セイコーホールディングスは、自社で保有する銀座4丁目の和光本館の一部フロアを改修し、SEIKOブランドの発信拠点とするための再整備を行い、建物の名称を「SEIKO HOUSE GINZA」に改称すると発表しました(2021年12月17日プレスリリース)。
スペシャリティストア・和光を営む株式会社和光は、セイコーホールディングスの100%子会社であり、地下1階から4階までの既存フロアは、これまでどおり、和光の店舗として営業を継続します。
今回の改修計画は、グループの事業領域が拡大していることに加え、2022年に現在の建物と時計塔が竣工から90周年を迎えるにあたり、セイコーホールディングスの原点である銀座のこの地が持つ役割などを改めて見直し、日本の職人の技術や、ものづくりへの想いを伝え、サステナブルに貢献して社会とともに歩む「SEIKO」を発信していく場にしたい考えに基づくもの。
リニューアル計画では、これまで限定的な利用に留まっていた5階から屋上までの空間を、社会とともに歩むセイコーのブランド発信の場へと整備(下記・フロア名称は仮称)。建物の歴史的価値を生かしつつ、屋上の整備や、デジタルスタジオの新設を進めるとともに、企業としてのSDGs活動の発信も行なうとのこと。
5階「ゲストラウンジ」
竣工当時の社長室屋会議室が残るフロア。ウェビナー開催にも対応した、国内外へのデジタル発信の環境を整備し、特別な応接やプレゼンテーションに活用できるスペースとする。
6階「セイコーハウス銀座ホール」
現在の「和光ホール」を改称。グループ事業全般に関連する展示や、アーティストとの共創など、世界に向けてさまざまな発信ができるよう整備する
7階「工房」
セイコーホールディングスグループの匠の技を体験できる工房に改修する。最新製品を展示するスペースも設置。
屋上「スカイガーデン」
環境に配慮した素材を使用し、ウッドデッキや植栽などを配置。時計塔の鐘の音を聞きながら、銀座の中心を体験できる「もてなしの空間」に。
従前は、2020年6月に和光が路面店としてオープンした〈ブライダルブティックギンザ〉にて、エンゲージないしウェディングリングをペアで購入した顧客を対象に、時計塔前で撮影できるサービスなどを実施している。
リニューアルオープンは、2022年6月10日、「時の記念日」を予定しています(一部のエリアを除く)。
*銀座 和光の建物について
和光本館、旧称は旧服部時計店本社ビル。セイコーの前身・服部時計店が、1894年に銀座4丁目の角地に進出し、本社ビルを建設。時計塔はその当時より、創業者・服部金太郎(1860-1934)の強い希望で建物の屋上に設置された。その後、関東大震災からの復興の象徴として、1932年(昭和7)に2代目となる新社屋と時計塔が竣工(設計:渡辺 仁|1887-1973)。以来、ネオ・ルネッサンス様式の重厚感ある建物と時計塔は、昼夜を問わず銀座のランドマークとして親しまれている。銀座4丁目の交差点に面したウインドウディスプレイは、1952年(昭和27)当時、気鋭のデザイナー、伊藤憲治、亀倉雄策、原 弘の3氏による競作からスタート。「銀座を訪れるすべての⼈をもてなす」ことをテーマとしたハイクオリティな空間デザインを継続していることなどが評価され、2021年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している。
#和光・WAKO YouTube公式チャンネル「和光のウインドウディスプレイ「鐘」制作の様子」サウンドインスタレーション:蓮沼執太(2020/07/04)和光では、2020年8月に本館の大規模リニューアルを実施。2021年4月1日には、ファッションブランド・EZUMi(エズミ)を率いる江角泰俊氏が制服のデザインリニュアールを担当した。
「SEIKO HOUSE GINZA」特設サイト
https://www.seiko.co.jp/seiko_house_ginza/