職人たちの手により、木材の接合部分を立体パズルのように加工し、釘や金物を使わずにつなぎ合わせ、強度と美観を兼ね備えた日本の木造建築における伝統技法の1つ、継手(つぎて)。1300年以上にわたり受け継がれ、日本独自の進化を遂げながら今日まで伝わっています。
この「継手」をデジタル技術で再現した金属製のジュエリーがこのほど、2021年3月10日、11日に開催された「京都知恵産業フェア2021」にて披露されました(プレスリリース)。
開発と製造は、広島県福山市に本社を構える精密金属部品メーカーのキャステムと、京都の宮大工の匠弘堂の2社共同で行って生まれたプロダクトです。
「継手ジュエリー」は、多くのネックレスにあるチェーン部分には留め具がなく、主役であるアクセサリー本体のトップに加工した継手に留め具が加工してあるのが特徴です。継手の構造はそのままに、3つのパーツを分解・組むことで、身に付けたり、取り外すことができます。
見た目には加工があるとはわからない木造建築のように、継手部分を組んだ時には素朴でシンプルなデザインに、外した時には複雑な構造を楽しめます。使うたびに、継手の仕組みを体験し、理解を深めることができるようなデザインとなっています。
2社のコラボレーションのきっかけは、毎年2月に開催される「DESIGN WEEK KYOTO」にて。同イベントでは、年間を通じた交流促進にも取り組んでおり、その中で匠弘堂との交流が始まったとのこと。
キャステムでは、ものづくりスペース・京都LiQに3Dプリンタを複数保有し、かつ、京都ならではの伝統工芸・技術の継承・保存にも取り組み、継手の3Dプリンタ出力も行っていました。その成果物が匠弘堂担当者の目に留まり「これをネックレスの留め具にしたら面白いのでは」という何気ない一言からプロジェクトがスタートしたとのこと。
商品化を目指し、3Dで原型を起こし、ユーザーが扱いやすいようにアレンジを施しています。キャステムの部品製造技術を活かした切削で、パーツ同士がすき間なく重なり合う継手を再現、高精度な金属製ジュエリーが完成しました。
詳細および問い合わせは、アクセサリーを共同で開発したキャステムまたは匠弘堂まで。(en)
「京都知恵産業フェア2021」出店者紹介ページ
https://www.kyo.or.jp/kyoto_chiefair/kc2021/company/post_13.html
キャステム 公式ウェブサイト
https://www.castem.co.jp/
匠弘堂 公式ウェブサイト
https://www.kyoto-shokodo.jp/