よりよい社会の実現を目指し、さまざまな活動を国の内外で行なっている公益財団法人日本財団の運営により、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大による、いわゆるコロナ禍における、政治・テクノロジー・空間設計・アート・メディアなどの社会変化を紐解く動画番組「STARTLINE」が12月1日にスタートします。
配信するプログラムは全15セッション(有料を含む)。多様な視点からこれからの社会を考え、議論の中から、人々が行動する上でのヒントを提示します。
出演するスピーカーは、各界のフロントランナー30人以上。ここでしか聞けない議論となるでしょう。配信はオンデマンド方式。いつでも、好きな時間に視聴することができます。
注目のセッションはこちら!
コロナ禍でテレワークが進み、日々の暮らしの中で「生活する」「働く」の境界が混ざり合うようになりました。私たちが慣れ親しんだ「家」や「オフィス」は、その機能と役割の再定義を迫られています。本セッションでは「箱の中に多くの人を集めて働かせる現代のスタイルは、かなり異常な形態だったのかもしれない」と語る隈研吾氏が、ハード面での空間設計の視点から、そして100人100通りの働き方宣言を提唱する、サイボウズ社長の青野慶久氏が、ソフト面での働き方の視点から、これからの空間や時間の使い方にについて対談します。
これまで私たちは、自分や家族の仕事に合わせて生活することで、色々なことをあきらめてきたのではないでしょうか。コロナ禍で働き方の自由度が増した中、多くの方が地方移住などライフデザインを見直し始めています。本セッションでは、「家族」「家庭」に着目し、「エア離婚」を選択されたエッセイストの小島慶子氏、『元女子高生、パパになる』になる著者の杉山文野氏らを迎え、「家族」とは何か、現状の制度の問題点、「あきらめない」ために大切なことなど対談します。
”ソーシャルディスタンス”が日常となった今、多くの産業・ビジネスが構造変化を余儀なくされています。中でも、エンターテイメント業界は「密」や「距離」の課題をどう乗り越えるか、エンターテイメントのあり方そのものについても見直すことが求められています。本セッションでは、”XR”が広げる音楽やアートの可能性をテーマに、VRを用いた写真展にも挑戦している蜷川実花氏、車内から楽しめるライブイベント(「Drive-in Rave」)を開催した音楽プロデューサーのVERBAL氏らが対談します。”XR”がもつ新しいエンターテイメントの可能性とは? ”XR”はリアリティの概念をアップデートするのか? バーチャルはリアルに勝るのか?といった論点について議論を交わします。
「STARTLINE」が目指すもの
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2020年は歴史的な転換点となりました。
コロナ以前から存在した社会課題を一気に顕在化させ、家やオフィス、都市や地域といった場の役割、時間の使い方、そして人々の関係性・つながりの取り方すら変化させつつあります。
新しい生活様式、ニューノーマル・・・いま新たな社会のカタチの模索が始まっています。「STARTLINE」は、期間限定のオンライン動画プログラム。
さまざまな分野のフロントランナーが、表層的な変化に囚われず変化の本質を探り、そこから見える今後の社会のあり方、これから取るべき行動を議論します。
先行して公開中の無料セッションでは、「あなたの知らないトイレの世界 ~世界を救うトイレ」と題したプログラムも。性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使用できる公共トイレを設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を、渋谷区と協働で進めている日本財団ならではのプログラムです(11月30日配信開始)。
▽有料セッション
1.「あきらめない」ライフデザイン ~これからの時代の「家族」とは、「家庭」とは
出演者:小島慶子、谷本有香、杉山文野
配信期間:12月1日~30日
2. “XR”が広げる音楽とアートの可能性 ~音楽とアートは死なない
出演者:蜷川実花、VERBAL、宇川直宏
配信期間:12月1日~30日
3. 果てなきPCR論争 ~PCR論争から医療と経済を両立させる政策を模索する
出演者:小林慶一郎、ヤッファ・ベンアリ
配信期間:12月1日~30日
4.「人が集まる意味」を問い直す ~時間と空間を再設計する
出演者:青野慶久、隈 研吾
配信期間:12月4日~2021年1月2日
5. 教育の未来地図 ~オンラインで広がる教育の選択肢、問われる学校の真価
出演者:税所篤快、園 利一郎、李炯植
配信期間:12月7日~2021年1月5日
6. 決断の裏側 ~前例のない危機を前に、リーダーはどう決断したか?
出演者:吉村洋文、川鍋一朗、米良はるか
配信期間:12月9日~2021年1月7日
7. メディアに疲れていませんか? ~ニュース・SNSとの新しい付き合い方
出演者:瀬尾 傑、堀 潤、伊藤詩織
配信期間:12月11日~2021年1月9日
8. 2030年のヘルスケア ~テクノロジーが刷新する医療・保健の未来
出演者:小川晋平、福島直央
配信期間:12月14日~2021年1月12日
9. それって「自己責任」? ~予測不可能な複雑社会を彷徨う自己責任論
出演者:荻上チキ、國分功一郎、上間陽子
配信期間:12月16日~2021年1月14日
10.「卒業」からの、卒業 ~いま、学び続ける生き方を考える
出演者:石川善樹、清水悠太郎
配信期間:12月18日~2021年1月16日
11. テクノロジーは働き方を変えられない ~「Zoomの上座はどこか」問題
出演者:外山健太郎、タージ・キャンベル、LiLiCo
配信期間:12月21日~2021年1月19日
▽無料セッション(全て特設サイトにて無料公開中)
12. 安宅和人が語るスタートラインとは ~STARTLINE Special Session
出演者:安宅和人
13. スタートアップ、社会を変える ~社会課題を解決するビジネスの始め方、支え方
出演者:鈴木雅剛、高塚清佳、松田崇弥、水野雄介、加藤有也
14. Social Change Makers Demo Day
15. あなたの知らないトイレの世界 ~世界を救うトイレ
出演者:Jack Sim、柏倉美保子
※11月30日より無料公開
「STARTLINE」特設サイトでは、登壇者の隈研吾氏や荻上チキ氏らへのインタビュー記事も掲載されています。(en)
配信動画:全15セッション(上記・有料11セッション、無料4セッション料金:1セッション300円
配信期間:2020年12月1日(火)〜2021年1月19日(火)
※各セッションによって配信期間は異なる
※無料セッションは期間の限定なく公開予定
有料セッション視聴方法:特設サイト経由、チケット販売サイトから要申し込み。入金確認後、視聴ページのURLを申込者にメールで案内(配信期間中であれば、いつでも視聴が可能)
無料セッション視聴方法:申し込み不要(配信は特設サイトにて)
特設サイト:https://nf-startline.jp/
【TECTURE MAG】関連記事
内覧会Report: 坂茂、片山正通らが公共トイレをデザインする「THE TOKYO TOILET」プロジェクト(2020年8月7日)
https://mag.tecture.jp/culture/20200807-the-tokyo-toilet/
内覧会Report: 渋谷区×日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト 坂倉竹之助デザインによる西原1丁目公園の公共トイレ〈ANDON〉(2020年9月6日)
https://mag.tecture.jp/culture/20200906-12891/
内覧会Report: 安藤忠雄デザインによる神宮通公園のトイレ〈あまやどり〉渋谷区×日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト(2020年9月8日)
https://mag.tecture.jp/culture/20200908-13142/
Quick report & Movie: Jingu-Dori Park Toilet by Tadao Ando
安藤忠雄が語る「世界に誇れる安全で清潔な”あまやどり”トイレ」(2020年9月16日)※動画あり
https://mag.tecture.jp/feature/20200916-jingu-dori-park-toilet-movie/