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甲子園球場がスタジアム照明をLED化、ダイナミックな空間演出などが可能に

BUSINESS2021.07.06

阪神甲子園球場(兵庫県西宮市甲子園町)のスタジアム照明が、2021年のシーズンオフにLED化されます。
阪神電気鉄道と、投光器などのLED照明器具計756台を納品するパナソニックが、2021年7月5日に発表しました。

今回のLED化は、阪急阪神ホールディングス株式会社が、2020年5月に公表した「阪急阪神ホールディングスグループ サステナビリティ宣言」において定めた6つの重要テーマのうち、「環境保全の推進」について、阪神甲子園球場が従来の取り組みに加えて行うもの[*]。既存の高輝度放電ランプによるHID照明(High Intensity Discharge Lamp)器具をLED照明器具に置き換えることで、スタジアム照明によるCO2排出量を約60%抑制できる見込みです。

阪神甲子園球場 スタジアム照明LED化

導入予定のLED投光器(イメージ)

LED照明設備の概要
・投光器などのスタジアム照明 計756台(白色548台・橙色208台) ※総台数の変更なし
・DMXによる照明演出制御の採用
・4K・8Kテレビ放送規格への対応
工事期間:2021年11月~2022年2月下旬(予定)

今回のLED化では、設置場所、照射対象エリア、使用時の外観を考慮して複数タイプの器具を使用し、阪神甲子園球場において伝統的に用いてきた「カクテル光線」を踏襲するのが特徴です。
照明鉄塔は、光色が異なるメタルハライドランプと高圧ナトリウムランプを組み合わせた伝統的な照明「カクテル光線」を特注LED照明器具で再現、甲子園球場のナイターにおける温かみのある情景を踏襲した照明設計を行います。

阪神甲子園球場 スタジアム照明LED化

演出例(左から):「縦縞模様」「THマーク」「格子模様」

他方、新たな試みとして、ステージ照明などで用いられる通信規格であるDMXによる制御が可能な調光システムを採用。従来のHID照明器具では実現できなかった照明のスムーズな調光、瞬時点滅や文字・図柄の描写など、光の演出が可能になったほか、スタジアム内のメインビジョン映像や音響と連動させたダイナミックな空間演出も可能に。さらには、高い演色性により、4K・8Kのテレビ放送規格にも対応しており、より幅のあるファンサービスを実現する計画です。

*「環境保全の推進」に関する阪神甲子園球場の取り組み
2007年~2009年に実施したリニューアル工事の際に「環境への配慮」を掲げ、銀傘(球場の大屋根)への太陽光発電の設置、雨水・井水の利用などに取り組んでいる。加えて、廃棄物発生の抑止及びリサイクルの推進のため、2012年からプラスチックカップのリサイクルに取り組むほか、2020年からは球場内で販売する容器・包材のプラスチック製品から紙をはじめとするバイオマス製品への変更にも着手している。

パナソニック プレスリリース(2021年7月5日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004302.000003442.html

阪神電気鉄道株式会社 プレスリリース(2021年7月5日)
https://www.hanshin.co.jp/company/press/detail/3229

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