建設・土木の現場における生産性と品質向上を目的とした建設業向け生産支援クラウドサービス「Photoruction(フォトラクション)」の開発および運営を行っている株式会社フォトラクションが、同サービスのオプションとして、BIM(Building Information Modeling)のファイル形式を扱うことのできる「Photoruction BIM」をリリースしました(2021年5月19日プレスリリース発表)。
「Photoruction BIM」は、ソフトウェアの導入なしで、WebあるいはモバイルアプリでBIMモデルの閲覧が可能となるもので、オートデスク社のウィンドウズ(Windows)用建築3次元CADソフトウェア「Revit」や、Trimble社が提供するパソコン用の3次元モデリング・ソフトウェア「Sketch Up」などの代表的な3次元ファイルの閲覧機能から、設計支援や写真管理、工程管理など、既存の機能との連携が可能となります。
フォトラクション社によれば、同社が提供する建築・土木の生産支援クラウド「Photoruction」は、国内で80,000を超える建設プロジェクトで活用されています。提供する機能も、工事写真の管理にはじまり、現在では図面管理やネットワーク工程表の作成、書類作成、タスク管理、仕上検査、配筋検査など、幅広い用途で使用され、建築施工におけるトータルソリューションとして機能しています。
これまでは、Photoructionが提供する機能および蓄積するデータは、施工フェーズのものが中心でした。その一方で、建設生産のバリューチェーンにおいて、上流の設計段階での施工の課題を解決するフロントローディングの考え方が広まってきています。
今回のBIMビューワー機能の搭載はこれを踏まえたもので、設計フェーズでの活用だけでなく、設計と施工の橋渡しも可能とし、建物の品質向上にも貢献する生産性の大幅な向上を実現しています。
「Photoruction BIM」の主な特徴は以下の通りです。
1.プロパティブラウザ:設定したオブジェクト情報を表示させ部材情報を現場で確認できる
2.モデルブラウザ:レイヤごとにモデルを表示できる
3.ウォークスルー:建物内部を歩いているかのように画面上に表示、イメージを伝えやすく、また、天井裏やシャフト内などの細部まで確認できる
4.分解モデル:オブジェクトを分解する機能で、納まりを確認しながら施工手順を検討できる
5.断面表示:任意の場所で建物の断面を切り取り、表示できる
6.計測機能:長さや角度を計測できる
なお、「Photoruction BIM」は、先行する「Photoruction」のオプション機能となります。
建設業界では、現場業務や報告書作成などが「紙」を中心に行われ、非効率な業務が多いという、解決すべき課題があります。「Photoruction」は、データ整理や資料作成といった煩雑になりがちな業務を効率化し、業務時間の削減や生産性の向上を実現するものです。
同社では今後、注釈機能、タスク機能、キャプチャ一覧機能、検査機能などのアップデートを計画中で、設計から施工まで一気通貫で管理できる統合型ソリューションを目指して開発を続けていくとのことです。(en)
フォトラクション公式ウェブサイト
https://corporate.photoruction.com/