「リノベる。」を展開するリノべる株式会社[*1]が、産業廃棄物の収集および中間処理を手掛ける株式会社ジーエムエス(GMS)[*2]と、建築資材ロス問題の解決に取り組むHUB&STOCK株式会社[*3]とともに、資源循環スキーム(後述)を構築、リノベーション工事で発生する産業廃棄物の3R(Reduce・リデュース、Reuse・リユース、Recycl・リサイクル)を推進する取り組みを開始すると発表しました(リノべる 2023年2月14日プレスリリース)。
建設現場において、建材は多め見積もって発注し、余剰分は未使用のものでも廃棄されているのが現状です。これらを含め、建設現場で発生した産業廃棄物は「混合廃棄物」となり、その排出量は年間228万tにのぼるとのこと(国土交通省「平成30年度建設副産物実態調査結果」より)。そのうちの1~2割程度が新品未使用と言われています(リノべる調べ)。つまり、毎年約40万tの規模で新品の未使用品が廃棄されていることになります。
このほど発表されたリノベる、GMS、HUB&STOCKの3社による取り組みは、この「建築資材ロス問題」に対応したものです。持続可能な循環型社会・サーキュラーエコノミーの実現に貢献することを掲げています。
2023年10月から12月の3カ月間に、リノベるが一部案件でトライアルを実施したところ、4割の現場で余剰建材が発生し、実施予定のスキームを利用することで、内装工事で発生する産業廃棄物の4.9%を再利用(リユース)することができたとのこと。
また、2023年1月より先行してスタートしている産業廃棄物(一部解体工事を含む内装工事の産業廃棄物)の再資源化(リサイクル)率は、1年間平均で約86.5%となり、これらをあわせると、9割を再資源化(リサイクル)、再利用(リユース)できる試算となったとのこと。
トライアル結果
2023年10月より、リノベる。のマンションリノベーション12案件にて、本スキームのトライアルを行った結果:
・余剰建材発生率:41.7%(5案件 / 12案件)
・産業廃棄物全体に占める再利用された余剰建材の割合:4.9%
・余剰建材量:2.5立米
・産業廃棄物量:51立米(内装工事 12戸分)
・余剰建材種類:フローリング、塩ビタイル、床見切材
上記・トライアルにより効果検証と運用体制が整備されたことから、リノべるでは、2024年より首都圏の「リノベる。」全施工現場で本スキームに基づいた取り組みを開始します。
本取り組みを通して、建設業界全体の課題である「建築資材ロス」を削減し、より環境に配慮したプロセスで各社の事業を展開、収益・価値に変えていく計画です。
[*1]リノべる株式会社:テクノロジーを活用したリノベーション・プラットフォームを構築し、中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」を全国で展開する国内No.1(2023年10月23日発行 リフォーム産業新聞1574号『マンションリフォーム売上ランキング2023』において、ワンストップサービスを手掛ける事業者として首位)のワンストップ・リノベーション事業者(東京都港区|代表取締役 山下智弘)
[*2]株式会社ジーエムエス(GMS):リサイクルを手掛けるリファインバースグループの子会社であり、産業廃棄物の収集および中間処理を手掛ける(東京都千代田区|代表取締役社長 増井 豪)
[*3]HUB&STOCK株式会社:建築資材ロスをなくし、資源循環の文化を創る」ことを掲げるスタートアップ(2021年4月設立)。建築資源循環事業を主な事業とする(東京都板橋区|代表取締役社長:豊田訓平)
リノべる プレスリリース
https://renoveru.co.jp/news/7625/