2020年8月21日初掲
10月6日写真を追加
CIVID-19(新型コロナウイルス感染症)が社会に影響及ぼすなか、“ソーシャルグッドディスタンス”について改めて問い、都市空間の新しい遊び方、楽しみ方のデザインを求めた「ソーシャルグッドディスタンス・デザインコンペティション」が先ごろ開催されました。
【TECTURE MAG】では、募集開始早々の6月15日初出で募集概要を掲載し、オンライン(YouTube)で開催された公開審査会の動画も後日にシェアしています。
「ソーシャルグッドディスタンス・デザインコンペティション」
主催:有楽町 micro FOOD & IDEA MARKET、ソトノバ、VUILD、日本都市計画学会パブリックスペース活用学研究会・空間デザインWG、東京理科大学西田研究室(コンペ事務局)
スケジュール:
登録締切:6月24日(水)
提案〆切:7月1日(水)23時55分迄
公開審査会(オンライン)・結果発表:7月4日(土)
最優秀賞案制作開始:7月5日(日)
搬入・展示予定:7月20日(月)〜22日(水)
詳細 https://yurakucho-micro.com/event/s-o-c-i-a-l-g-o-o-d-d-i-s-t-a-n-c-e/
実際の都市空間のなかに、ポジティブなソーシャルディスタンスを生み出す可能性があるものとして選出された4つの最優秀案は、東京・有楽町のワークスペースや街なかにて期間限定で展示されました。そのうちの1つ「丸の内を、独り占め。」をご紹介します。
なお、この作品は、当初の予定を延長して、8月25日頃まで東京・千代田区の[有楽町 micro FOOD & IDEA MARKET]で展示されます。(en)
本プロジェクトは東京丸の内を舞台にした「ソーシャルグッドディスタンス・デザインコンペティション」最優秀作品のプロトタイプになります。
デザイン・ディレクション:studio anettai + nirds
フィニッシュワークデザイン / 写真撮影:スタジオキノコ
テキスト:山田貴仁(studio anettai)+犬童伸浩(nirds)
“独りきり” ではなく、 “独り占め”
ソーシャル・ディスタンスの確保は、わたしたちにさまざまなしがらみからの解放をもたらしました。
離れることは、繋がりすぎてしまう現代社会における、ソーシャル・デトックス。
他の誰にも邪魔されない新しい都市の楽しみ方によって、”独りきり”を”独り占め”へ変える提案です。
3次元的ソーシャル・ディスタンス
私たちは、XY方向だけでない、Z方向のソーシャル・ディスタンスに着目しました。
背の高い家具(椅子、ベンチ、テーブル、さらにはベッド)などを街に散りばめます。
ほんの少し視点をズラすことでできたディスタンスが緩衝材となり、都会のど真ん中でありながら、思い切り昼寝してみたり、恋人同士が楽しく過ごせたり、一人読書に没頭できたり、さまざまな新しい都市の楽しみ方が生まれるのではないでしょうか。
既製の椅子をハックする
今回はプロトタイプとして、既製のテニス審判台を改造し、座面高さ1.6メートルの椅子を製作しました。
座面と背もたれはチップウレタンで包み、座り心地を改善。
その上に梱包用ラップを巻き付けただけで防水仕上げとし、中身のテクスチャがうっすら見える、不思議な風合いの家具になりました。
さらにカップホルダー、充電用コンセント、画板のようなテーブルなどをアタッチメントとして追加することで、今回の設置場所である有楽町[micro FOOD & IDEA MARKET]の客席としての快適さも追求しています。
ソーシャル ”グッド” ディスタンス
ソーシャル・ディスタンスはいつか忘れ去られます。
しかし、この独り占めの贅沢な時間が、新たな都市の過ごし方として人々の心に残ることを期待します。(studio anettai + nirds)
審査会の動画はこちら:【TECTURE MAG】2020年6月15日初掲、7月10日続報
https://mag.tecture.jp/event/20200710-8014/
「丸の内を、独り占め。」が、2020年の夏、東京・丸の内仲通りにて開催された、街路空間の新たな利活用に向けた積極的社会実験プロジェクト「丸の内ストリートパーク」にて、8月29日の1日に限り、実際に展示、使用されました(TECTURE 公式facebookでも速報しています)。
来場者が3次元的ソーシャル・ディスタンスを試す様子をご覧ください。