世界最大の化粧品会社であるロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人、日本ロレアル(本社:東京都新宿区)と、東京ガス不動産(東京都港区)の2社間において、循環経済社会(サーキュラーエコノミー)の形成への貢献へ向け、日本ロレアルが廃棄予定の化粧品を建物建材にアップサイクルし、東京ガス不動産が開発する建物の中で活用促進していくことで合意したことが先ごろ発表されました(2023年5月24日)。
提携の第一弾として、日本ロレアルが廃棄予定の自社化粧品「パウダーファンデーション822個」を材料に、東京ガス不動産がタイル建材を製作し、同社が開発する〈(仮称)国分寺学生寮〉(東京都国分寺市、2023年11月竣工予定)および〈(仮称)武蔵野学生寮〉(東京都武蔵野市、2024年1月竣工予定)の建材の一部に採用するとのこと。
東京ガス不動産では、東京ガスグループが掲げる2023-2025年度中期経営計画「Compass Transformation 23-25」における具体的な取り組みとして、同社が保有する新宿パークタワーのビル共用部の使用電力を実質的に再生可能エネルギーに変換し、テナント専用部への導入検討を進めるなど、ビル単位での脱炭素社会の実現へ向けて取り組んでいます。
日本ロレアルでは、2022年10月に新宿パークタワー内に構える新宿本社オフィスを改装した際に、自社化粧品4,400個をアップサイクルした、ガラスやプラスチック容器を元としたテラゾー骨材などの建材やメイクアップ商品をもとにした塗料などを内装材として採用しています(下の画:会議室での採用例)。
ロレアルグループでは、グローバルプログラムとして掲げる「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」のもと、2030年までの事業拠点からの廃棄物の100%リサイクルまたは再利用を目標としており、日本においては、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進中。2022年には化粧品業界で初めて美容部員の制服のアップサイクルを開始し、同年末の時点で、2016年対比で50%の自社化粧品廃棄を達成しているとのこと。
日本ロレアルは、2006年に新宿パークタワーに本社を移転して以降、オフィス照明のLED化などを通じて東京ガス不動産との協働関係を築いてきたとのこと。同社の新宿本社オフィスが国際的なグリーンビルディング認証制度である「LEED GOLD®」認証を2023年3月に取得したことも、2社間のパートナーシップがもたらした成果の1つであるとしています(同社プレスリリースより)。