外食・宅食事業や宿泊業を営むワタミによる、農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」が岩手県陸前高田市に4月29日にオープンします(後述・モデルエリアが先行してオープン)。
立地は、2011年に発生した東日本大震災に伴う津波により、甚大な被害に見舞われた市の中心市街地。陸前高田市が基盤を整備し、ワタミが農業に適した大地に育て、命の大切さを学ぶテーマパークに育てていく事業として、すでにプロジェクトの概要が発表されています(ワタミ 2019年10月7日プレスリリース)。
なお、当初の計画では、開業は2021年3月11日を目指していましたが、変更となっています。
「ワタミオーガニックランド」の施設全体の計画面積は約23ヘクタール(東京ドーム5個分)。日本最大級の農業テーマパークとなります。今後はワタミと陸前高田市が連携して事業を推進し、段階的に施設と設備を拡充していく予定です。
ワタミグループが有機農業で培ってきたノウハウを活用するとともに、農業テーマパーク事業という、ワタミとしては新規の事業となります。
施設内は、今月下旬に先行してオープンするモデルエリア、来春以降にオープン予定のハウスエリア、音楽エリア、圃場エリアの4つに区分されています。各エリアに、農場、牧場、養鶏、工房、ショップ、レストラン、エネルギー(発電)施設、宿泊施設、野外音楽堂などが建設される予定です。
このうち、野外音楽堂の設計を、隈研吾建築都市設計事務所が手がけます。
「ワタミオーガニックランド」公式ウェブサイトで公開中の動画「【SDGs+AICHI+EXPO2020】ワタミオーガニックランド」によれば、地元の大工集団・気仙大工の工法を用いて建設される予定とのこと。
住宅地を農地に変えるという困難なプロジェクトにおいて、ワタミは東京農業大学と協力し、包括連携協定を締結(2021年3月12日ワタミ発表 / 3月13日東京農業大学発表プレスリリース)。農業および関連産業の活性化に向けた事項や、人材育成において、共同でプロジェクトを推進していく予定とのこと。
今後、各施設が整備される「ワタミオーガニックランド」は、畑作や畜産を来場者が体験できる体験型の農業テーマパークに。農作物の生産に始まり、加工品をつくり、販売までを手掛けることで、ワタミグループが推進する6次産業モデルの拠点として、農産加工品を世界に発信。これらのさまざまな取り組みなどを通じて、陸前高田市への国内外からの注目を高め、被災した市の活性化にもつなげていきます。
なお、陸前高田市の同地では、農業テーマパークのほかにも、発酵パーク「CAMOCY(カモシー)も昨年開業、サッカー場を含む高田松原運動公園なども整備されています。(en)
「ワタミオーガニックランド」施設概要
所在地:岩手県陸前高田市気仙町字土手影309(Google Map)
事業内容:農業テーマパーク事業(農業・畜産、食材加工、レストラン・物販、エネルギー)
敷地面積:約23ヘクタール
年間来場者(計画当初見込み):約35万人
企画・運営会社:ワタミオーガニックランド株式会社(ワタミ100%子会社)
開業日:2021年4月29日(木・祝)
「ワタミオーガニックランド」公式ウェブサイト
https://watami-organic.jp/blog/watami_organicland