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オッペンハイム・アーキテクチャーがマウンテンリゾート〈Desert Rock〉を設計、サウジアラビアのレッド・シー・プロジェクトの第1フェーズとして2023年完成予定

CULTURE2021.10.07

中東・サウジアラビアの西海岸に沿いの広大なエリアで進行中の大型プロジェクト「レッド・シー・プロジェクト(The Red Sea Project)」の1つ、マウンテンリゾート〈Desert Rock〉のイメージデザインとムービーが先ごろ公開されました。2023年の完成を目指しています。

「レッド・シー・プロジェクト」は、リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)をテーマに掲げ、28,000km²の土地と水域に、高級リゾートホテルや住宅、レジャー・商業、エンターテインメント施設を建設する、サウジの大規模プロジェクトです。
『TECTURE MAG』では今年2月にフォスター+パートナーズが設計を担当する〈コーラル・ブルーム(Coral Bloom)〉を取り上げました(本稿フッターに関連リンクあり)

開発を推進するザ・レッド・シー・デベロプメント・カンパニー(The Red Sea Development Company: TRSDC)の発表によれば、〈Desert Rock〉の建設予定地は、施設名称が示す通り、サウジアラビアの砂漠の中の岩山です。客室のいくつかは、山の斜面の岩肌に組み込まれます。

The Red Sea Project〈Desert Rock〉イメージ

マウンテンリゾート〈Desert Rock〉への入口は、山の間にある隠れた谷間を通った先にあります。リゾートへと続くほとんどの道路は、ワジ(アラビア語で川,河谷,河床の意)の端に沿い、リゾートに到着する前のあいだ、途切れることのない壮大な砂漠の景色を五感で楽しむことができます。

The Red Sea Project〈Desert Rock〉イメージ

周囲の美しい山々、火山、ワジからインスピレーションを得てデザインされた〈Desert Rock〉では、48のヴィラと、12のホテルスイートを用意。地上部分に建てられる客室から、岩山の中腹に組み込まれた客室まで、ゲストのニーズにあわせてさまざまスタイルの空間が設えられます。
さらに施設内には、ワールドクラスのスパやフィットネスセンター、ダイニングエリア、ラグーン・オアシスの最新設備のほか、ハイキングや、バギーカーを運転できるエリアも整備されるとのこと。音や光の影響も最小限に抑えられ、昼夜にわたり、広大で美しい砂漠風景と星空を存分に楽しむことができます。

The Red Sea Project〈Desert Rock〉イメージ

眼下には砂漠の渓谷が、夜には頭上にサウジの星空という絶景が広がる〈Desert Rock〉のデザインは、サウジアラビアの壮大な自然の美しさと、同地に古くから住むナバテア人の伝統と文化を称えるものです。
ナバテア人とは、アラビア北部やレバント南部に住んでいた古代アラブ人を指します。約2,000年前にはサウジアラビア北西部に住んでおり、ヨルダン領内の巨大岩窟墓・ペトラ遺跡や、〈Desert Rock〉から車で数時間の距離にある古代都市マダイン・サーレハも、ナバテア人の栄華を伝える遺構として知られています。

サイトの地形と独特な岩のかたちは、数千年前の一連の地殻変動によって生み出されたもので、マウンテンリゾート建築の1つとして活かされます。また、建築材には可能な限り、敷地内でリサイクルされたものを採用。周囲の景観にあわせたインテグラル・カラーを選び、この地に新たにつくられる建築を、自然環境に溶け込ませることを目指します。

The Red Sea Project〈Desert Rock〉イメージ

〈Desert Rock〉のコンセプトの企画、建物の設計を担当するのは、スイスと米国に拠点を構える設計事務所、オッペンハイム・アーキテクチャー(Oppenheim Architecture)の創設者である、建築家のチャド・オッペンハイム(Chad Oppenheim)氏です。事務所の公式サイトURLでも、リゾートのビジュアルが公開されています。

TRSDCの概要発表にあたり、氏は次のようにコメントしています。

チャド・オッペンハイム氏コメント
「Desert Rockは、ゲストが心と体の両方で、世界で最も広大で美しい砂漠風景との一体感を味わうことができる 『今までにない』 機会を提供します。このリゾートを設計する際に重視したのは、ただ土地の上に建築するのではなく、土地を活かして建築すること、そして、この土地にすでに存在する素晴らしい自然の要素を意識し、その自然の美しさをさらに豊かにすることでした。」

レッド・シー・プロジェクトを推進するTRSDCでは、〈Desert Rock〉を含めた施設を支える公共インフラに、再生可能エネルギーの利用や水の保全、およびアップサイクルを重視しており、埋立て廃棄物ゼロを目指す循環型廃棄物管理システムなども整備されています。
この基本方針に則り、設計される〈Desert Rock〉は、エネルギー消費の削減、生態系の向上、原生植物の再生などが考慮された革新的な建築モデルとして計画されています。自然と持続可能性(サステナブル)が一体となった、他に類のない贅沢な滞在体験をゲストに提供するとのこと。
レッド・シー・プロジェクトによるデスティネーションの第1フェーズ、その一部として、高級リゾート〈Desert Rock〉は2023年に竣工予定です。


#The Red Sea Development Company YouTube公式チャンネル「Desert Rock Designs」(2021/09/27)

ジョン・パガーノ氏(TRSDC CEO)コメント:
「Desert Rockプロジェクト開始当初から、豪華さと持続可能性を兼ね備えた開発を進め、ゲストに感動していただける体験を創り出すことをすべての中心に据えています。ゲストをお迎えし、このユニークな施設での滞在を楽しんでいただく日が待ち遠しいです」

The Red Sea Project 広域マップ

The Red Sea Project インフラ&施設マップ
①がプロジェクトの中心でメインのハブ島・シュライラ島、フォスターが設計する大型施設〈コーラル・ブルーム(Coral Bloom)〉のサイト

リゾートで使用される植物は、100ヘクタールの面積を誇る〈Landscape Nursery〉にて栽培されます。施設はすでに8,000人以上が働いてフル稼働しており、1,500万本もの植物をエリア内に届けます。
交通インフラとなる全長80kmの新道路も完成。 1万人の労働者が入居する〈Construction Village〉もオープンし、スムーズに開発が進んでいるとのこと。最終的にこのリゾートで働く約14,000人が〈Construction Village〉に居住する予定です。(en)

TRSDC 公式Webサイト
http://www.theredsea.sa

レッド・シー・プロジェクト(The Red Sea Project)

CULTURE2021.02.23
サウジアラビアの大型リゾートプロジェクトのメイン島「コーラル・ブルーム」をフォスター+パートナーズが設計
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