東日本旅客鉄道(JR東日本)が品川車両基地跡地で進めてきた国内最大規模のまちづくりプロジェクトで、先月28日にグランドオープンした東京の新街区・TAKANAWA GATEWAY CITYにおける文化創造の拠点・MoN TAKANAWA: The Museum of Narratives(モン タカナワ:ザ ミュージアム オブ ナラティブズ / 以下「MoN Takanawa」と略)にて、さまざまに用意された展示・イベント空間でのこけら落とし展が開催されています。

MoN TAKANAWA 外観 Photo: TEAM TECTURE MAG
TAKANAWA GATEWAY CITY グランドオープン 取材記事

〈MoN TAKANAWA〉2階 メインエントランス Photo: TEAM TECTURE MAG

MoN TAKANAWA フロア案内図 Photo: TEAM TECTURE MAG
B1-B3階 Box1000(ボックスセン)
開館記念特別公演「MANGALOGUE(マンガローグ):火の鳥」
会期:2026年4月22日(水)〜5月16日(土)
2階 Box300
開館記念プログラム「ひらけ モン!展―はじまりのはじまり」
会期:2026年3月28日(土)〜6月6日(土)
入場料:無料
5階 Box1500
開館記念特別展「ぐるぐる展—進化しつづける人類の物語」
会期:2026年3月28日(土)〜9月23日(水・祝)
入場料:有料チケット要(本展チケット1枚につき1名・1回に限り、会期中の再入場可)
※各展示室名(Box)に付いた数字は平米数をあらわす
※そのほかの関連プログラムは、〈MoN Takanawa〉ウェブサイトおよび 一般財団法人JR東日本文化創造財団プレスリリースを参照

MoN TAKANAWA 2階 Photo: TEAM TECTURE MAG(内覧会開催時撮影)
『TECTURE MAG』では、3月25日に行われた内覧会を取材。見学した2界「ひらけ モン!展」と5階「ぐるぐる展」を会場写真を中心にレポートします(作品キャプションなど一部で敬称略)。

2階 Box300「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
無料で見学できる2階 Box300(ボックスセン)での開館記念プログラム「ひらけ モン!展―はじまりのはじまり」は、〈MoN Takanawa〉が立ち上がるまでの過程をわかりやすく展示しています。

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
本展では、施設の方向性や「ぐるぐる」というコンセプトの設計、建築家の隈 研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所)がデザイン監修を担当した緑に覆われた螺旋状の外装設計、そして鹿島建設をはじめとする各社の技術力が結集した施工の様子なども記録映像で見ることができます。

MoN TAKANAWA 工事風景(画像:一般財団法人JR東日本文化創造財 2025年11月27日プレスリリースより)
外装デザインアーキテクトとしてクレジットされている隈氏へのインタビューでは、外装のデザインだけでなく、内部空間とが一体化した設計コンセプトへの言及もあり、短いながらも見応えがあります。

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
本展では、建築図面と模型、隈氏によるイメージドローイングのほか、天井仕上げ材やトイレで使われているタイルのマテリアル、そして英国・ロンドンを主な拠点とするデザインスタジオ・Pentagramが手がけたロゴデザインおよび館内サインの資料なども開示され、MoNが誕生するまでの軌跡を”ぐるぐる”と紐解いていく会場構成です。

「ひらけ モン!」展 会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
「ぐるぐる」は、〈MoN Takanawa〉のこれからの活動を象徴するキーワードと位置付けられています。人と人、過去と未来、異なる分野が混ざり合いながら、新しい文化が生まれていく。そのさまは、ぐるぐると巡るスパイラルと重なり、施設の建築やロゴマークにもあらわれているとのこと。
開館記念特別展「ぐるぐる展—進化しつづける人類の物語」は、その考え方を体験として届ける展覧会であり、「ぐるぐる」を人類の進化を支えてきた普遍的なかたちと捉え、自然の循環、都市の更新、人の身体や思考の巡りなど、世界にあふれる多様な「ぐるぐる」を取り上げます。
作品展示・制作:東 弘一郎、岩井俊雄、慶應義塾大学SFC脇田玲研究室(菊田有祐・山辺真幸・脇田 玲)、児玉幸子、後藤映則、清水哲朗、テラダモケイ・TASKO Inc.・Gakki Lab.、nanao、西田香織、西山芳一、NOIZ・堀川淳一郎、廣川玉枝(SOMA DESIGN)、藤本壮介建築設計事務所、エミリ・ベルト、ホーダウン・siro Inc・SYGNAL・Syna Studio・池田航成、真鍋大度+登本悠介+石井2bit、三谷 純、樂家十六代 樂 吉左衞門

5階 Box1500「ぐるぐる展—進化しつづける人類の物語」会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
Zone 1|World:ようこそ、ぐるぐるの世界へ|三谷 純〈白亜の螺旋〉

「ぐるぐる展」会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
Zone 2|Art:ぐるぐるは美しい|出展作家:東 弘一郎、岩井俊雄、後藤映則、児玉幸子

児玉幸子による磁性流体を用いた作品〈ルフォタワー / 二つの立てる渦〉 画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団

「ぐるぐる展」会場風景(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

「ぐるぐる展」会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
Zone 3|City:ぐるぐる動くまちと暮らし

テラダモケイ・TASKO Inc.・Gakki Lab.〈山手線〉 Photo: TEAM TECTURE MAG

展示什器には紙管が採用されている Photo: TEAM TECTURE MAG

「ぐるぐる展」会場風景 Photo: TEAM TECTURE

Zone 3|City:ぐるぐる動くまちと暮らし|慶應義塾大学SFC脇田玲研究室(菊田有祐・山辺 幸・脇田 玲)による作品〈Visualization of the world’s vessel routes in the 18th and 21st centuries〉は、1750年から1850年のヨーロッパ帆船の航路と、現在の輸送船の航路とを可視化したもので、本展のために最新データを取り入れてアップデートされている(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

Zone 3|City:ぐるぐる動くまちと暮らし|真鍋大度+登本悠介+石井2bitによる〈chains〉は、2013年に自ら株式市場の自動取引システムを構築し、2016年にはビットコインの取引ロジックを設計・実装。その挙動を可視化することで、AIが一般化する以前から、意思決定の自動化とその不可視性を扱ったもの(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

「ぐるぐる展」会場風景 Photo: TEAM TECTURE MAG
Zone 4|Culture:ぐるぐると文化をつなぐ

藤本壮介建築設計事務所 〈2025年大阪・関西万博 大屋根リング 1:200 模型〉部分 見上げ(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

NOIZによる「JOMON PROJECT」(2018年〜)の展示(詳細はNOIZウェブサイト内プロジェクトページを参照) Photo: TEAM TECTURE MAG

Zone 4|Culture:ぐるぐると文化をつなぐ|ヒッピー文化やカウンターカルチャーに多大な影響を与えたカタログ雑誌『ホール・アース・カタログ(Whole Earth Catalog, WEC)』を創刊したスチュアート・ブランド(1938-)、音楽家のブライアン・イーノ(1948-)らが米国で1996年に設立した非営利団体・The Long Now Foundationによる「ロングナウ・プロジェクト」の関連展示(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

Zone 5|Human:ぐるぐるがわたしをつくる|nanao〈大きなUZU〉UZUキャラクターデザイン(画像提供:一般財団法人JR東日本文化創造財団)

「ぐるぐる展」会場風景 Photo: TEAM TECTURE
Zone 6|Think:ぐるぐる考える|ホーダウン、siro Inc、SYGNAL、Syna Studio、池田航成〈ぐるぐるインスピレーション〉|香りデザイン:キチベエ
展示の最後には、来場者自身の新しい「物語(Narrative)」を動かすヒントとなるような「ぐるぐるおみくじ」が用意されています。
#MoN Takanawa: The Museum of Narratives YouTube「ぐるぐる展ー進化しつづける人類の物語ー 展示風景」(2026/04/24)

「ぐるぐる展」出展者および展示協力一覧(会場構成では、展示デザインプロデュース:中原崇志|
展示デザインディレクション:谷尾開史|空間デザイン:中源崇志、谷尾剛史、梶田ひかる、永田耕平の諸氏の名がクレジットされている) Photo: TEAM TECTURE MAG

「ぐるぐる展」関連グッズ 販売コーナー Photo: TEAM TECTURE MAG
〈MoN Takanawa〉は、「100年先へ文化をつなぐ」を掲げ、この場所から生み出される物語(Narratives)を広く世界と共有し、未来へとつないでいくことをミッションとしています。館名には、地下3階から6階+屋上までの各スペース・展示室・カフェで展開されるコンテンツ(物語)に来館者が触れることで、新たな自分を開く「門(モン)」を受け取り、自分自身の「門」を開いていってほしいという願いが込められているとのこと。
開館した3月から今年9月にかけてのシーズンテーマは「Life is Culture -生きるは、ブンカだ」。さまざまな開館記念プログラムが計画されています。

4階 Tatami スペース / 辻雄貴空間研究所による「桜の公開生けこみ」の様子(2026年4月11日実施、画像:辻雄貴空間研究所 4月23日プレスリリースより)
MoN TAKANAWA: The Museum of Narratives ウェブサイト
https://montakanawa.jp/
MoN Takanawa 総合プロデューサー 小山薫堂氏コメント
魅力的な街は、様々な人を惹きつけ、あらゆるものをつなぎ、新しい文化を生み出します。MoN Takanawa: The Museum of Narrativesは、TAKANAWA GATEWAY CITYの文化創造・発信を担うミュージアムです。
ここは、今から150年以上前に日本で初めて鉄道が海の上を走ったという、イノベーションの記憶を宿す地です。かつて東京の玄関口として「高輪大木戸」が置かれ、多くの人や文化が行き交ったように、MoN Takanawaもまた、日本各地のあらゆる文化芸術をジャンルを越えてつなぎ、幸せという価値を創造していける場所でありたいと願っています。
このミュージアムが、「この指とまれ!」の究極の指のように、文化と人をつなぎながら、日本から世界へ、世界から日本へと、物語の輪が紡ぎ、100年先の未来へと受け継がれていくように取り組んでまいります。一般財団法人JR東日本文化創造財団 アーティスティック・ディレクター 内田まほろ氏コメント
高輪が月見の名所だった江戸の頃、月は遠くに憧れを抱いて眺める存在でした。明治に入ると、この地には外国人との協働によって鉄道が敷かれ、長い時を経て、新しい街が生まれました。そして、月はただ眺めるものではなく、旅の目的地になる日がすぐそこまできています。わたしたちは、文化の違いを超えて何かを生み出すことで、未来を手にしてきました。
MoN Takanawa: The Museum of Narratives は、アート、テクノロジー、エンターテインメント、学問、ビジネスなど、分野横断を生み出し、伝統から未来へと時空を越え、新しい物語と文化を創造するミュージアムです。「MoN」の音には、“門”と“問”という二つの意味を込めました。好奇心をひらく“門”と、未来をつくる“問”に出会う場所です。
ロボット研究者と漫画家が、江戸の情緒を味わいながら月旅行を考える。落語や歌舞伎を嗜んだ後に、デジタルアートに没入する。料理家とファッションデザイナーと一緒に、新しい工芸作品を企画する。そんな自由な組み合わせの「知」と「美」と「笑」で、刺激に満ちた“伝統と未来”を用意して、みなさまをおもてなしいたします。
一般財団法人JR東日本文化創造財団 ウェブサイト
https://www.jreast-ci.or.jp/