東京・立川に、食房と茶房、さらに宿房に全室にかけ流し温泉を備えた〈Auberge TOKITO(オーベルジュ ときと)〉が今春、開業します。
立飛ホールディングスと子会社の立飛ホスピタリティマネジメントが、旧料亭の敷地で進めている、多摩地区最大規模の再開発プロジェクトで、デザイナーの緒方慎一郎氏が率いるSIMPLICITY(シンプリシティ)がインテリアデザインを担当。建物の基本設計はギルド・デザイン(共同代表:磯村一司、政本邦彦)、実施設計と施工を住友林業がそれぞれ担当しています。
立飛ホールディングスのプレスリリースによれば、同社は立川市の約1/25にあたる約98万m²の土地を所有しており、立川とともに歩む企業としてまちづくりに取り組んでいます。
2020年4月には、“空と大地と人がつながる、ウェルビーイングタウン”をコンセプトにした約3.9万m²の新街区[GREEN SPRINGS]をオープン。続く6月には、同街区に〈SORANO HOTEL〉を開業し、新たなビジネス拠点の創造と、地域ローカル・ツーリズムを掲げる新たな都市型リゾートを運営しています。
同社の企業方針とこれらの実績などを背景に、インバウンドにおけるラグジュアリーツーリズムや、ビジネスエグゼクティブ層に向けた施設やサービスの拡充をはかるため、新たにオープンさせるのが〈オーベルジュ ときと〉となります。
施設は食房・茶房・宿房の3つを付帯。総合プロデューサーには、京都吉兆嵐山本店をはじめ国内外で研鑽を積んだ石井義典氏が就任。20年ぶりに日本のレストラン業界に戻る同氏は総料理長も兼任し、自ら作陶した器と料理の巧みなコーディネーションで、独自の世界観を表現します。
日本の食・茶・宿を進化させ料理人がすべてのサービスを行う宿だからこその”おもてなし”で、訪れた人のあらゆる「とき」を幸せで満たし、日本の食や文化を世界へ発信する場所となる予定です。
食房
生産者と共に日本食を育むことを目的に、主要な食材は料理人自らが生産者の元に足を運び、調達する。「旬」を超え「瞬」を堪能する、食材の美味しさを追求した、日本の食の真の豊かさを表現する料理を提供する。
茶房
茶方薈(Saboe)が監修する茶房を全16席用意。地域、風習、時代、製法により多彩に進化した日本のお茶文化を現代的に解釈し、独自に発展させることで、新しい安らぎと愉しみを生み出す。
宿房
都心の喧騒を忘れさせる宿房は全4室。露天風呂付きの洗練された空間に。掛け流しの温泉は地下1300mから汲み上げたもの。心身の回復をテーマに究極のくつろぎを提供する。
施設名の「ときと」には、幸せな「とき」とは何か問い続け、豊かな日本文化を「鴇(とき)」のように優雅に世界へ飛び立たせるという願いが込められています。「めぐるめぐみ」をコンセプトに、食を通じて、人、地域、日本の食文化を豊かにすることを目指しているとのこと。
石井義典(いしい よしのり)プロフィール
〈Auberge TOKITO〉総合プロデューサー兼総料理長を務める。
京都吉兆嵐山本店で副料理長として実績を積んだ後、海外のキャリアを求め、ジュネーブ国連大使公邸料理人(スイス)やニューヨーク国連大使公邸料理人(米国)を務める。2010年にロンドンの懐石料理店「UMU(ウム)」に総料理長として迎えられ、ミシュラン1つ星を維持。2015年には、欧州の日本料理店では初めてミシュラン2つ星に導き、以降2021年まで2つ星を維持。素材への徹底したこだわりから、英国ではかつてなかった高い鮮度を維持した鮮魚の調達を可能とし、活〆のパイオニアとして広く知られている。
大河原 謙治(おおかわら けんじ)プロフィール
京都吉兆嵐山本店に入社後、基本の調理技術はもとより、華道やお茶事(茶懐石)、器、お軸、など日本料理と切り離すことのできない日本文化を徹底的に習得。京都御所や寺院、更にはイタリア、ウクライナ、インドなど海外においても懐石料理を提供するなど、多岐にわたる経験を積む。2008年6月、京都吉兆洞爺湖店(ウィンザーホテル洞爺内)の副料理長に着任後、2008年7月の北海道洞爺湖サミットに従事。2010年には同洞爺湖店の料理長に就任、以降2012年及び2017年ミシュラン北海道で2ツ星に。2019年には新たなチャレンジを求め、京都の懐石料理店「いと」に料理長として迎えられ、2020年、オープン後半年でミシュラン1つ星を獲得、翌2021年も1つ星を維持する。
2021年8月に〈Auberge TOKITO〉開業準備室に着任。総支配人と料理長を務める。
読み:オーベルジュ ときと
所在地:東京都立川市錦町1丁目24-26(Google Map)
付帯施設:
食房:カウンター10席 / ホール22席 / 個室3(各4席)/ 離れ(3分割宴会場、最大20名収容)1
宿房:全室温泉かけ流し露天風呂付客室4 ※スパトリートメントルームを含む(全室106㎡)
茶房:16席 ※ティータイム、バータイム両用
規模:地上1階
延床面積:1,629.19m²
敷地面積:3,737.10m²
インテリアデザイン:SIMPLICITY
基本設計:ギルド・デザイン一級建築士事務所
実施設計:住友林業
施工:住友林業
経営:立飛ホスピタリティマネジメント ※立飛ホールディングス100%子会社
総合プロデューサー・総料理長:石井義典
総支配人・料理長:大河原謙治
開業:2023年春 予定
Auberge TOKITO(オーベルジュ ときと)公式ウェブサイト
www.aubergetokito.com