著者のツバメアーキテクツは、建築家の山道拓人(さんどう たくと)、千葉元生(ちば もとお)、西川日満里(さいかわ ひまり)が主宰する建築設計事務所。建築を設計する「デザイン」と場の使い方のルールづくりなど、建築設計の前後に取り組む「ラボ」の2つの部門を掲げて活動してきた彼ら、ツバメアーキテクツとして初の単著が、TOTO出版から4月に発行されています。
2011年に発生した東日本大震災などでの経験から、与えられた環境の中で生きざるを得ない現代社会に違和感をもち、「自分たちの生きる環境を自分たちで扱えるものにする」ために考え、取り組んできた実践について、6つのテーマを設定して三人がそれぞれがテキストを書き下ろしています。
さらに、写真家の高野(こうの)ユリカ、文化人類学者の小川さやか、建築史家の青井哲人という、それぞれに専門分野が異なる3氏との対談も収録。現代社会を生き抜くための建築づくりを多角的に考察する1冊となっています。
目次
はじめに ふたしかさを生きる道具
第一章 建築の仮説を立てる「デザイン」と「ラボ」の循環 山道拓人
第二章 森の木で建てることから 千葉元生対談 写真に現れる建築の演技、都市の演技 高野ユリカ × ツバメアーキテクツ
第三章 「つくる」と「つかう」をつなぐメンテナンス 千葉元生
第四章 だれのものでもない庭 西川日満里対談 現代の長屋を成立させる条件のデザイン 小川さやか × ツバメアーキテクツ
第五章 生きることを支える家 西川日満里
第六章 街をリバースエンジニアリングするルールと、越境する設え 山道拓人対談 変わろうとする世界の背中を押す建築的方法のモデル 青井哲人 × ツバメアーキテクツ
あとがき バラバラさに流れを
著者プロフィール
ツバメアーキテクツ
山道拓人、千葉元生、西川日満里の3氏により2013年設立。建築の設計をする「DESIGN」と、建築の前後を考える「LAB」の2部門を掲げ、両者を循環させるようにプロジェクトに取り組むことで、建築の新しいバランスを探る。
これまでの主な受賞歴として、第34回JIA新人賞、SDレビュー朝倉賞、日本建築学会作品選集新人賞などがある。山道拓人
1986年東京都⽣まれ。2009年東京⼯業⼤学⼯学部建築学科卒業、2011年同⼤学⼤学院理⼯学研究科建築学専攻修⼠課程修了、2011-2018年同⼤学⼤学院博⼠課程単位取得満期退学。2012年Alejandro Aravena Architects/ELEMENTAL(南⽶ チリ)、2012-2013年Tsukuruba Inc.チーフアーキテクト。2013年に千葉、西川と共にツバメアーキテクツ設⽴。
2018-2020年住総研客員研究員。現在、法政大学准教授、江戸東京研究センタープロジェクトリーダーを務める。千葉元生
1986年千葉県⽣まれ。2009年東京⼯業⼤学⼯学部建築学科卒業、2009-2010年スイス連邦⼯科⼤学(ETH)、2012年東京⼯業⼤学⼤学院理⼯学研究科建築学専攻修⼠課程修了。2013年に山道、西川と共にツバメアーキテクツ設⽴。
現在、東京⼤学⾮常勤講師を務める。西川日満里
1986年新潟県生まれ。2009年お茶の水女子大学生活科学部卒業、2010年早稲田大学芸術学校建築設計科修了、2012年横浜国立大学大学院建築都市スクール(Y-GSA)修了。
2012-2013年CAt(Coelacanth and Associates)勤務。2013年に山道、千葉と共にツバメアーキテクツ設立。
現在、横浜国立大学非常勤講師、早稲田大学芸術学校非常勤講師を務める。ツバメアーキテクツ ウェブサイト
https://tbma.jp/
著者:ツバメアーキテクツ
判型:A5版
仕様:並製
頁数:232ページ
言語:日本語
ISBN:978-4-88706-406-5
発行年月:2024年4月
版元:TOTO出版
TOTO出版ウェブサイト
https://jp.toto.com/publishing/index.htm