BUSINESS

ナインアワーズが睡眠事業をさらに拡充

睡眠障害・呼吸器疾患治療などを促すサービスの構築を目指し、レスメドとNTTデータとのパートナーシップをそれぞれ発表

BUSINESS2023.12.15

都内に6店舗、あわせて全国で12店舗のカプセルホテルを展開するナインアワーズ(9hours)は、同社が展開する睡眠事業において、株式会社NTTデータと、株式会社レスメド[*1. 以下:レスメドと略]とそれぞれパートナーシップを結んだことを今月発表しました(ナインアワーズ 2023年12月7日プレスリリース、12月13日プレスリリースにて)。
あわせて、東京・品川に2024年7月開業予定の13店舗目のナインアワーズの概要も発表されています。

〈9h Akasaka sleep lab〉

〈ナインアワーズ赤坂・スリープラボ〉外観(設計:平田晃久建築設計事務所、ホテルとしての開業は2018年、その後に改称)

ナインアワーズが睡眠解析事業を開始、赤坂の既存店を〈9h Akasaka sleep lab〉として再オープン、ヘルステックサービス展開を加速

ナインアワーズでは2021年12月より、カプセルホテル利用者の睡眠状態を解析して睡眠レポートの形式で利用者に配信するサービス「9h sleep fitscan」[*2]を開始、その後も各種睡眠事業のサービスを拡充しながら展開してきました。

ナインアワーズがヤマハ発動機と共同で開発した新型カプセル「9h sleep dock」(2022年9月発表プレスリリースより)は、〈ナインアワーズ大手町〉など一部の店舗で導入を開始している

2022年9月には、カプセルの入り口部分をロールカーテンから防音性能に優れたハッチ型とし、従前では難しかった静音空間を実現した新型カプセル「9h sleep dock」を発表。2023年9月には、東京医科歯科大学と「カプセルホテルにおける不整脈検出」の共同研究を開始したことを発表しています(2023年9月25日プレスリリース)。
直近では、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)の疑いのある利用者に個別に連絡し、病院での診断を促す取り組みも推進しているとのこと。

ナインアワーズが睡眠解析サービスを拡充、設置店舗増およびハッチ式の新型静音カプセルを運用開始

睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸を繰り返すことで健康への影響が及び、心臓病や高血圧、脳梗塞などの合併症を引き起こす可能性がある病症です。ナインアワーズによれば、日本国内において睡眠時無呼吸症候群の罹患者は900万人、そのうち実際に治療を受ける患者数は僅かに1割未満といいます。

ナインアワーズの睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」は、気軽に睡眠の状態が分かるサービスとして認知され、利用者の累計は8万人を超えます[*3]。このサービスと、睡眠障害や呼吸器疾患を持つ患者へのセルフケアソリューションを提供しているレスメドの医療ネットワークを掛け合わせることで、睡眠障害や呼吸器疾患の発見から治療までの流れを「見える化」し、治療を必要とする人が自身の症状を自覚し、実際に治療を開始して、健康な生活を送るまでのプロセスまで構築していく狙いです。

ナインアワーズ睡眠解析(イメージ)

「9h sleep fitscan」による睡眠解析レポート(イメージ)

レスメドは、睡眠時無呼吸症候群や慢性呼吸器疾患などの医療機器を製造・販売するグローバル企業の日本法人です。今後は2社共同で、睡眠障害や呼吸器疾患治療の仕組み構築に向けて取り組むとのこと。

NTTデータとの共同事業も、ナインアワーズの睡眠事業拡充の一環であり、ウェアラブル端末・スマートウオッチ〈Fitbit〉とGoogle Cloudサービスを活用した睡眠解析データに基づく健康増進サービスの実現に向けたPoC(Proof of Concept)を2023年8月より開始することが発表されています(NTTデータ 2023年7月23日プレスリリース)。

ナインアワーズブランドとして13店舗めのカプセルホテルの立地は、NTTデータの自社ビルで本社が入っているアレア品川ビル(東京都港区港南1丁目9番36号)の1階、70床の規模で2024年7月に開業予定です。

ナインアワーズ×NTTデータ 睡眠事業

品川の新店舗では、すべてのカプセルユニットの内部に睡眠解析サービス「9h sleep fitscan」が実装されるほか、NTTデータが展開する「Food&Wellnessプラットフォーム」や、利用者の同意のもと行われるウェアラブル端末・スマートウォッチ〈Fitbit〉を用いたバイタルデータの収集、さらにはGoogle Cloudを活用したビッグデータ解析との連携、NTT物性科学基礎研究所が開発中のウェラブル深部体温センサーといった最先端センサーテクノロジーなども駆使した各種サービスが計画されています。利用者ひとりひとりに合った睡眠改善プログラムを提案するプラットフォームになることを目指すとのこと。

ナインアワーズ人形町 カプセルフロア

2022年11月に藤森泰司アトリエが内装を担当して開業した〈ナインアワーズ人形町〉カプセルフロア

[*1] 株式会社レスメド:1981年創業、現在は米国・サンディエゴに本拠を構えるResMed Inc.の日本法人(2000年9月設立、代表取締役:黒川貴史)。医療機器会社の睡眠時無呼吸症候群や慢性呼吸器疾患を持つ人々が「呼吸のギフト」を得られるよう、CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)装置をはじめとした医療機器を製造・販売する企業。デジタルヘルス技術とクラウド接続型医療機器に強みを持ち 患者がどこでも健康を維持できるよう、製品の小型化と病院外ソフトウェア・プラットフォームの開発なども行う。「2025 年までに2億5千万人の人生をよりよいものに変える」という企業ミッションのもと、睡眠時無呼吸症候群、慢性閉塞性肺疾患、そのほかの主要な慢性呼吸器疾患などの治療支援に取り組んでいる。
https://www.resmed.jp/

[*2] 9h sleep fitscan(9hスリープ・フィットスキャン):360度体を包み込むカプセルユニットの形状により、宿泊利用者が睡眠時に器具を装着することなく、高機能なセンシングを可能にしている。睡眠データを赤外線カメラ・集音マイク・体動センサーで収集し、当社独自のソフトウェアで解析。サービスを希望した利用者には後日、心拍数やいびき、無呼吸になった回数・時間などのデータを睡眠レポートの形式で提供している。

[*3] ナインアワーズでは現在、カプセルホテルを中心に21棟約4,000室のホテルを運営中。総数の約1割にあたる359室に睡眠解析装置を設置し、宿泊利用者の同意を得たうえで睡眠データを収集、睡眠解析レポートをサービスとして配信している。約10万件の年間サービス利用者のビックデータを活用し、利用者の健康構築を目指す。

ナインアワーズ(9h)ウェブサイト
https://ninehours.co.jp/

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