CULTURE

シンガポールの高層住宅プロジェクト〈パーク・ノヴァ〉

PLPアーキテクチャーが設計、テーマはバイオフィリア(生命愛)とウェルネス

CULTURE2021.07.05

ロンドンを拠点に活動する建築家、デザイナー、リサーチャーのグループ・PLPアーキテクチャー(PLP Architecture / 代表:リー・ポリサノ[Lee Polisano])が、アジア初の住宅プロジェクトとなる高級タワーマンション〈パーク・ノヴァ(Park Nova)〉のデザインを先ごろ発表しました。

PLPアーキテクチャー〈パーク・ノヴァ(Park Nova)〉

バイオフィリックデザインを取り入れた外観 ©︎ PLP Architecture

プロジェクトのサイトは、シンガポールのメインストリートとして知られるオーチャード(Orchard / 果樹園の意)に隣接する1等地。英国植民地時代にプランテーションや果樹園が広がっていた時代の名残をその名に留めています[*1]。都市計画の一環に緑化計画が盛り込まれている、「ガーデン・シティ」として名高いエリアです。
*1.シンガポール政府観光局公式サイト
https://www.visitsingapore.com/ja_jp/see-do-singapore/places-to-see/orchard/

〈パーク・ノヴァ〉では、「バイオフィリア(生命愛)」や「ウェルネス」をキー・コンセプトに、周辺環境と調和する持続可能なライフスタイルの実現を目指します。
その最大の特徴は、21階建て・最大54世帯収容の高層タワー全体を覆う、巨大な立体緑園です。オーチャードという街の歴史コンテクストや、緑豊かな立地に寄り添いつつ、騒音や大気汚染から建物を守る巨大な”緑のカーテン”となります。

PLPアーキテクチャー〈パーク・ノヴァ(Park Nova)〉

©︎ PLP Architecture

各住居は2〜5室からなり、床から天井まで続く開放的な掃き出し窓により、室内外がシームレスにつながっています。太陽の光を室内に取り込みながら、緑化によって内部のプライバシーを確保しています。

自然と調和する〈パーク・ノヴァ〉の住まいには、居住者のナチュラルかつアクティブなライフスタイルを支えるアメニティ空間も充実。ウェルビーイングを意識した、瞑想スペースやジム、スカイテラスなどを備えています。環境に配慮したビル設計は、シンガポールの建築物環境性能評価システム「Green Mark」で、ゴールド認証を取得する予定です。

Park Nova from PLP Architecture on Vimeo.


また、PLPアーキテクチャーでは今春、拠点を構えるロンドンでも、オフィスビルのプロジェクトを完成させています。

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉外観  ©︎ PLP Architecture

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉と名付けられたビルのサイトは、セントラル・ロンドン。多様な文化が入り混じるこの土地の寛容性を活かし、外観は遊び心のあるカラフルなデザインに。ガラスと素焼きタイルを使用したファサードは、時間帯や見る角度で色が変化します。

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉外観  ©︎ PLP Architecture

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉ファサード  ©︎ PLP Architecture

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

©︎ PLP Architecture

〈Kaleidoscope〉の設計においても、周辺環境との調和や、ワーカーのウェルビーイングに貢献する空間であることが重要視されました。アムステルダムの〈ザ・エッジ(TheEdge)〉や、イギリスの〈スカイ・セントラル(Sky Central)〉など、世界有数のオフィスビルをデザインしてきた知見が生かされているとのこと。

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉ファサード  ©︎ PLP Architecture

ビルの北側には、ロンドンの観光名所の1つ「チャーターハウス」があり、東側はファリンドン駅と隣接しています。西側は、ロンドンで最も古い市場と言われるスミスフィールド・マーケット[*2]の敷地で、6階建のビルの屋上に設けられたワーカー用のルーフデッキからは、ロンドンの指定建造物でもある食肉市場の建物の広大な屋根を見下ろせます。
*2.Smithfield Market 公式サイト http://www.smithfieldmarket.com/

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

西側 スミスフィールド・マーケット方向の眺め  ©︎ PLP Architecture

PLPアーキテクチャーが今年3月に発信したプレスリリースによれば、〈Kaleidoscope〉の主なテナントとして、動画共有サービスTikTokを運営するByteDance(バイトダンス)社のグローバル拠点(イギリス本社)が入居するとのこと。一世を風靡する中国のソーシャルメディアカンパニーの新たなステージを切り開くグローバルオフィスとして、世界最高水準のスマートビルとしても設計されています。

PLPアーキテクチャー〈Kaleidoscope(万華鏡)〉2021

〈Kaleidoscope(万華鏡)〉内観  ©︎ PLP Architecture

〈Kaleidoscope〉では、建物のインターネット接続環境を格付ける「Wiredscore」の最高水準である「プラチナム」スコアを獲得。高品質なデジタル・インフラに加え、建物の持続可能性を評価する英国発祥の国際認証・BREEAM(BRE Environmental Assessment Method)では、上位10%以内とされる「Excellent」ステータスを獲得しています。

プレスリリース発信元:PLPアーキテクチャー・ジャパン(PLP Architecture Japan)
2017年設立。英国登録建築家でもある中島雷太が代表を勤め、国内プロジェクトの設計、コンセルティングのほか、各種講演も行う。社会・経済・環境に対する確固たるコミットメントを活動理念に掲げ、新時代におけるビルト・エンバイラメント(人工的環境)の在り方を模索し、建築を通して社会へ貢献することを目指す。

PLP Architecture Japan 公式Facebook
https://www.facebook.com/PLPArchitectureJapan/

PLP Architecture Webサイト
http://www.plparchitecture.com/

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