1886年(明治19年)4月9日に設立された日本建築学会が今年創立140周年を迎えることを記念して、若手世代による、140地点を巡る身体と議論を掲げたイベント「140」ならびに「物質」と「先端技術(AI)」について議論する2夜連続シンポジウムが、東京・田町の建築会館にて9月28日よりそれぞれの日程・会場で開催されます。
プログラム(予定):都市観測ウォークおよび円卓トークセッション
※当日の天候などにより「都市観測ウォーク」のルートや実施内容を変更する場合あり
企画概要
「140」では、東京に設定した140の観測地点を巡る「都市観測ウォーク」と、都市について語る「円卓トークセッション」の2つのプログラムを同時に行います。
都市観測者はカメラとGPSを携え、東京の街や建築を撮影しながら、建築会館をスタート・ゴールとするルートを歩きます。撮影された写真や現在地などの情報は、建築会館の会場(中庭)にリアルタイムで届けられます。
中庭には円卓を設け、異なる分野で活動するゲストがそれぞれの視点から東京について議論します。都市観測者から届く写真や位置情報を手がかりにしつつ、それらに影響を受ける場合も、受けない場合も含めて対話を重ねます。そこで交わされた言葉もまた、その日の都市の記録となります(後日、アーカイブを予定)。ステートメント
現代では、あらゆるものが速い。スマートフォンで地図を開けば、目的地までの最短経路が表示され、たどり着くまでの時間が分刻みで提示される。出来事は指先一つで撮影・共有され、匿名の誰かに消費される。離れた場所にいる相手と会話した気になれる。無駄を嫌う身体が小さなモニターに釘付けになっている間にも、都市の風景は気づかないうちに更新されている。まず、この身体で実際に歩くべきであろう。遠くの情報も近くの情報も瞬時に手に入れられる時代に、いま、ここで得たものを送り届け、直接語り合う。そのような行為を改めて行う可能性について考える。
具体的には、観測者が実際に東京の街へ出向き、さまざまな建築や場所に足を運ぶ。何が建つかもわからない工事現場を撮ったり、写真にタクシーが映り込んだり、細い道を遠回りしたり、ベンチに腰掛けて撮影が滞ったりする。そうした生の観測を、机を囲んでいる人たちへ届ける。円卓では、直接顔を合わせたゲストたちが、それぞれの都市や現在にまつわる視点を持ち寄り、議論を続ける。不規則に届く写真は、場のトピックを大きく変えることも、まったく影響を及ぼさないこともあり得る。
「140」では、その両方を一日の記録として残す。身体による経験、機械が捉えた瞬間、位置情報による記録、複数の人による議論や解釈をあえて冗長に重ねることで、2026年9月28日における東京の現れを観測することを目標とする。
開催日:2026年9月28日(月)9:30-21:30(予定)
会場:建築会館中庭+YouTubeライブ配信 ※参加はいずれも申込不要・無料
担当委員:GROUP、藏薗悠介(建築センターCoAK)、三枝理子、岩崎伸治
トークゲスト:築山礁太(写真家)、力安一樹(編集者)、湯浅良介(建築家)、仲山ひふみ(批評家)、栗原瞳子(金属加工技師/グラフィックデザイナー)、塚本貴文(東京大学大学院博士課程)、後藤宏輔(東京大学大学院博士課程)、iii architects(建築家ユニット)、some ( )(建築家ユニット)、谷本 司、鈴木 心(山田紗子建築設計事務所)、石 暁君(コミュニケーター)、ほか
ビジュアルデザイン:曽根 巽
主催:一般社団法人日本建築学会
企画:創立140周年記念事業実行委員会
※「都市観測ウォーク」のルートなど詳細は「140」特設サイトまたは公式SNSを参照。
「140」特設サイト
https://140.aij.or.jp/
「140 walk」インスタグラム
https://www.instagram.com/140.walk/
登壇者:下記
開催日:2026年9月28日(月)、29日(火)
会場:建築会館ホール
所在地:東京都港区芝5丁目26-20(Google Map)
定員:300名(申込先着順に受付)
参加費:無料
参加資格:設定なし
※建築CPD単位取得可否:申請中
メッセージ
150周年を間近に控えたこの節目に、建築がこれまで蓄積してきた知を振り返るとともに、次の時代に向けて何を問い、どのような役割を担うべきか、二夜連続のシンポジウムを通して考える。
本シンポジウムでは、「物質」と「先端技術」という2つの視点から、建築のこれまでとこれからを考えていく。
第1のセッションでは、素材、時間、記憶、継承を手がかりに、スクラップ&ビルドを超えた建築の行方を探る。第2のセッションでは、AIやメタバース、フィジカルAIなどの先端技術が日常化する時代に、建築や都市の設計、表現、創造性がどのように変化するのかを議論する。
建築をめぐる課題が複雑化し、分野の垣根を越えた知の連携が求められるいま、日本建築学会はどのような知の基盤を築き、未来の建築と都市を構想しうるのか。創立140周年を150周年へ向けた通過点として捉え、多分野の視点からその可能性を考える。
開催日時:9月28日(月)18:00-20:00(17:30開場)
登壇者:篠原雅武(京都大学総合生存学館[思修館]特定准教授)、加藤耕一(東京大学教授)、山崎篤史(竹中工務店設計部)
討議内容(予定):建築は、土、木、石、鉄、コンクリート、ガラスといった物質を通して、土地、技術、労働、社会、時間と関わってきた。建築を物質から考えることは、それを完成した形や空間としてだけでなく、つくられ、使われ、変化し、修復され、受け継がれていく存在として捉え直すことである。近代以降、建築は新しく建てることや更新することを大きな価値としてきた。しかし、資源や環境の制約、既存ストックの増大、人口減少、災害、都市の老朽化といった状況のなかで、いま建築には「何を創るのか」と同時に、「何を受け継ぎ、どのように使い続けるのか」が問われている。本セッションでは、哲学研究者・篠原雅武氏、建築史家・加藤耕一氏、建築家・山崎篤史氏を迎え、物質性の観点から建築のこれまでとこれからを考える。建築史、思想、環境、素材、時間を横断しながら、スクラップ&ビルドを超えた建築の行方を探る。
第1夜 申し込み受付ページ
https://www.aij.or.jp/event/detail.html?productId=717109
日時:9月29日(火)18:00-20:00(17:30開場)
登壇者:三宅陽一郎(東京藝術大学教授)、平田晃久(平田晃久建築設計事務所、京都大学教授)重村珠穂(アルゴリズムデザインラボ、早稲田大学非常勤講師)
討議内容(予定):本セッションでは、AIをはじめとする先端技術が、建築や都市環境の設計、生産、表現、構造、そして創造性そのものをどのように変えていくのかについて議論する。
AIが特別な技術として語られる段階を越え、社会や設計環境の基盤へと組み込まれていくとき、建築には何が残り、何が新たに問われるのだろうか。AIは、建築家の創造性を代替するのか、それとも新しい形や関係を引き出す共創の相手となるのか。さらに、メタバースやスマートシティのように、現実空間と情報空間が重なり合う環境が広がるなかで、建築はどのように人間、知性、構造、環境、材料などと結び直されるのか。建築家・平田晃久氏、AI研究者・三宅陽一郎氏、BIMや環境シミュレーションを専門とする重村珠穂氏を迎え、「AI」が叫ばれなくなる時代の建築を考える。建築的な形態や関係性、人工知能や仮想空間、環境・材料・構法等の視点を交差させながら、生成される形やふるまう知性が、どのように建築へと接続されうるのかを議論し、効率化や自動化を越えて、AIが日常化する時代の建築と都市のあり方を探る。
第2夜 申し込み受付ページ
https://www.aij.or.jp/event/detail.html?productId=717110
主催・受付:一般社団法人日本建築学会
企画:創立140周年記念事業実行委員会
問合せ先:日本建築学会 事務局 事業グループ
日本建築学会ウェブサイト「催し物・公募一覧」
https://www.aij.or.jp/event/list.html