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コロナ禍で事業縮小を余儀なくされた銀座のイタリアンがタワマンに居住者専用店舗を出店

BUSINESS2021.06.18

野村不動産の高級マンションブランドに属するタワーマンション〈プラウドタワー東雲キャナルコート〉に、居住者専用店舗として、本格イタリアンのランチとディナーを提供するレストランがオープンしました。

「 ALCANALE (アル・カナーレ)」

出店したのは、東京・銀座3丁目にイタリアンレストラン「ラ・ボッテガイア」を営む株式会社フェリーチェ(代表取締役 青池隆明)。東銀座界隈でこれまでに「トラットリア・ダ・フェリーチェ」、「ラ・ボッテガ・デルマーレ」と合わせて3店舗を展開してきましたが、2020年春以降のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大が経営に打撃を与え、2店舗を2020年7月31日以降に閉店、路面店は「ラ・ボッテガイア」のみと事業縮小を余儀なくされていました。

フェリーチェ 代表取締役 青池隆明氏(2店舗閉店を伝える同氏の「note」2020年8月1日付)

一方、江東区東雲に2012年に竣工し、現在は600世帯約2,000名が居住する集合住宅〈プラウドタワー東雲キャナルコート〉の管理組合(理事長 副島規正)では、いわゆるコロナ禍に伴うニューノーマル時代に即した、外食がままならない居住者の新しい生活様式に対応した飲食サービスを検討しており、新たな進出先を模索していたフェリーチェ側と方向性が一致し、提携に至ったとのこと。
なお、同マンションでは、これまでにも1Fのラウンジに隣接したカフェスペースがあり、リニュアールには管理組合が積極的に関わっています(『SUUMOジャーナル』2014年8月28日記事より)

プラウドタワー東雲キャナルコート

一般的に、タワーマンションでは、飲食を提供するサービスが限られており、提供する場合も、簡易的な飲食物のみといったサービスが多いとのこと。〈プラウドタワー東雲キャナルコート〉では昨今の状況として、居住者が外出せず、マンション内の共有スペースを利用して飲食する頻度が増えており、今回の出店はニーズに見合ったものと言えます。

当面は続くと思われるコロナ禍において、集合住宅の建物内で、居住者専用で提供される飲食サービスは今後、ニーズが高まっていくと予想され、事業縮小を余儀なくされている飲食店には新たな活路となります。
同時に、その「サービスの質」が問われることは間違いありません。高質なサービスを継続して提供することができれば、仮にいわゆる億ションであっても「玄関ドアを開けた瞬間から価値が下落する」が定説である不動産物件において、その不動産価値を維持し、場合によっては価値を上げることにもつながります。

居住者専用店舗という飲食の業態は、昨今のニーズに適応しつつ、現況では希少性の高い、画期的なサービス展開として注目されます。

フェリーチェ(FELICE)公式ウェブサイト
https://www.da-felice.com/

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