アートディレクター、デザイナーとして、世界を舞台に活躍した石岡瑛子(1938-2012)の仕事を紹介する展覧会が、東京都現代美術館で開催されています。
本展は、石岡の没後初、世界でも初となる大回顧展で、インパクトのある展覧会タイトルは、生前の石岡自身の言葉からとられ、生涯を通じた石岡の仕事への姿勢と情熱を表すものとしてつけられたものです。
「血がデザインできるか、汗がデザインできるか、涙がデザインできるか。(略)別の言い方をするならば、「感情をデザインできるか」ということです。(略)私の中の熱気を、観客にデザインというボキャブラリーでどのように伝えることができるだろう。」(石岡瑛子 世界グラフィックデザイン会議での講演より)
Timeless(時代を超えるもの)、Original(自分にしかできないもの)、Revolutionarty(革命的なもの)をデザインの根幹に据え、自らの可能性に常に挑戦し続けた石岡は、亡くなる直前まで、エンターテインメントを中心とする世界のトップランナーであり続けました。時代に一大センセーションを巻き起こした広告キャンペーンから、音楽、演劇、オペラ、映画、サーカス、ミュージック・ビデオにおけるアートワーク、北京オリンピックのプロジェクトなど、世界中の有名無名の表現者たちとのコラボレーションのもと手がけた仕事は、グラミー賞、アカデミー賞など数々の栄誉に輝き、世界的に高い評価を受けています。
本展では、1960年代後半の資生堂やパルコの広告ポスターや、映画や舞台で使用された衣装、石岡が描き、手元に残していた膨大な数のスケッチやイメージボードから厳選された資料の数々、さらには現在は日本で見ることが難しい映画作品の一部映像も披露されるなど、極めて貴重な内容となっています。「TIMELESS:時代をデザインする」「FEARLESS:出会いをデザインする」「BORDERLESS:未知をデザインする」の3つの章立てで、その唯一無二の個性と情熱が刻印された仕事を総覧する大規模展です。(en)
アドバイザリー・ボード:石岡怜子、佐藤 卓、永井裕明
会場デザイン:中原崇志、阿部真理子
会期:2020年11月14日(土)〜2021年2月14日(日)
休館日:月曜(但し、11月23日、2021年1月11日は開館)、11月24日(火)、12月28日(月)〜2021年1月1日(金・祝)、1月12日(火)
開館時間:10:00-18:00(展示室への入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1,800円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,300円、中高生 700円、小学生以下無料
※予約優先チケットもあり
※開催内容は、今後のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響など諸般の都合により、変更となる場合あり
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F・地下2F(東京都江東区三好4-1-1 木場公園内)
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル / 8:00-22:00 年中無休)
東京都現代美術館公式ウェブサイト:https://www.mot-art-museum.jp/
関連イベント
11月20日(金)14:00より、「VIRTUAL ART BOOK FAIR(VABF)」関連イベントとして、本展にあわせて刊行された評伝『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』(朝日新聞出版)著者の河尻亨一氏(元『広告批評』編集長)と、本展担当学芸員の藪前知子氏によるトークセッションが、公開収録とライブ配信で開催されました。イベントは終了していますが、YouTubeのVABF公式チャンネルで配信されているアーカイブ動画を視聴することができます。
#VABF YouTube公式チャンネル:MOT / VABF関連トークイベント「石岡瑛子を語りつくす」(2020/11/19に公開収録・ライブ配信 )