東洋ステンレス研磨工業(福岡県太宰府市)は、自社で展開しているデザイニングメタル(意匠金属)のオリジナルブランド「MAKO -Japan-」から、日本製鉄の意匠性チタンTranTixxii®︎(トランティクシー)を用いた新商品〈ミステリアスチタンミラー リップルス〉を発表(2022年7月14日プレスリリース)、2022年7月より販売を開始しています。
同ブランドでのシリーズ化を予定している〈ミステリアスチタンミラー〉は、金属の表面に水面のような煌めきを有し、揺らめく風景も映し出す建築パネルです。
同社ではこれまで、ステンレス製の「ミステリアスステンレス ミラー」シリーズを展開、同〈リップルス〉、〈ジュ・ドー〉、〈水明〉の各タイプを販売しています。
これらの3Dステンレスパネルはこれまで、主に天井や壁面などの内装材をはじめ、アートワークとしても用いられてきましたが、素材の性質上、臨海地など塩害腐食地域では屋外での使用が困難という課題がありました。
“3Dステンレスパネル”〈MAKO ミステリアスステンレスミラー リップルス〉の施工例(「TECTURE」サイト / KTXアーキラボ 一級建築士事務所 登録ページ)
https://www.tecture.jp/products/31605?v_id=56338
金属製建築パネルを屋外で使うには、海からの距離によって、金属素材の材質やグレードを適正に選定する必要があります。例えば、ステンレス鋼の場合、海から遠い内陸部であれば、汎用ステンレス鋼SUS304が適応可能とのこと(東洋ステンレス研磨工業プレスリリースより)。海に近い海際(うみぎわ)では、NSSC220Mなどの高耐食ステンレス鋼の選定が必須となります。
数多ある金属の中で、海水に絶対耐性のあるのはプラチナとチタンで、工業製品としてデザイン金属パネルに使用できるものはチタンとなります。このチタンにもさまざまなグレードや仕様があり、屋外での使用実績と耐久性が優れているチタンは、日本製鉄の意匠性チタンTranTixxii®︎(トランティクシー)のみとのこと。
そこで同社では、この意匠性チタンを母材とし、伝統建築の長期耐久性金物や屋根材にも採用されている技術を活用して、海際でも施工できるチタン製デザインパネル〈ミステリアスチタンミラー リップルス〉として商品化に至ったものです。
〈ミステリアスチタンミラー リップルス〉は、軽量で、高耐食・高強度・長期耐久性の面で優れています。
特殊なバフミラー加工を表面に施した、チタン素材特有の艶かしい鏡面には、周囲の風景が写り込み、光が反射した煌めきも、既存のステンレス製「ミステリアスステンレスミラー」シリーズとは異なる表情を有しています。従来品と同様に、1枚から生産が可能。
東洋ステンレス研磨工業によれば、チタンやステンレス鋼は、世界的にリサイクル市場が確立している素材であるとのこと。通常の建材パネルが、樹脂製ないし塗装品で、カーボンを多く含むのに対し、チタンやステンレス鋼は、塗装やメッキを施さずに、デザイン(研磨加工)された状態で出荷し、屋外で使用することができます。
さらに、チタンは長期耐久性があるため、メンテナンスの負担を軽減し、建物寿命を延ばせるなど、持続可能な社会の実現に貢献できる、サステナブルな素材とうたっています。
今後は、「MAKO -Japan-」ブランドのほかのデザインテクスチャーシリーズも随時、「ミステリアスチタンミラー」デザインパネルとしてラインアップしていく予定とのことです。
「MAKO -japan-」
https://www.mako-products.jp/
東洋ステンレス研磨工業
https://www.toyo-kenma.co.jp/