イタリアを代表するファッションブランドの1つ、フェンディ(FENDI)が、本拠を構えるイタリア・ローマ市南部にある〈イタリア文明宮(Palazzo della Civiltà Italiana)〉にて、シルヴィア・フェンディ(Silvia Venturini Fendi)による2022年春夏メンズコレクションを2021年6月19日(土)14時(イタリア現地時間)に発表しました。
〈イタリア文明宮〉は、ベニート・ムッソリーニが政権を握っていた時代、1942年に開催を予定していた万国博覧会のために計画され、建築史上ではいわゆるファシズム建築に分類されます。当時のイタリアを席巻していたイタリア合理主義建築を代表する作品の1つであり、特徴的なファサードなどから、『無防備都市ローマ』(1945)、『建築家の腹』(1987)、『ハドソン・ホーク』(1991)、『タイタス』(1999)など、数多くの映画にも登場しています。
#FENDI YouTube公式チャンネル「The Fendi Headquarters at Palazzo della Civiltà Italiana」(2015/10/23)
2015年に、建築家マルコ・コスタンツィ(Marco Costanzi)の手により改修され、フェンディが本拠としました。同年10月から2016年3月にかけて、プロジェクトの完成を記念した展覧会も開催され、照明デザイナーのマリオ・ナンニ(Mario Nanni)によるインスタレーションなどが披露されています(上の動画および下の写真)。
イタリア文明宮(Palazzo della Civiltà Italiana)
所在地:Quadrato della Concordia 3, Rome, Itary(Google Map)
このほど開催されたショーの模様は、フェンディのYouTube公式チャンネルで公開されています。
フェンディ ジャパンが2021年6月20日に発表したプレスリリースによれば、今回のコレクションのアーティスティック・ディレクターを務めたシルヴィア・フェンディは、次のように語っています。
「このような状況の時に、ユニークな視点から世界を眺めたこと(編集部註.イタリア文明宮からの眺望)が、私たちの認識を変えました。そして私自身の認識も、あたかもローマを鳥瞰するかのように、この建物のアーチと屋上から見た光景が、世界に対する見方と強く結びつけられるようになりました。色彩と視点は絶えず変化していきます。1日中ローマの空のやわらかな色彩があまりにも美しいので、それを今回のコレクションの焦点にしたいと思いました。」
ニコ・ヴァシェラーリ(Nico Vascellari)が監督した「フェンディ 2022年春夏メンズコレクション」の映像は、初期のサイエンス・フィクション映画へのオマージュとともに、ローマの風景に捧げる壮大な叙情歌となっています。
イタリア文明宮の建物がマッピングされるなか、モデルたちは、合理主義建築の建造物の曲折を正確に辿り、日の光が薄れて夜が訪れると、フェンディ本社は華やかな脈打つ光のショーの中で命を吹きこまれます。
この映像には、イタリアの作曲家、アレッサンドロ・コルティーニ(Alessandro Cortini)によってつくられた、恒星間旅行と上から見た巨大な情景にインスピレーションを受けた、シンセサイザートラックをフィーチャーするフェンディのために制作された、9分間の電子音楽作品が使用されているとのことです。(en)
#FENDI YouTube公式チャンネル「Fendi Men’s Spring / Summer 2022 Fashion Show」(2021/06/20)Concept and Direction by Nico Vascellari
Original soundtrack by Alessandro CortiniStyling: Julian ganio
Hair: guido palau
Makeup: Peter philips Makeup
Casting: Piergiorgio Del Moro
FENDI 公式Webサイト
https://www.fendi.com/ch-it/