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永山祐子は3M™ ダイノック™ フィルムをどう使う?

フィルムの可能性と新製品の活用方法を語る

PRODUCT2024.09.13

総合化学メーカーのスリーエム ジャパン株式会社が取り扱う3M™ ダイノック™ フィルム。

6月には錆や黒皮鉄、希少な大理石やビンテージウッド、フレスコやモルタル仕上げなどの最新トレンドを取り入れた新デザイン141点の販売を開始し、トータルで1,000を超えるデザインバリエーションが展開されています。

新製品の発売を記念して、建築家・永山祐子氏によるデザインセミナー「建築というきっかけ」が、東京と大阪で開催されました。本セミナーは、10月3日のオンラインセミナーにて視聴できます(申し込みは10月2日17時まで、特設ページへのリンクは本記事内に掲載)。

永山氏は永山祐子建築設計の新作や進行中のプロジェクトを解説するなかで、フィルムの使用について言及しました。また、永山氏にはスリーエム ジャパン株式会社本社のショールームでダイノック™ フィルムの新製品に触れていただき、これから使ってみたいデザインについて話を聞きました。

INDEX

  • 多くのシーンで活用できる3M™ ダイノック™ フィルム
  • 永山氏は新製品のどこに注目した!?
  • 3M™ ダイノック™ フィルムは場所に応じて製品を選べる

多くのシーンで活用できる3M™ ダイノック™ フィルム

3M™ ダイノック™ フィルムは、多彩なデザインがラインナップされた、内装用の粘着剤付き化粧塩ビフィルム。

薄く柔軟な形状と素材の特性によって、壁面仕上げをはじめ、家具のほかドアやエレベーターなど多くの内装に使用できる製品です。

〈東急歌舞伎町タワー〉では、曲げ加工された曲面のアルミパネルと、メタリック調のダイノック™ フィルムを貼った三角形のケイ酸カルシウム板のパネルで波紋を表現(撮影:スリーエム ジャパン株式会社)

永山氏はデザインセミナーのなかで「素材については、適材適所でいろんな素材を使っています」と話し、アーチの形状をもたせながら天井をつくる際、曲げ加工をした金属パネルとともに、ケイカル板の上にダイノック™ フィルムを施工した事例を挙げました。

「2種類の面が隣り合うので、メタル側の色をダイノック™ フィルムの色に合わせて塗ってもらいました。金属パネルに見えながら、実はダイノック™ フィルムになっています」

そのほか、永山氏は近作や進行中のプロジェクトを多く取り上げながら、建築が人々に与える「きっかけ」について話しました。

永山氏は新製品のどこに注目した!?

3M™ ダイノック™ フィルムの新製品を手に取った永山氏は、主なシリーズについて感想を口にしました。

スリーエム ジャパン株式会社本社のショールームでダイノック™ フィルムの新製品を手に取り確認する永山氏

まずは、メタル調の製品について。

製品番号(左から)上段 ME-2552 / ME-2551 / ME-2559 下段 ME-2562 / ME-2564 / ME-2554​

「種類も増えてきましたし、すごくいいなと思います。イミテーションでなく、独特の風合いのあるものが増えたので、場所場所に合わせて使いやすくなりました」

「リン酸や錆鉄板をイメージしたデザインでは、本物の鉄板でこうした表情はなかなか調整しにくいので、シートのほうが使いやすいというケースはあると思います」

木目調の製品については、次のように述べました。

製品番号(左から)FW-2423 / DW-2473MT / PW-2320MT / PW-2323MT / PW-2321MT / FW-2427 / PW-2324MT / PW-2322MT

「木管の穴の位置などがピッタリと印刷に合っているので、本当にわからないです。今や、突板と見分けがつかないですね」

「木は不燃が求められる箇所などで本物を使えないことが多いのですが、今はぬくもりのある感じとか、木の素材感を求められることがすごくあるので、木目調を使うシチュエーションも増えそうだなと思います」

左官仕上げや塗り調の製品についても、使用箇所と合わせて言及しました。

製品番号(左から)AE-2503 / AE-2504 / AE-2505 / AE-2506 / AE-2507

「天井などは特に左官で仕上げるのがすごく難しいので、シートで表現できると本当にいいですよね。私たちはよく、左官壁の横に防火戸が出てくるときなどに、こうした塗り調のシートを使います。フラットでシームレスにつくるために、シートの色や柄を先に決めて、左官のほうを合わせてもらうこともありますね」

3M™ ダイノック™ フィルムは場所に応じて製品を選べる

永山氏はリノベーションのプロジェクトも多く、厚さや重量のかさむ仕上げ材が使えない箇所ではシート貼りを選択してきたといいます。仕様の指定にあたって製品を選ぶ際には、質感を特に重視しているとのこと。

「マットな素材では究極にマットでなければいけないので、素材に光を当てながら横から見て反射しないかどうかをスタッフと一緒に調べたりします。逆に光らせたい場合もあるので、反射の感じがどのくらいなのかという質感をプロジェクトごとに変えたりしていますね」

そのうえで、ダイノック™ フィルムの新製品について、永山氏は次のように語ります。

「新製品はメリハリがすごく効いているというか、マットなものは本当にマットにつくられていますし、シャイニーで光を受けるようなものは底光りするような表現がきちんとできています。どのような場所にしたいかで、製品を選んでいけるなという感覚があります」

デザインセミナーで永山氏は、光と素材の関係についても繰り返し触れていました。10月3日のオンラインセミナーをぜひ聴講ください(申し込みは10月2日17時まで)。

Photo & movie: toha

永山祐子 | Yuko Nagayama

1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。青木淳建築計画事務所を経て、2002年 永山祐子建築設計設立。2020年- 武蔵野美術大学客員教授。

主な仕事に〈LOUIS VUITTON 京都大丸店〉〈丘のある家〉〈カヤバ珈琲〉〈木屋旅館〉〈豊島横尾館(美術館)〉〈渋谷西武AB館5F〉〈女神の森セントラルガーデン(小淵沢のホール・複合施設)〉〈ドバイ国際博覧会日本館〉〈玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ〉〈JINS PARK 前橋〉〈TOKYU KABUKICHO TOWER〉など。現在、東京駅前常盤橋プロジェクト〈TOKYO TORCH〉、2025年大阪・関西万博〈パナソニックグループパビリオン『ノモの国』〉〈ウーマンズパビリオン in collaboration with Cartier〉などの計画が進行中。

主な受賞に「ロレアル賞奨励賞」「JCDデザイン賞奨励賞」(2005)、「AR Awards」(UK)優秀賞(2006)〈丘のある家〉、「ARCHITECTURAL RECORD Award, Design Vanguard」(2012)、「JIA新人賞」(2014)〈豊島横尾館〉、「山梨県建築文化賞」「JCD Design Award」銀賞(2017)、「東京建築賞優秀賞」(2018)〈女神の森セントラルガーデン〉、「照明学会照明デザイン賞」最優秀賞(2021)〈玉川髙島屋S・C 本館グランパティオ〉、「iF Design Award 2023」〈JINS PARK 前橋〉など。

有限会社 永山祐子建築設計ホームページ
https://www.yukonagayama.co.jp

 

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3M™ ダイノック™ フィルム 新製品リリース

PRODUCT2024.06.18

3M™ ダイノック™ フィルム 新製品発売

新シリーズを含む新製品141点を追加

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