 20017 Rho MI, Italy(Google Map
主催:山口産業株式会社
共創パートナー:Valentina Maria Vasile(デザイナー)、レグナテック株式会社

関連イベント:デザイナーValentina Maria Vasile氏らによるトークセッション

時間: 各日 13:00〜13:30(予定)
内容:「SUKERU」の構造原理である「扇子」のコンセプト、木材と膜材の融合に向けた開発プロセス、膜構造が提案する次世代のインテリアのあり方について

 

参照元:PR TIMES 山口産業株式会社 リリース

 

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