
建築家の押野見邦英氏(k/o design studio主宰)の編著、写真家の中道 淳氏(ナカサアンドパートナーズ取締役)の撮影による、書籍『サーフェスデザイン&テクノロジーの現在』が8月31日に彰国社から出版されます。
コンピューターの発展によって、デジタル情報をエンジニアリングや生産・施工まで共有し、モノづくりは新たな局面へ大きく展開している。新たなエンジニアリングを駆使した18の事例を、詳細図を中心に紹介するとともに、設計者をバックアップしている技術者へのインタビュー、これからのデジタル技術が建築にもたらすものを座談形式で収録する。(版元・彰国社ウェブサイトより)
『Contemporary Surface Design & Technology / サーフェスデザイン&テクノロジーの現在』中面 / 洗足学園音楽大学 Silver Mountain(k/o design studio+Kajima Design)
掲載作品は、押野見氏が設計したことで知られる、洗足学園音楽大学〈Silver Mountain & Red Cliff〉のうち、自由曲面のフォルムが美しい〈シルバーマウンテン〉を含む18事例。
施工図を基にした図面は、写真同様のトーンとなるよう黒地に対する白線の構成とし、建築図面が本来持っている美しさの表現を追求したとのこと。
本全体はモノトーンでありながら、印刷ではインク4色(部分的にシルバーあり、計5色)を用い、写真集に引けをとらない再現性と、印刷物ならではの質感も追求し、オブジェクトとしての存在感ももたせた1冊に仕上げられています。
『Contemporary Surface Design & Technology / サーフェスデザイン&テクノロジーの現在』中面 図面 / 洗足学園音楽大学 Silver Mountain(k/o design studio+Kajima Design)
なお、本書は、ディテール9月号別冊として刊行されます。(en)
内田祥哉先生の著作『ディテールで語る建築』(彰国社,2018年)の中の「ポツ窓から柱間装置への60年」で「ヨーロッパの建築は外観、つまり姿の設計が主流だと言えます」と指摘されているように、日本の建築は長いこと外観といえば、柱間のデザインがエンジニアリングの要素とともに語られることが多く、近年になってようやく姿という建築全体の把握が問題とされるようになったものと思われる。大袈裟に言えば、建築のサーフェスデザインやテクノロジーという新たな概念の登場である。本特集では、そうした日本では認知度が低いサーフェスデザインやテクノロジーの言わば黎明期を今日まで支えてきた旭ビルウォール(以下,AGB)が、建築家とともに手掛けてきた最近の作品例を、その表現はもとより、建設インダストリー側の用語であるDfMA(Design for Manufacturing and Assembly)の観点からも解読してみたいと思う。(本編より)
『Contemporary Surface Design & Technology / サーフェスデザイン&テクノロジーの現在』表紙まわり(表4+背+表2)
判型:A4変
総頁数:188ページ
ASIN:B09CRKKPVK
編著:押野見邦英
撮影:中道 淳
アートディレクション・デザイン:塩谷嘉章(SHIOYA Tokyo))
編集協力:AGB
版元:彰国社
定価:3,740円(本体3,400円+税10%)
発売日:2021年8月31日
彰国社ウェブサイト
https://www.shokokusha.co.jp/