2021年3月17日初掲
4月24日 臨時休館・途中閉幕情報を追記
※本展は、5月10日まで国立新美術館で開催される予定でしたが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大に伴う政府からの要請を受け、4月25日から会場の国立新美術館が臨時休館に入るのに伴い、展覧会も会期途中で中止となります。
日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和氏(1965-)の過去最大規模となる個展が、東京・六本木の国立新美術館にて開催されています。
佐藤氏は、1990年代に広告代理店の博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけ、2000年に独立してクリエイティブスタジオ・SAMURAI(サムライ)を設立した後も、企業、幼稚園、病院、ミュージアム、エンターテインメント、ファッション、地域産業といったさまざまな分野で、革新的なVI・CI計画やブランド戦略に携わり、その活動は常に内外からの注目を集めてきました。
本展は、佐藤氏の約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介するものです。
小学5年生のときに作成したコラージュ作品に始まり、博報堂在籍時代の仕事、2000年に独立して以降の企業のブランディングプロジェクトやトータルプロデュース、ポスターや装丁などのグラフィックデザイン、プロダクト単体のデザインに至るまで、それらの成果物は誰しも一度は目にしたことのあるものばかり。これらの展示のキュレーションと会場構成を佐藤氏自身が担当しているのも特筆点です。
本展の会場である、国立新美術館のシンボルマークデザインとサイン計画も、佐藤氏が指名コンペで勝利して手がけた仕事の1つ。音声ガイドによれば、佐藤氏は当時の心境について、「絶対に勝ちたいという思いで臨んだ」と振り返っています。
建築の領域では、日清食品が関西工場を新たに建設する際のトータルプロデュースや、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)とタッグを組んだ〈ふじようちえん〉のリニューアルプロジェクトがよく知られています。近年では、隈研吾氏がディレクターアーキテクトを務めた、神奈川県・洋光台団地における「団地の未来プロジェクト」の監修を2015年より務めるなど、地域再生に直結する社会的なプロジェクトにも中心メンバーとして参画しています。
最後の展示室は、近年にスタートした2つのアートワークシリーズ「LINES / FLOW」。どちらも、油彩画、陶板、映像など、ありとあらゆるメディアに展開できる可能性を秘めており、デザインが及ぶ領域を絶えず拡張し、既存のさまざまな枠組みを塗り替えてきた佐藤氏の活動そのものを表現したアイコンといえます。
なお、会場の展示について詳しい解説が聞ける音声ガイド(再生時間約30分)も、佐藤氏自身がそのほとんど担当しています。会場入り口で専用のQRコードを手持ちのカメラ付き端末で読み込み、ダウンロードする方式で、自宅に持ち帰って聞きなおすこともできるようになっています。(en)
会期:2021年2月3日(水)〜5月10日(月)
開館時間:10:00-18:00(入場は閉館30分前まで)
※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大防止対策などに伴い、開館時間などが変更になる場合あり
※政府要請により、4月25日より臨時休館
※最新の情報、入館規制については、会場または展覧会公式ウェブサイトを参照
休館日:毎週火曜(但し、5月4日[火・祝]は開館)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:国立新美術館、SAMURAI、TBSグロウディア、BS-TBS、朝日新聞社、TBSラジオ、TBS
国立新美術館 公式ウェブサイト
https://www.nact.jp/
展覧会ウェブサイト
https://kashiwasato2020.com/