東京・原宿の神宮前交差点に面した角地で進められてきた再開発プロジェクト(神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業)で建設された商業施設、東急プラザ原宿・ハラカド(愛称)が、2024年4月17日に開業することが東急不動産より発表されました(2024年2月8日プレスリリース)[*1]。
「ハラカド」の設計は日建設計、施工は清水建設が担当。外装と屋上のデザインを、建築家の平田晃久氏(平田晃久建築設計事務所、京都大学大学院教授)が担当。東急グループが渋谷まちづくり戦略として策定した「広域渋谷圏」[*2]のエリアにおける主幹施設の1つとして開業します。
[*1] 東急プラザ原宿「ハラカド」の開業日発表と同時に、神宮前交差点の対面(東側角)にて営業中の東急プラザ表参道原宿は、東急プラザ表参道「オモカド」に改称
[*2] 広域渋谷圏:渋谷駅から半径2.5kmのエリアを指す。東急不動産では、2024年度までに、渋谷・桜丘、原宿・神宮前、代官山、代々木公園エリアで4つのプロジェクトの開業を予定している
東急不動産の発表によれば、「ハラカド」はこれまで多様なカルチャーを生み出してきた原宿・神宮前エリアが有する地域性・ヒストリーや、SNSを通じて誰もが自由に発信できる今の時代の社会的背景を踏まえ、「多様な人々の感性を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」となることを目指しています。
「ハラカド」という名称には、角・才・門という「かど」と読む3つの漢字が重ね合わされており、原宿と表参道が交わる神宮前交差点の「角」で、多様な人々の「才」を刺激・成長させ、新しい原宿カルチャーへの「門」となるという、東急不動産の事業者としての願いが込められています。
さらには「ハラカド」単体にとどまらず、「オモカド」を含めた神宮前交差点周辺の複数の物件とも連動させ、さまざまな個人の才能が生まれやすい場としての「路地」と、個人の才能が開花する場となりやすい「交差点」の2つを有機的につなぎ、原宿・神宮前エリア全体が新たなカルチャーの創造・発信拠点となることを目指すとのこと。
「ハラカド」フロア構成
7階:屋上
5-6階:飲食フロア、フードコート
4階:期間限定企画「ハラッパ」
3階:クリエイターズプラットフォーム
2階:商業フロア、COVER
1階:エントランス、商業フロア
B1階:小杉湯原宿(仮称)
※2024年2月8日発表時点
「ハラカド」の文化創造・発信拠点としての中心的役割を担うのは、3階の「クリエイターズプラットフォーム」です。
3階フロアには、クリエイティブマインドを持つ多様な人々や企業が出会い、共創することで、新しい文化を生み出し、世界に向けて発信できる機能を実装。クリエイティブ・ディレクターの⼤⽊秀晃⽒(OOAA代表)と、プロデューサーの城本久嗣氏(ii)がプロデュースする会員制のクリエイティブラウンジ「BABY THE COFFEE BREW CLUB」も用意されます。
3階フロアの一角には、コクヨ(KOKUYO)のインハウス・デザインコレクティヴ・YOHAK DESIGN STUDIO(ヨハク デザイン スタジオ)[*3] が5.5坪のスペースで出店。アイデアを出力し、日用品の新たな価値を提案するファクトリー+プリンティングレーベル「COPY CORNER(コピー・コーナー)」がオープンします(コクヨ 2024年2月8日プレスリリース)。
[*3] YOHAK DESIGN STUDIO:空間、プロダクト、グラフィックなどの多様な専門領域を持ったクリエイターが在籍する、コクヨのインハウス・デザインコレクティヴ。「ものごとの価値を再定義し、新しい体験をデザインするコレクティヴ」をコンセプトに、オフィスや商業施設、プロダクトブランドなど、領域を柔軟に横断したプロジェクトを手がけるほか、東京・千駄ヶ谷のコクヨの直営店「THINK OF THINGS」のプロデュース・運営も行っている。
https://think-of-things.com/yohak/
このほかにも3階フロアには、クリエイティブディレクターの千原徹也氏(れもんらいふ)が”うなぎパイ”の春華堂と手掛ける新業態店舗・クリエイティブカフェ&ラボラトリー・HOW’z(ハウズ|オープン日未定)や、OOAACCが手掛ける角打ちスタジオ・STUDIO SUPER CHEESE、博報堂ケトルのソーシャルクリエイティブ専門のスタジオ・STEAM STUDIO、ラジオ局のJ-WAVEによるポッドキャストスタジオとアートギャラリーを併設した新しいカタチのスタジオ・J-WAVE ARRTSIDE CASTなどが入り、個人や企業のクリエイティブ活動をサポートします。
G階、1階、2階、地下1階には、物販やサービス店舗を中心に、これまでECサイトや地方出店のブランドなども出店します。地下1階から屋上テラスまでの全フロアに入るテナントの総店舗数は75店舗。感度の高いヒト・モノ・コトと「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」を掛け合わせた、個性的な店が揃います。
なかでも注目は、2023年10月29日にビルの老朽化のため新宿ストアを閉店したYUBUNEの新店舗です(閉店を知らせるYUBUNEプレスリリース)。新宿ストアに引き続き、建築家の西沢立衛氏が店舗デザインを手掛けます。
地下1階に、昭和8年に高円寺で創業した老舗銭湯・小杉湯(こすぎゆ)がオープンすることも話題の1つです(2024年2月8日時点でその他公衆浴場認可申請中)。
2階にオープンする[COVER]は、取次最大手の日本出版販売および同子会社・ひらくの「文喫」チームが手掛けるイベントスペースです。ライブラリーには約3,000冊を超える雑誌が集まります。
出版社約20社の雑誌特集記事とのタイアップが毎月更新され、鮮度の高い情報発信を行う予定とのこと。神宮前交差点に面した窓面スペースを活用し、雑誌の紙面と交差点への広告、リアルな体験を連動させたプロモーションも展開可能です。
4階には常設の店舗などは入らず、多様なカルチャーや新しいエンターテイメントを原宿らしく編集し、国籍・性別・年齢に関わらず皆がボーダレスに体験できる場所となります。
オープンを記念した第一弾として、フロア全体を「ハラッパ」と題し、「自然・チルアウト」×「原宿で体験」をテーマにした企画が登場。代官山駅前に昨秋オープンした〈TENOHA代官山〉(Forestgate Daikanyama内)とも連携した企画となります。
SOLSO(ソルソ)の齊藤太一氏(DAISHIZEN 代表取締役)と遠山正道氏(The Chain Museum 代表、スープストックトーキョー代表取締役)を統括として、アーティストの小松宏誠氏と西原 尚氏が制作、デジタルアートを伊藤直樹氏(PARTY代表取締役)、インタラクティブコンテンツを満永隆哉氏・道堂本丸氏(HYTEK 代表取締役)が統括。フロア全体のサステナブル企画統括を、〈TENOHA代官山〉を手掛けた八島智史氏(RGB inc.代表取締役)が務めます。
5階・6階の飲食フロアは「原宿のまちの食堂」という位置付けです。5階は横丁のように店舗が軒を連ね、アートも点在。6階は緑豊かな芝生ゾーンと開放的な屋上テラスとがシームレスにつながります。
緑化される「ハラカド」7階の屋上テラスは、人々の憩いの場となると同時に、年間約8,900万人が通行する神宮前交差点の全体を使った発信が可能な、唯一無二の交差点メディアとしても機能します。
都心では希少な緑豊かな庭園空間と飲食提供可能なポップアップスペースとが連動し、コラボレーションイベントなどを開催できます。
「ハラカド」では、B1階の銭湯・小杉湯原宿、2階のイベントスペース・COVER、さらに屋上(7階)の3つの新しい体験型メディアを備えます。「ハラカド」の館内にとどまらず、交差点を挟んで斜め向かいの「オモカド」とも連動し、年間約8,900万人が通行する神宮前交差点の目の前で、メディアと体験が掛け合わさった新しい価値を提供します。
飲食の2フロアと屋上テラスを合わせた3フロア・約860坪には、個性的な23店舗が展開。「HARAJUKU KITCHEN&TERRACE」としてさまざまな料理・メニューを楽しむことができます。
所在地:東京都渋谷区神宮前6丁目31-21(Google Map)
用途:店舗、公共公益施設、鉄道用変電施設、駐車場等
敷地面積:約3,085m²
延床面積:約19,940m²
構造:鉄骨造/鉄筋コンクリート造
規模:地上9階+地下3階、塔屋1階
運営者:東急不動産
※東急不動産SCマネジメント、東京地下鉄、コロンバン所有床を含む(同建物内に別途、渋谷区・邱プラン所有床あり)
設計・監理:日建設計
デザインマネジメント:日建設計、マイオ建築研究所(代表:麻殖生龍哉)
商環境デザイン:乃村工藝社
外装・屋上デザイン:平田晃久建築設計事務所
ランドスケープ:DAISHIZEN
施工:清水建設、東急Re・デザイン
店舗数:75店舗
営業時間:物販・サービス店舗 11:00-21:00 / 飲食店舗 11:00-23:00 ※一部店舗は異なる
竣工:2023年8月31日
開業(予定):2024年4月17日
「ハラカド」プロモーションサイト
https://harakado.com/promotion/