CULTURE

「TOKYO CROSS PARK構想」発表

PLPアーキテクチャーが東京・内幸町1丁目における都内最大級の開発プロジェクトのマスターデザインを担当

CULTURE2022.03.25

東京都千代田区内幸町1丁目における大規模プロジェクトの概要とテーマが三井不動産より発表されました。

計画地「内幸町一丁目街区」は、16.2ha・16万m²の日比谷と西側で隣接し、建築家の田根 剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects代表)が新本館のデザインアーキテクトに決定している帝国ホテルなどを含む、東京でも有数の一等地です。
都心最大級・延床面積約110万m²の開発プロジェクトは、北地区、中地区、南地区の3つで構成され、オフィスや商業施設、ホテル、住宅機能などが建設されます。
全てが完成するのは、2037年度となる見込みです。

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

街区と日比谷公園をつなぐ道路上空公園(イメージ)

PLPアーキテクチャーがマスターデザインを担当

プロジェクトのマスターデザイン・空間づくり(プレイスメイキングストラテジー)を、ロンドンを拠点都する、PLPアーキテクチャー(PLP Architecture)が担当するのも注目です(基本計画は日建設計が担当)。
PLPアーキテクチャーは、世界中から多様な建築家、学術研究者が集まり、自然環境を生かした、人々のインタラクティブな空間デザインや、これからの未来をつくるサステナブルなデザインを提案している設計事務所です。

「PLPアーキテクチャー」

建築設計&研究者集団・PLPアーキテクチャー

当街区の特性である6.5haもの広大な敷地、帝国ホテル新本館と3棟の超高層タワーが織りなすスケール感、日比谷公園に隣接する立地を最大限に活かす計画で、日比谷公園の緑と水、アクティビティの可能性を広げる多様なパブリックスペースが計画された、街としての個性と調和が共存したデザインが予定されています。

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

日比谷公園から街区を臨む(イメージ)

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

銀座側から2haの大規模広場を臨む(イメージ)

デザイナー・設計者等体制
※北地区:基本計画、中地区:基本設計、南地区:基本設計
内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

内幸町一丁目街区 完成イメージ

北地区・中地区・南地区の3つの地区で構成される「内幸町一丁目街区」は、地区間が連携し、一体的な街づくりを推進していきます。

北地区には、田根 剛氏が手がけることで話題の帝国ホテル新本館をはじめ、オフィスや商業施設、サービスアパートメント、賃貸住宅などを備えたノースタワーが建設されます。
中地区には、オフィスやホテル、ホール、宴会場、産業支援施設などを備えたセントラルタワーが、南地区には、オフィスやホテル、ウェルネス促進施設などからなるサウスタワーがそれぞれ整備されます。
日比谷公園とつながる道路上空公園や、周辺の駅や都心主要拠点につながる地下・地上結節空間などが整備されます。駅・まち・公園一体の歩行者ネットワークを形成します。

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

31m基壇部上広場(イメージ)

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

街区用途概念図

なお、開発を推進する事業者(関係権利者、親会社を含む)10社は、当街区の事業構想となる、実現する3つのCROSSで構成される「TOKYO CROSS PARK構想」と、同構想に基づく5つのテーマを設定し、3月25日に発表しています(プレスリリース)。

「TOKYO CROSS PARK構想」概要

CROSS 1:日比谷公園と街をつなぐ
隣接する日比谷公園と当街区を道路上空公園でつなぎ、日比谷・内幸町エリアの回遊性を高めます。周囲に開かれ、公園と一体となった緑と水の豊かな空間に人々が集まり、安心・安全に心地よい時間を楽しむことができる、ウォーカブルな街づくりを実現します。

CROSS 2:都心主要拠点から多様な人が集まり、交わる結節点
大手町・丸の内・有楽町・銀座・霞が関・新橋といったさまざまな特性をもつ都心主要拠点の結節点に位置する当街区の立地を活かし、働く、遊ぶ、憩う、滞在するなど、あらゆる目的を持つ人々が交流し、唯一無二の体験ができる街づくりを実現します。

CROSS 3:事業者10社の共創
当地に根差した事業者10社が共創し、街づくり、デジタル、おもてなし、well-being(ウェルビーイング)、カーボンニュートラル・防災など、それぞれの分野の強みをかけあわせて、新たな価値創造や社会課題解決を推進する、次世代スマートシティを実現します。

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

街区全体イメージ

「TOKYO CROSS PARK構想」で掲げる5つのテーマ

テーマ1:人が主役の街づくり
都心主要拠点の結節点、エンターテインメントの聖地、豊かな緑と水に恵まれた環境という立地特性を活かし、「人が主役の街づくり」を進めます。日比谷公園と街をつなぐ「2つのデッキ状の道路上空公園」、「31mの高さにある基壇部上広場」、「2haの大規模広場」といった、人々が出会い・ふれあい・新たなコミュニティを育む「パブリックスペース」を整備します。
訪れる人のニーズの変化に対応して街が進化するためのエリアマネジメント、コミュニティ形成、街のブランディングにより、年を重ねるごとに魅力を高める「経年優化」の比類なき街づくりを実現します。

テーマ2:街づくり×デジタル
分野横断型の「第三世代」スマートシティ実現に向けて、DTC(デジタル ツイン コンピューティング)を活用した高度な都市OS(情報基盤)などの実装に取り組みます。
「1人ひとりに、ナチュラルに、常に進化するヒト中心の世界」を実現し、来街者、ワーカーなどのすべての人々や社会に価値を提供するとともに、その価値を連鎖させることを目指します。
また、産業支援施設や新たに創出する大規模パブリックスペースを中心とした実証実装フィールド等により、事業者と多様な人々とが、新たなビジネス・サービスを共創する環境を整備します。

テーマ3:おもてなしが広がり、人が集う街へ
帝国ホテル新本館開業に加え、中地区にはNTTグループと帝国ホテルによるスモールラグジュアリーホテルが、南地区にはwell-being(ウェルビーイング)をテーマにしたホテルが開業します。北地区には帝国ホテル宴会場、中地区には三井不動産と帝国ホテルによる宴会場やNTTグループのホール、そして2haの大規模広場など、さまざまな集いの場を提供するほか、賃貸住宅・サービスアパートメント等、日比谷・内幸町エリアに「住まう」価値を提案します。
共創により生まれた機能が、訪れ、住まうすべての人々が楽しめる文化交流拠点を生み出し、日本が誇る新たな「おもてなし」を創造します。

テーマ4:すべての人々のwell-being(ウェルビーイング)
皇居・日比谷公園の「緑」と当街区の「緑」が豊かに続き、身近に「自然」を感じ、五感を通じて触れ合える街区特性を活かし、街区内外のさまざまな公園・広場・空間を、人と人とがつながる活動フィールドとして、1人ひとりのwell-being(=幸せ)を実現する街をめざします。
ウェルネス促進施設、当街区内のパブリックスペースは人と人とのつながりを生み出す場として整備するとともに、オフィスワーカーや来街者に対して、身体的(からだ)、精神的(こころ)、社会的(つながり)に健やかになるよう、様々なデータを解析しながら最適な情報やサービス、体験価値を提供していきます。

テーマ5:持続可能な街・社会へ
国が掲げる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた都市部におけるフラッグシップとなるべく、当街区一体となった電化や省エネルギー等の取り組みや、再生可能エネルギー等の最適な組み合わせ・調達により、竣工当初から電気・熱エネルギーのCO2排出量実質ゼロの実現に向けて取り組んでいきます。
また、「カーボンマイナス」[*]を当街区共通のGOALに掲げ、先進的な取り組みを採り入れていきます。さらに、災害に強いエネルギーシステムを構築し、帰宅困難者の一時滞在施設を整備するなど、高度防災機能を兼ね備えます。

*.「カーボンマイナス」とは、CO2排出量実質ゼロに加え、CO2を吸収する技術等の導入により、当街区にて排出される電気・熱エネルギーのCO2排出量を実質マイナスとするもの

内幸町1丁目再開発「TOKYO CROSS PARK」

本稿は、三井不動産が2022年3月24日に発表したプレスリリースに基づく(今後の詳細検討、行政協議などにより変更となる可能性あり)
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0324/

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