CULTURE

ニューノーマル時代の茶屋スタイルを提示する〈mirume 深緑茶房〉が名古屋にオープン

CULTURE2021.05.11

通勤途中にコーヒースタンドに立ち寄り、コーヒーを買うような気軽さで本格的な伊勢茶を味わえる、カフェ併設の日本茶スタンドが、名古屋市西区にオープンしました。

「cha-novation(日本茶+イノベーション)」をコンセプトに誕生した〈mirume 深緑茶房〉は、路面の店舗外カウンターと、店内でゆっくり伊勢茶を楽しめるカフェスペースおよび販売スペースからなります。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉内観

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉内観

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉内観

この店の大きな特徴は、水曜を除く平日の朝の時間帯限定で、茶葉を入れた水出し緑茶のボトルを店舗外カウンターで販売することです。
通勤途中にコーヒースタンドでコーヒーを買い求めるような気軽さで、本格的な日本茶を味わってほしいという、〈mirume 深緑茶房〉のコンセプトを具現化した看板商品です。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「朝ボトル」販売イメージ

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「朝ボトル」(ガラスのコップはイメージ)

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

注ぎや継ぎ足しにも便利な漏斗(ろうと)状の二重キャップ

「朝ボトル」は、1煎目を楽しんだあと、最大2回まで水の継ぎ足しが可能。毎日の水分補給として飲むことを考え、水出しにすることでカフェインの少ないお茶を採用しています。

商品名:朝ボトル
価格:300円(税込)
販売時間:定休日の水曜を除く平日 朝8:00-10:00
販売:mirume実店舗でのみ

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

水を継ぎ足ししやすいようにデザインされた「朝ボトル」の容器

空いたボトルは、店舗外カウンターでの回収を受け付けており、さらにこのボトルは再利用できるため、ゴミを極力、発生させないシステムになっています。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉外観

また、店舗外カウンターの道路側の面は、ドリンクのボトルがすっぽりと入り、すぐに取り出せるように孔にも角度をつけてデザイン。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)予防対策として、対面接客の際に危惧されている密閉・密集・密接をできるだけ回避しながら、スムーズに販売を行います。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

オープンテラス席

販売カウンターの並びには、オープンのスタンド席も設えられています。ニューノーマル時代に適した店舗設計を心がけたとのこと。

〈mirume 深緑茶房〉の店舗設計とプロデュースを手掛けたのは、デザインの力で「日本の中小企業を脱・下請け化させる」ことをテーマに掲げるプロフェッショナル集団・kenma(東京都新宿区、代表:今井裕平)。これまでに数々のデザイン監修や設計、ブランディングなどを手掛け、昨春、【TECTURE MAG】で取り上げたノートシステム「SlideNote」も、同社が製造・販売元の研恒社と共同で立ち上げたブランドからデビューしたものです。

kenma 公式ウェブサイト
https://www.kenma.co/

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉サイン

〈mirume 深緑茶房〉に茶葉を提供しているのは、伊勢・三重県松阪市の茶農家、深緑茶房(しんりょくさぼう)。同地の3戸の茶農家が、伊勢茶の産業と地域の自然を守ることを目的に設立した農業生産法人です。これまでに農林水産大臣賞や天皇杯も受賞しています。

こちらの伊勢茶農家の出身で、深緑茶房がかつて名古屋市内で営んでいた名古屋カフェの店長だった松本壮真氏(T-BOX 代表)が、〈mirume 深緑茶房〉の店主を務めます。
松本氏は「日本茶離れを食い止めたい。特に、自分と同世代の若者にペットボトル飲料だけではない日本茶の味わい、日本文化の良さについても知って欲しい」という想いから、今回の出店を決意。kenmaと共同して〈mirume 深緑茶房〉として具現化しました。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「mirume(みるめ)」ロゴ

店名の「mirume(みるめ)」とは、お茶業界の用語で、「若い芽」「新しい芽」を意味する言葉として、全国の茶農家ではよく使われているとのこと。この店から、日本茶文化の新しい歴史を育んでいきたいとの想いから店名に掲げられました。

店舗の立地は、コロナ禍以前は多くの外国人や人々で賑わっていた商店街の一角。一人でも多くの人に日本茶を楽しく味わってもらい、ホッと一息つくことで、もう一度明るい気持ちになってもらいたいと、この地から「mirume」はスタートします。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

店舗外カウンターでの接客イメージ

店舗の営業時間は2部制となっており、第1部は前述の「朝ボトル」を販売する8:00から10:00まで。11:00から22:00まではカフェ&ストアとして営業します。

店内では、ゆったりと伊勢茶を味わえるメニューも提供。加工が異なる2種類の茶葉を味わうコースと、若い芽を摘んだ早摘み茶を味わえるあわせて2コースを、「急須で楽しむ伊勢茶」として用意。日本茶インストラクターが、それぞれの茶葉のストーリーとともに、お茶の美味しい入れ方を伝授してくれます。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「急須で楽しむ伊勢茶」提供イメージ

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「急須で楽しむ伊勢茶」イメージ

店内のイートインでは、大福、饅頭、伊勢茶を使った羊羹やチーズケーキのスイーツも日替わりで揃え、お茶とのペアリングも楽しめます。伊勢茶とあわせて、この店ならではのひとときを提供します。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

伊勢茶羊羹

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

伊勢茶チーズケーキ

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

大福

また、店内では、オリジナルのスイーツメニューや、伊勢茶の茶葉(リーフ&ティーバッグ)のテイクアウトも可能。贈答向けのギフトボックスもあり、「mirume」のWebショップでも取り扱います。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

テイクアウトメニューの「リーフ&ティーバッグ」

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

ギフトボックス

また、日本茶の伝統的な淹れ方である「しずく茶」をよりカジュアルに、若い世代も楽しめるようにリ・デザイン。
「しずく茶」とは、急須ではなく皿に茶葉を広げ、少量の水で成分を抽出することで、上質な茶葉の凝縮された旨味(うまみ)をじっくりと五感で味わうことができます。ゴクゴクと音を立てて喉を潤すのではなく、新たな日本茶の楽しみ方「日本茶エスプレッソ」として、mirumeの実店舗とWebショップで販売します。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「日本茶エスプレッソ」イメージ

これらのメニューや、看板商品である伊勢茶の「朝ボトル」をはじめ、”日本茶の新しい定番をつくる”をコンセプトに、〈mirume 深緑茶房〉では今後も、時代にあわせてメニューやサービスをアップデートしていく予定とのことです。

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

〈mirume 深緑茶房〉外観

名古屋市 mirume 深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)

「朝ボトル」(ガラスのコップはイメージ)

〈mirume 深緑茶房〉

所在地:愛知県名古屋市西区那古野1丁目36-57(Google Map
TEL:052-551-3366
営業時間:8:00-10:00(朝ボトルの提供のみ)/ 11:00-22:00(カフェ&ストア営業)
定休日:水曜
席数:25席
開業日:2021年5月10日(月)
運営:T-BOX
公式Webサイトhttps://www.shinryokusabo.co.jp/

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