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〈VanMoof〉最新モデル【試乗Report】

DESIGNART オフィシャルe-バイク

PRODUCT2020.11.02

10月23日(金)から11月3日(火・祝)まで、東京・青山を中心に開催されている、日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2020」。開催4回目となる今年、オフィシャルe-バイク[*1]〈VanMoof(バンムーフ)〉が登場しました。
*1.e-bike:電動自転車を指す(本稿では、DESIGNARTの表記にあわせて「e-バイク」とする)

〈VanMoof S3〉カラーバリエーション 左: ライト / 右:ダーク

〈VanMoof〉は、自転車大国オランダ・アムステルダム発のハイテク自転車メーカー、VanMoof(バンムーフ)が開発・販売している革新的な電動自転車です。

同社は、インダストリアル・デザイナーの兄とエンジニアの弟の2人によって2009年に設立されました。2014年に初の電動アシスト機能を持つ〈Electrified〉シリーズを発表して以降、2016年に初代Sモデル、翌2017年にXモデル、2018年には両モデルをバージョンアップした〈VanMoof S2〉と〈VanMoof X2〉を発表。さらに今年4月にローンチしたのが、4代目となる〈S3〉と〈X3〉です。

VanMoof S3

VanMoof X3

バッテリー部分

VanMoof S3 & X3 スペック(VanMoof Japan 2020年4月22日プレスリリースより)
パワフルな250〜350Wモーター / オートマティック4段階 e-shifter / 500Wで加速するブーストボタン / 最高時速32Km/h(24km/h)[*2] / 4時間のフル充電で最長150km走行可能 / スマートフォン接続 / 盗難防止トラッキングシステム / キーレスのキックロック / リスポンシブアラーム / 油圧式ブレーキ / 完全内蔵型のワイヤリング / 内蔵型e-ベルとカスタマイズ可能なサウンド
価格:250,000円(税込)
*2.日本の電動自転車には、モーターのみで自走可能で法的には原動機付き自転車に分類される「フル電動自転車」と、時速24km以上は動力の補助を受けてはならない「電動アシスト自転車」があり。〈VanMoof S3 & X3〉は後者の規格に準じ、動力補助は時速24kmまでとなっている

VanMoof社は今回の「DESIGNART TOKYO 2020」に協賛、モビリティパートナーとして会場をサポートしています。会期中、ワールド北青山ビルに設けられたインフォメーションセンターで申し込めば、このハイスペックな最新モデルを30分ほど試乗することができます(借りる際にスマートフォンが必要ですので、お忘れなく!)。公道で実際の乗り心地を試し、ついでに近くの会場を覗いてみるにはちょうどいい時間です。

下の写真は、TEAM TECTURE MAGの他のメンバーが、30分の試乗の間に撮影したものです。

明治神宮外苑 いちょう並木

Knoll Japan(ノルジャパン)ショールーム(北青山1丁目)

〈国立競技場〉

【TECTURE MAG】では、インフォメーションセンターでプレス登録を行い、プレスビューDAYの10月22日(木)に〈VanMoof X3〉を取材用に約3時間ほど試乗。青山・原宿エリアに点在する「DESIGNART TOKYO 2020」参加会場を巡りました。以下、試乗&会場レポートをお届けします。

DESIGNART TOKYO 2020 インフォメーションセンター

〈VanMoof X3〉にまたがり、ワールド北青山ビルを出て、外苑前方面へ。南青山3丁目交差点を左折して、ものの数分でACTUSに到着しました。

ACTUS

ショップのスタッフに声がけして駐輪の了解を得てのち、記念に撮影。

インテリアショップACTUSでは、「今アクタスが取り組む、本気の環境経営」と題した展示を行っています。

資源を大切に、そして繰り返し使いたい。
そのために今アクタスが頑張っていることがあります。
それは、家具やインテリアプロダクトの生産から販売、消費、廃棄までの間に生じる、「あまりもの」「できそこない」「うれのこり」、そして「つかいふるし」を、それぞれが環境に負荷をできるだけ与えないように蘇らせること。 会場では、材料段階、生産段階、販売段階で不用とされたもの、また廃棄された家具がリサイクルされる過程をお見せしながら、環境について一緒に考える機会をご提供させていただきます。

世の中の環境活動と、今アクタスが取り組む環境経営についてのアウトラインをパネルで紹介(写真提供:ACTUS)

写真提供:ACTUS

写真提供:ACTUS

従来であれば廃棄されるはずの木材で制作された〈シューメーカースツール〉(写真提供:ACTUS)

画面右奥:〈シューメーカースツール〉(写真提供:ACTUS)

さて、店舗の前に駐輪した〈VanMoof〉は「キーレスのキックロック」が大きな特徴です。つまり「鍵を持ち歩かなくて済む」のです(鍵をどこにしまったか失念して、ポケットやバッグの底をひっくり返して探す、という事態も起こりません)。

後輪のキックロックボタン

施錠・解錠はとてもかんたん。貸し出しの際にインフォメーションセンターで教わった通りに、施錠する場合は後輪をセットし、ロックボタンをひと蹴りして、ハンドルに付いているボタンで暗証番号を入力して完了します。解錠も同様にボタンひとつ、片手で操作するだけです。

もしも解錠せずに無理やり動かそうとすると、高音域のアラームが鳴り響きます(盗難防止トラッキングシステム)。さらにバッテリー部分のディスプレイには「スカル」も表示されます。これにはつい「はいっ、すみません!」と謝ってしまい、なにやら”人間味”を感じてしまうモビリティです。

エラー時に表示される「スカル」

ACTUS

ロック解除を示すバッテリー部分のディスプレイ

青山キラー通りを北上、〈ワタリウム美術館〉前の交差点(原宿幼稚園前交差点)の道を右へ進み、青山熊野神社前で左折、目指す次なる展示会場、[ナガエプリュスshop]に到着しました。徒歩ではおそらく15分ほどかかるところ、e-バイクをこげば2-3分の距離です。

[ナガエプリュスshop]の前で記念撮影(このあと、店舗の扉の陰に駐輪)

「NAGAE+」こと、[ナガエプリュスshop]は、金物のまち・富山県高岡の鋳物メーカーを母体とし、錫鋳物など金属を加工したプロダクトを販売しています。

同ショップでは「SEIKI DESIGN STUDIO / SEIKI ISHII@ナガエプリュス」の設営がちょうど終わったところ(10月22日)。

11月1日(日)まで展示されていたのは、石井聖己氏(SEIKI DESIGN STUDIO 代表)がデザインした、ドライフラワーのためのフラワーベースコレクション〈KOVA〉を使ったインスタレーション。花器の〈KOVA〉も石井氏がデザインしたものです。

器はサステナブルなハードウッド(KEBONY)を材とし、中には乾燥させた杉の葉と、今回は乾燥前の緑の杉の葉を混ぜて敷き詰め、ドライフラワーが刺さるようにしています。まだ香が残る緑の杉が、ドライフラワーとのコントラストを成しています。

ショップ内には、同ブランドを象徴する「錫(すず)」の結晶を施したタイルがふんだんに使われている(店舗設計:フーニオデザイン / 橋本 潤)

ナガエプリュス(NAGAE+)の前の道をそのまま直進、キラー通りに戻り、南青山方面へ。この間、自転車を走らせてみて気づくのは、東京・青山の坂の多さ! 足こぎ自転車では途中でしんどくなっていたかもしれません。
そんなとき、強い味方となるのが、〈VanMoof X3〉に備わっている革新的なギア。走行中にハンドルに付いているブーストボタンを親指で押せば、「グン!」と一気に加速します。

この頃には余裕も生まれ、e-バイクをいったん路肩に寄せて止め、東京・青山の”名建築”にカメラを向けていました。

ランチは、南青山3丁目交差点に面した、芦沢啓治建築設計事務所が手がけたオーガニックベジタリアンレストラン〈CITRON〉にて。

店指定の駐輪スペースに停める前の記念撮影

〈VanMoof X3〉は、一時停止からのリスタートも極めてスムーズ。外苑前から南青山へと抜ける坂道でも、ブーストボタン1つで一気に加速、今回のルート最大の”難所”を楽々と越えることができました。

南青山3丁目と4丁目の境の道を直進すると〈プラダブティック青山店〉の前に出る

徒歩移動であれば避けるであろう坂道も、ギア付きのe-バイクなら、なんの躊躇もなく直進。

〈サニーヒルズ南青山〉設計:隈研吾建築都市設計事務所

〈プラダブティック青山店〉設計:ヘルツォーク&ド・ムーロン

〈根津美術館〉設計:隈研吾建築都市設計事務所

根津美術館前の交差点を右折、前もって予約の電話を入れた、南青山6丁目にあるクリエーション バウマンの東京ショールームへ。

スイスを代表するファブリックメーカー、クリエーション バウマン(Création Baumann)では、隈研吾建築都市設計事務所に在籍している佐藤未季氏の作品「Re-connect」を展示しています。
クリエーション バウマンは、「DESIGNART TOKYO」に初参加した昨年に続いて、2年連続で佐藤氏とのコラボレーションになります。

クリエーション バウマンでは、その品質の高さや多彩な商品展開などから、建築家やデザイナーとコラボレーションすることが多く、隈事務所もそのひとつ。同事務所でファブリックデザインを担当する佐藤氏は、個人名義「Talking about Curtains(トーキングアバウトカーテンズ)」としても活動しています。

この作品は、COVID-19(新型コロナウイルス)予防対策として、コンビニエンスストアや物販店などが導入して設置している「飛沫防止のビニールカーテン」のハレの日バージョン。「人と会う喜び」をテーマに、withコロナ期であっても、パーティや婚礼などのハレの日に、祝祭空間に集う人々の心を浮き立たせてくれるデザインとなっています。


#CreationBaumannJapan YouTube公式チャンネル「2020/10/30 DESIGNART TOKYO クリエーション バウマン × 佐藤未季 作品インタビュー」

骨董通りに出て、右折して北上。246のT字路を左折し、1本目の道をもう一度左折した左手に、10月にオープンしたばかりのパオラ・レンティの日本第1号店となるショールームがあります。

【TECTURE MAG】記事
パオラ・レンティのショールームが南青山に10/1オープン(2020/10/06)
https://mag.tecture.jp/business/20201006-15155/

〈Paola Lenti Minami Aoyama〉

残り時間は30分ほど。人通りの多い表参道は避け、裏道を使って〈Artek Tokyo Store〉に到着。

ロナン&エルワン・ブルレックの新製品〈ロープ チェア〉をはじめ、ブルレック兄弟が近年、デザインしたプロダクトを展示中。

こんなところにもロープが! という、ブルレック兄弟の洒落っ気を感じた展示でした。

ワールド北青山ビルのインフォメーションセンターに戻り、e-バイクを返却。これにて、この日の試乗と会場巡りは終了です。従来では考えられない、青山の北と南を含む広域のコースを回ることができて大満足! 楽しかった!

インフォメーションセンターがあるワールド北青山ビル

それにしても、e-バイクで都心部を移動することがこれほど楽とは!
東京の秋のデザイン週間では、いかに効率よく会場を回るかというコースどりが極めて重要です。起点を決め、帰着までの間、都バスや地下鉄を駆使して、「ここを曲がって●●を見たいけど、時間がない」と諦めることも多々ありました、これまでは。

それが今回、e-バイクで巡ると「時間が余る」のです。これは【TECTURE】発起人の1人である谷尻誠氏が言うところの「時間の省略」に通じるものがあります。

時間に余裕ができ、移動も楽となれば、あくせくせずに、以前からちょっと気になっていたカフェに行ってみようかなとか、このあいだ建築雑誌で目にした商業ビルの外観を見に行こうかとか、これまでできなかったことに時間を振り分けることができます。豊かな時間を過ごすことが、豊かな創造性にもつながっていくのではないでしょうか。

 

今回のDESIGNARTオフィシャルe-バイクを提供しているVanMoofのブランドストアは、裏原宿・神宮前3丁目にありますが、同店舗ではオフィシャルバイクとしての貸し出しは行っていませんのでご注意ください。

なお、原宿のストアでは、会期中、「Mariya Suzukiの描く東京のまち」を展示しています。

VanMoof Tokyo(東京・原宿)

「Mariya Suzukiの描く東京のまち」

VanMoof 公式ウェブサイト(日本語サイト)
https://www.vanmoof.com/ja-JP

DESIGNART TOKYO 2020(デザイナート・トーキョー 2020)
会期:2020年10月23日(金)~11月3日(火・祝)※異なる会場もあり
エリア:表参道・外苑前 / 原宿・明治神宮前 / 渋谷 / 代官山 / 六本木 / 新宿 / 銀座
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
後援:J-WAVE 81.3FM
協賛:アマゾン エコー、NTTドコモ、バンムーフ、ペリエ ジュエ、ユニクロ、ワールド

DESIGNART 公式ウェブサイトhttp://designart.jp/designarttokyo2020/

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